聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループの論点整理 その1

2013-02-28 13:26:13 | Weblog

『医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ』は、平成27年度研修から適応される見直しに向けて、臨床研修の実施状況を把握して、論点を整理することを目的にして開催されています。

先日、厚労省HPにアップされていたのでどんなことが議論されているのか読んでみました。

 

いくつか論点がありますが、ここでは最近のテーマである教育と評価に関わるところに焦点を絞って、論点に関する解説をします。

 

到達目標とその評価

(現状)

施行通知において『臨床研修の目標』は、『臨床研修の到達目標』を参考にして、臨床研修病院が当該研修プログラムにおいて研修医の到達すべき目標として作成するものであり、『臨床研修の到達目標』を達成できる内容であること。

『臨床研修の到達目標』は、 行動目標(医療陣として必要な基本姿勢・態度)、 経験目標(A経験すべき診察法・検査・手技、B経験すべき症状・病態・疾患、C特定の医療現場の経験)により構成されている。

議論された《論点》は到達目標の内容と評価手法でしたが、ここではまず評価手法について解説します。

《評価方法に関する論点》

・到達目標の達成に係わる評価の在り方についてどう考えるか。

・「行動目標」や「経験目標」について、評価方法に関する何らかの目安を設定することについてどう考えるか。

・臨床研修病院におけるオンライン卒後臨床研修評価システム(EPOC)の今後の普及についてどう取り組むか。

 

【解説】

厚労省が示すとおりここでいう「臨床研修の目標」は、臨床研修病院ごとに「(厚労省の示した)臨床研修の到達目標」を参考にして、『病院ごとに考えた研修医の到達すべき目標のこと』です。ただし、その内容は「(厚労省の示した)臨床研修の到達目標」を達成できるようにしなさいと条件づけしているわけです。

だとすれば、「(厚労省の示した)臨床研修の到達目標」をバラバラにして研修医にもわかるような『行動目標(=刺激反応理論が活かしやすい項目)』にしてもいいし(でもそうするととんでもない項目数になることは容易に想像できます)、方向性としてとらえてまとめて表現した目標にしてもよいという解釈になります(その場合は評価方法はパフォーマンス評価あやポートフォリオ評価のような総合的な評価を採用しなければいけません)。

そこで、厚労省のワーキンググループが論点として挙げている評価の在り方と評価方法が課題となります。

参考資料には参加したグループの先生からの意見として、現状の形骸化したレポートには意味がない、研修医の経験に対する省察しが評価できるようにしたものにすべきである。形成的な評価を途中に挟むべきである。第三者評価期間による評価がいいのではないか。などがありました。

これらの意見は大賛成ですし、本学が当初より取り組んできた方向性が正しいことを裏づける意見だと好意的に受け止めました。

オンライン評価システムの普及については、そもそもの目的からして、ちょっと疑問を感じます。つまり、前述した議論がありながら、なぜ評価という視点でみた場合に、制度上の義務化という発想になるのか。代行入力さえも視野に入れるとあります。(たしか、このシステムは文科省が中心に開発されたもので、厚労省の管轄である臨床研修で利用されるのに違和感を感じたという歴史的な背景はおいておいて、そもそも評価手法として適切なのかということをきちんと議論して欲しいと思います。チェックリストは正しい物差しでしょうか。

個人的には上手に活用するとすれば、データベースとしての活用ができると思います。

これまで解説してきたように臨床研修の現場における『評価手法』には限界があるのです。指導医も疑問を感じながら、日々チェックしているのです。ですから、議論にあったように、評価の在り方や評価方法の目安を教育的な観点で議論して方向性をきちんと示すことが先決ではないかなと思います。その上でチェックして記録するシステムとして活用しましょうとすれば、もう少し意味が出てくると感じます。

少なくとも、電子ポートフォリオのことを『研修の記録管理などを行うデータベースシステム』と書いてしまっている時点で、臨床研修における教育的観点からのズレを感じずにはいられません。ただ、IT化を目指すと言っているだけに聞こえてしまいます。


 


臨床研修における評価の視点

2013-02-27 11:25:26 | Weblog

医学教育学会や臨床指導医養成ワークショップに参加すると
知識・技術・態度の観点ごとに学習者である医学生や研修医を評価するように
いろいろなカリキュラムの立案を学ぶことになります

目標を設定して
学習(研修)内容を考えて
そしてところどころで形成的に評価してfeedback手法を用いて
適切な簡潔な視点で導き(どちらかというと気付かせるというイメージです)
そして気付いたものは
学習者である医学生・研修医が自己修正していく

こんな流れを指導医や教員は学び
日ごろの教育や研修で実践するように指導されます

が・・・・でも・・・・・しか~し!

日々の臨床で多忙な指導医が実践できるのか?というと
指導医→研修医の一方通行のこの思いはまず実現が難しい

なぜか?
実際どんなに教員や指導医が頑張っても
(ここはまさに具体的な表現でなく頑張っても!って感じが伝わってほしい)
医学生や研修医がいまひとつピンときてない!って感じてしまうのです
とお答えになる教員や指導医が多いのではないでしょうか

ところが
実際に教育現場で困っている医学生や臨床現場で動けない研修医は
どこにつまづいているか?という視点でみると意外とひとつのことにつまづいていることがあります

自分の能力を正確に把握できていない
自分にとって何が今問題なのかよくわかっていない

このような場合ある事象があると自分で無理だと判断して
勝手にすべての行動を停止してしまいます
「だって!わかんないんだもん!」

この「わかんないんだもん!」を
「ここがわからないんです!」って変えさせないといけないわけです

ここをちょっと刺激すれば
多忙な中でも短時間に指導することも可能って思っています
労力を費やさず自己成長を促すってイメージです

自分自身を認識する場合において
自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること
それをおこなう能力をメタ認知といいます

さらに進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識し
自分自身の認知行動を把握することができる能力をメタ認知能力といいます

学習においても研修においても
自分が何を行っているのか?きちんと理解している医学生や研修医は
次のときにはきちんと修正して実践できます

教員や指導医がただ漫然と
目標設定して学習内容・研修内容を揃え
評価して適切にfeedbackすればこうなるはず!
ではない可能性があることを知らないといけないかもしれないのです

メタ認知能力のあまり高くない医学生や研修医がいる
ここを育てることを同時にしないと
いつまでも成長がみられないってことになりかねないと感じるのです

だからこそ
医学生や研修医がメタ認知能力を持っているか?ということを
所々で確認していく必要があるわけです

そうなるといかにメタ認知能力を養うか?ってことになります
ここでポートフォリオの登場!

自分の理解を深め
自分の考え方や思考のパターンを認知することで
自分の行動を制御・決定していく能力を養うためには

自分の研修2年間で何を経験したのか
きちんと証拠として挟み込む
自分の考えや思考を整理するために
振り返り・モニターリング(自己分析)する
さらなる成長を目指して
問題解決していく

まさにポートフォリオ作成の過程がここにあります
研修医が自己成長していくのを一緒に見守る

このポートフォリオを評価することは
研修医のメタ認知能力を知る手だてになると思っています


とにか~く病院見学お待ちしています

2013-02-26 22:24:04 | Weblog

さて今年ももたくさんの医学生の方々が病院見学においでになってくれると嬉しいです
お待ちしています

さて毎年たくさんの医学生が病院見学に訪れます
どうですか?
今年はぜひ聖マリアンナ医科大学病院群に見学に来ませんか?

毎年
見学のあとでお書き頂く感想には
『非常にやさしくしていただけました』なんて感想が多かったですが
残念ながらボクが対応した学生さんはきっと驚いたことでしょう

最初の一言は
せんせ~は将来どうなりたいの?
その学生さんが将来どうなりたいのか?それが知りたい
本学の臨床研修がどんな風にお役に立てるのか知りたい
その一存なんですけど

それともう一つ聞くのが
ほかに見学行った病院ではどんな風に研修到達目標を達成できるか聞いてみた?
『うちではね
本院と西部病院と多摩病院でそれぞれ達成できる目標が若干違っているから
それぞれの特徴を知っておくといいよ~』って始まる

そのあとは
研修におけるメンタルサポートのことや
自分のなりたい医師像を心に描きながら
自分だけの多彩な研修スケジュールを組めることや
それを研修途中で変えることができることや
指導医が全国一多いことや
それを支える臨床研修センターのこと
給与や研修環境のポイント
そして必ず研修医とも話しをしてもらう
話を聞いた学生さんは笑顔でこう言う
『凄いですね!びっくりしました』
よ~し!これでこの学生さんも来年は受験してくれるだろうって思ってると・・・・
なぜか少ないんだよね~

最近はボク話し過ぎじゃないか?って猛省しているわけ

今年は?どうなんだろうって聞いたら
『確かに・・・・話を聞いて驚いてます!』って
でもぜひ今度はキャリアデザインをしっかり立てて
目標をもって見学に来ますって返事

ほんと待ってるよ~みんな

あります

ぜひ今年は聖マリの研修プログラムを見に来ませんか?


信頼される医師の品質保証へ向けて~医学界新聞より~

2013-02-25 18:22:05 | Weblog

かなり前の記事ですが、読み返したらちょっとおもしろくて再びご紹介

 

元厚生労働省医師臨床研修推進室室長の宇都宮啓氏と,東京大学医学教育国際協力研究センター教授として研修制度の変化を身をもって感じている北村聖氏が対談
その内容は・・・・
「臨床医としての品質保証」がこの制度の大きな趣旨
論すれば「注射が打てなくても医師は医師」
今までの医師はアメリカンフットボール(アメフト)のプレイヤーで,今度はラグビーのプレイヤーになったと例えています。アメフトは,役割分担が細かく決まっています。人数が多ければ攻守は別ですし,さらに攻撃陣の中でも細分化し,ボールに触ってはいけないポジションもあります。しかし素人は,アメフトのプレイヤーは全員ボールを持って走ったり,蹴ったり,投げたりできると思っています。
ラグビーの場合は,一応ポジションは決まっていますが,試合が始まれば,状況によって攻守はいつでも替わり,誰がトライをしてもいいわけです。全員が走る,蹴る,タックルをするといった必要最低限のことができたうえで,細かいポジションが決まっている。これが求められる医師じゃないかと思います。
わかりやすくていいです
思わずその通りだって思っちゃいます

さまざまな要因が絡み合う地域の医師不足問題
「へき地に医師が行かなかったのではなく,行けなかったのだ」
ストレート研修で,設備の整った病院で研修してきた医師が,地方の設備も少なく,どんな患者が来るかわからないところへ行くのは非常に怖いこと
そう思うそうだそうだと感じてしまう
「富士山がきれいなのは,高いからきれいなんじゃない。裾野が広いからきれいなんだ。電信柱がどんなに高くても,美しくはない」
専門医であっても,プライマリケア能力を持っていないといけないと思います。専門性が高ければいいというものではないことを,ぜひわかっていただきたいです。
すごいねこの言葉

「専門医へ」と言っている患者さんによく話を聞いてみると,実際に求めているのは,多くの場合,「よく話を聞いて,きちんと説明してくれる医師」「信頼できる医師」なんです
外来でもよく聴きますこの言葉
『せんせ~はよく説明して下さるありがとうございます』
『せんせ~は専門ではないようですがこれからもずっと担当になってもらえますか』
なんてね~そうかそうかうんうん

キャリアデザインを示すことが重要
いまの研修医はキャリアデザインを考えています。「自分はここで研修して大丈夫なんだろうか」という気持ちになるところには行きません
おいらもそう思うぜよ~

なんて感じでした

どうですか?これ研修当初の記事です


自分を変えた瞬間を忘れないために

2013-02-24 11:17:10 | Weblog

本学では研修2年間で印象深かった症例のうち
とくに自分の医師としての今後に大きく影響した症例を自分なりに分析して書く
『Significant Event Analysis(SEA)』なるものを
自分のポートフォリオに挟み込んで提出することが義務づけられています


病気に苦しむ患者とともに悩んだ日々のことや
それを取り巻く周囲の人々との医師としての立場でのやりとりでの苦悩
医者になることに自信を失いかけてきたころに患者さんや家族に言われた『感謝の言葉』
治療に限界があることに気づいたときに自分が何をなすべきか逃げずに考えたこと
生活保護を受けている患者さんの治療においてまずすべきことは薬ではなかったこと
経鼻胃管を抜いて退院する患者の笑顔に最善の医療とは何かと知ったとき
ディスポ使い捨ての経鼻胃管を洗って熱湯消毒して使うおばあちゃんの言葉に衝撃を覚えたこと

などなど

ある病院からの報告では
『SEAは研修医の手技向上に影響しない』っていうのがありました
それって何を目的にするかではないかな?と思います

先日述べた記録することで『はまり所』を見つける
そのはまり所が技術的なことなのかそうでないのか
その違いではないか?と感じますがどうでしょう?

少なくとも最初は強制で書かざるを得ないポートフォリオかも知れませんが
実際には少しずつ研修医は変わっていきます

1年に1例
自分の言葉で書いていきましょう
そして
テューターや研修医同士できちんと振り返っていきましょう


指導医徒然日記 ~医学教育でもリメディアル教育『学び直し』が必要?~

2013-02-23 21:15:02 | Weblog

昨今大学生全般の『学力低下』が社会問題となっています
これは一般大学に限らず医療系大学でも同じではないでしょうか?

そのためどの大学でも初年次教育で『リメディアル教育』が注目されています

『リメディアル教育』
つまり『学び直し』です

欧米とくに米国ではこの『学び直し』を『Developmental Education』と称しているそうです
これは大学レベルの教育を受ける準備が教育として必要であるコースのことで
米国では読み書きや数学などの教科が含まれています

ところが
日本では若干拡大解釈されいてあるアンケート調査ではいくつかの解釈がなされているようです

一つは高等学校までの教科教育を学習しているパターン
高校で単位を修得していない教科がその大学の教科で必要となる知識を履修させる未履修型や
高校で履修はしたがとても大学の講義についていけないくらいの知識しかない学力不足型があります
そしてもう一つ
これは大学での学習活動の入門編といえるパターン
大学の専門教育を受けるのに必要とされる知識などを補うもので
医療系であれば研究活動に必要な学習スキルを身に付けるための大学講義の導入パターン
さらに上記の二つを利用しながら
入学前に合格者を対象に大学が実施する入学前教育や
大学入学後に実施した様々な試験結果から基準点不足の学生を対象に実施する補修・復習型教育があるようです

多くの大学がこのような考えで『学び直し』を行っています
医療系大学といえども同じことが言えそうです

授業を受けている大学生を対象に実施したアンケートでも
『授業の内容が難しくついていけない』と回答している医学生は半数に及びます
ところがある大学のアンケートでは教員側は9割は教えていると豪語しているそうです

これでは乖離が生じていると受け止めざるを得ません

まずは高校生の受動的な学習態度や学習意欲の低下が切実な課題です

義務教育段階における『学び直し』の課題を明らかにして
義務教育段階での学習内容の確実な定着に向けた実践が求められているようです

大学生でも自分の意見がなかなか言えない
どうも『言えない』のではなく
『表現できない』のだそうです

患者の訴えを聞いても
自分の言葉で置き換える事もできない
医療用語に当てはめてみようとするが
そもそもきちんと理解できていないので当てはめられないのが現実のようです
『つまりコミュニケーション能力の低下?』とひとくくりにはできません
杉本先生に怒られてしまいます
あるコンテクストにおいて
コミュニケーションはとっているけど
自分の考えをきちんと相手に伝えられないし
相手のメッセージも正しく同じように受け止められない
語彙力の低下がそこに存在するということです

『先生それってどういうことですか?』
きょとんとした顔をしながら発するこの何気ない質問の中には
とても深いい意味があったのかも知れないのです

ということで
研修医の態度が云々と上から目線だけで捉えることは難しそうです

とにかく大学という環境に「適応」させるため
私たち指導医や教員は
入学してきた学生を「高校生レベルの学び」から本来の「大学生レベルの学び」に「転換」させることを考えないといけないようです

では『リメディアル教育』を実践すれば医学生から変えられるか?と言うと
どうも『No!』と言うしかないですっていうのは次回の話題


参考資料:
Benesse 教育研究開発センター 記事


指導医徒然日記 ~受け身の実習や研修を変える~

2013-02-22 20:12:46 | Weblog

医学部のゴールは『医師国家試験』
進級においては常に多選択肢問題で知識が問われる
症例問題でも
『症例は何歳男性。主訴は何々。こういう所見があって、これとこの所見はなかった。』
『何を考えますか?次の中から選びなさい。』
これでは医学生が物言わぬ歩く医学百科事典見たいになっても仕方なくないですか?

ある時代『知識ある人』を育成すれば
おのずとその人は優れた能力を発揮すると考えられた時代があって
それでは不十分だとなったときに
それぞれ知識と技術と態度の領域で目標を掲げて達成させようと考えて
たくさんの目標を掲げるようになった
するとA=Bの方程式ですべてが解決できると信じて疑わない人たちが育った

今の世の中はすべて都合良く一人の患者さんがひとつの病気だけってことはない
さまざまな背景を持っていていろんな視点で診ていかないとならない

するとそういう考え方を育てていかないといけなくなったわけです

でも残念ながら思考過程を育てるような教育はまだまだ不十分
PBLだけではなかなか現場で活かされません

現状ではBSLや臨床研修でその都度刺激して育てるしかないようです

BSLで後ろの方で小さくなっている医学生は決して何も考えていないわけではありません
『自分なんかひよっこだからここで十分です』って謙虚に訴えているだけです
(また勝手な評価しているって叱られるかもしれません)

研修医でも同じことです

ところが
1年目をどこで研修したかで随分と回診のときに立っている場所が違うことに驚かされます

そこで
思考過程を明らかにするようなプレゼンや指導を日々意識すべきだと感じている次第です
それにはmini-CEXや5micro-skillsは有効です

ぜひぜひ試してみて下さい

きっと明日はちょこっと前に立っていると思います
(絶対とは言いませんけど(笑))


指導方法  忙しい臨床現場で使ってみては?

2013-02-21 22:11:08 | Weblog

さて
臨床の忙しい現場でどう教えるか?
教えるっていうより
忙しい現場でいかに臨床能力を高めるように指導していくか?って
発想をまず変えてみる事だと感じます

まず
feedback手法はなんとなくわかるけどって指導医の先生は多い
でも
効果的にってことになると何が効果的なのか?って思うようです
それに本学だとしきりに研修医のレベル(到達度)が取りざたされるけど
いったいその研修医がどのレベルなのかもまずわかんないっていうのが現実問題なんでしょうか


時間のない臨床の現場で効果的なフィードバックを行うときのひとつの方法がありますよって
指導医WSで話したのを覚えてますか?
病棟のナースステーションで
救急の外来で
昼飯を食べながらお茶しながら
ちょっとの時間を利用してポイントを絞ってフィードバック  

それが1分間指導法(5micro-skills)です
これは研修医の思考過程を明らかにしつつfeedbackを行い
研修医自身が振り返りを促されるもの

ほら?思い出しましたか?
指導医WSのadvancedコースでは互いにやってみたやつです

5つの段階的な質問で済みますからやってみてはどうでしょう?
まずはこんな質問からスタートです
第1ステップ 研修医の現時点での考えを聞く
「先生はどう考えますか?」
まず研修医自身の考えを引き出す
もちろん開かれた質問であることが重要!
うっかり「○○○は考えなかったの?」ではダメですよね
相手が何を理解してどこまで考えたかを明らかにするステップです

第2ステップ その考えの根拠を聞く
「なぜそう考えたんですか?」
研修医の知識と思考過程の確認作業です
そう考えるに至った根拠を確かめます
偶然あってたなんて場合もあります
診察そものがうまくできていないのか?(報告者レベル?)
情報を分析することができなかったのか?(解釈者レベル?)
ここを明らかにしましょう!
ここで大切なポイント
あくまで研修医のレベルを知ること
中には「え~そう思ったんだけど違うんですか?」「・・・・・・わかりません!」って言い訳や逃げてしまう研修医もいます
そこで諦めてはいけません
研修医のための指導です
「(笑顔で)そう思ったという理由を話してみてよ先生」
「(二コっと)そのわからないとこが何か話してみてよ先生」って感じです

そしたらここ大切なステップです
第3ステップ 出来たことを褒める
「なるほど!いいね~!先生!」
現時点でできていること(診察出来たこと?解釈できたこと?)を確認して
まずはその段階を褒める
すると相談しやすい雰囲気になりますし研修医は自信を持ちます
ここまではいいのか~!よかった~!ってね

この第2・第3ステップがうまくいくと
たとえポイントずれた解釈をしていても
「それは面白いところに目をつけたね!でも・・・このケースではどうだろう?」
研修医は「ん?何か違うんだなきっと・・・・」と自分で考える癖を身に付けます
振り返りをどんどん促すことを習慣づけていけるようになります

このときやっちゃいがちだけどダメなのは
「○○○忘れてるじゃん!知らないの?」と先に答えを知ってしまうこと
きっと研修医は丸暗記していきますヨ

第4ステップ 一般論を提示する
「一般的にはこういう風に考えるよね」「文献的にはこうだよね」
あやふやなことを明確にしながら知識の定着を促します
つまりまず間違いに気付かせる
患者と一般論がセットになると知識が定着しやすいようです
ここで注意すること
あれこれ教えすぎないこと!
そうそう以外とこれって多いですよね
ちょっとのつもりが話し過ぎちゃうパターン
今その話しされてもって研修医は自然に耳に蓋してますよきっと

そして最後に
第5ステップ 改善点を提示する
「じゃ~先生!今度同じような患者さんが来たらどうしますか?」
臨床上の問題を明らかにしていく段階です
目の前にいる患者に則して学習課題を明らかにしましょう!
もちろん研修医の側から
「これが理解できていなかったので勉強してきます!」なんて感じになればいいけど
指導医から促すのもありです

これって慣れてくると本当に1分程度で済みます
ボクは実際に研修医に配布している日々の記録帳に書き込ませます
忘れないように

すると後日余裕があるときに
そう言えばあれどうした?って手帳片手に一緒に学ぶ姿勢が出てきます

そう
教えるって発想ではない方が疲れませんし負担感を感じなくできます
リラックスして試してみてはどうでしょう?


ポートフォリオを読み直す

2013-02-20 11:09:48 | Weblog

とにかく週末に一度自分のポートフォリオを読み返しましょう
この研修で何を達成できていて
どの部分がまだまだ未完成なのか
それを知るいい機会になるはずです

もちろん指導医とポートフォリオを片手に面談するのはいい方法です

いろいろなアドバイスがもらえるでしょう

研修医同士でポートフォリオを持ち寄って話し合うのもいいですね

ぜひぜひもっと活用していきましょう


ポートフォリオを読み返そう!

2013-02-19 20:26:32 | Weblog

とにかく週末に一度自分のポートフォリオを読み返しましょう
この研修で何を達成できていて
どの部分がまだまだ未完成なのか
それを知るいい機会になるはずです

もちろん指導医とポートフォリオを片手に面談するのはいい方法です

いろいろなアドバイスがもらえるでしょう

研修医同士でポートフォリオを持ち寄って話し合うのもいいですね

ぜひぜひもっと活用していきましょう