聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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後期臨床研修医募集中!

聖マリアンナ医科大学では平成26年度後期臨床研修医を募集中! 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターまでお問い合わせ下さい!

指導医徒然日記  ~研修満足度と患者満足度~

2008-02-27 14:18:47 | 指導医日記
一見してあまり関係なさそうなテーマ
今多くの企業において
顧客満足度と上げる為にはその企業の職員満足度を上げることということが注目されてます
そりゃそうです
サービスを提供するスタッフが満足度が高くないのにどうして顧客にサービス提供できるかって話

なるほどね~

医療におけるサービスは患者(顧客)に対する究極のカスタマイズ・サービスです

ですから医療スタッフが自分の職場や仕事に高い満足度を持っていなければ
患者により高いサービスを提供するなんて発想には結びつかないわけです

これが臨床研修ってことになれば
研修医にきちんとした指導を行いよりよい研修環境を提供していくには
より臨床指導医の満足度をあげていけばって感じになるし
研修医や臨床指導医の仕事や職場における満足度があがれば
これは臨床研修病院そのものがより素晴らしい医療サービスを提供できるってことです

どうすれば指導医や研修医の満足度はあがるのか
それは
正しく選抜された指導医や研修医であること
それに動機付けできるリーダーの存在
そして動かす仕組み
が必要なんだそうです

どう採用するか・・・・・・
指導医が指導医になるにはWSに参加して教育を受けます
研修医は面接試験と小論文ですね

あるホテルでは採用試験で重視していることは
個人のもつ天性の資質やキャラクター
臨機応変で温かいサービスができるかどうか
向上心があってさまざまなトレーニングに積極的に取り組めるかどうか
これらに重点を置くそうです

つまりスタッフの『技術』を教育するのは容易いが
『態度』を教育することはホテルのようなサービス業でも難しいってことです
採用の段階で十分なエネルギーを費やして採用すれば
採用後にやる気のない低いパフォーマーに多大な労力と時間を費やす必要がないのです

う~ん
ってことは医学生にもっとしつけをしておけば
研修医や指導医への『態度』の教育は不必要に・・・・・・なる?のか

リーダーの存在・・・・・・
病院においては病院長や診療部長
研修においては臨床指導医・・・・・ですかね
仕組みはっていうとやはり『研修プログラム』とそれを動かす『研修管理委員会』です

何よりも継続して教育していくことと評価してフィードバックしていく仕組み
これが研修医や指導医の満足度の向上になる
オレはちゃんとやってるのに(何をやってるかは個人判断)
あの人はちゃんと見てくれないから不当な人事だ(評価は違う視点で他人の判断)
これじゃ~満足度はあがらないやる気は続かない

目標も評価ポイントも示しておくことこれ大切

そうか~これやれば評価されるし身につくのか~って感じ

ボクらの知りたい『10年後のわたし』

向上心があるかどうかが知りたい
ここで何を学びどう活かして行きたいのかすると10年後にどうなるのか
そのビジョンが見たい知りたい教えて欲しい
そうすれば研修病院としてあなたに何が提供できるかお互いに納得できる

ポイントずれてたくさん書き込んでもね

とにかく研修医や指導医の満足度を上げて
患者に社会によりよい医療サービスを提供していきたいですね

          

なんて書いてみたものの
おいらの満足度は・・・・・・・・・・・


なぜ必要なのか?研修プログラム

2008-02-26 09:12:57 | プログラム解説
おはようございます
別に催促されて書くわけではありません
ただでどうしたの~?って言われるとね

さてさてよく他の臨床指導医からなんでこんなに細かくプログラムが必要なのか?とか
研修修了判定が厳しいから研修医が集まんないじゃないか?とか言われます
中にはこの研修到達目標ってやんなくてもいいんでしょ?
ほかの病院なんかちゃんとやってるとこ少ないのになんでやるの?
そんな疑問の声もある

そうですね~簡単に言っちゃうと
気ままな一人旅を楽しむのもありだけど
それだとどこをどう旅してきてどこに行ったのか
自分で写真を撮ったりとか記録したりとかしないと証拠になんないですよね
小学校の遠足じゃないから何もかも周到に用意された道筋を歩くのではなく
自分で計画して楽しむ中学や高校の修学旅行のような感じ
このスタイルが増えてる

社会に対してこの研修病院で研修した研修医はこのレベルにありますって
ちゃんと保証するために
研修医に対してここで研修すればこうなるよって
ちゃんと保証するために
何よりも
研修の目標とその内容とそれをどう評価したか
研修そのものがどう安全が保たれているか質が保たれているかって示すこと
これが不必要だってことにはならないんじゃないかな~

それが示されている中で
あとは研修医個々が自分のスタイルにあった研修を行える仕組みがあることが
もっとも重要で研修医が研修を楽しんで安心して行えることになると思います

聖マリアンナ医科大学の研修プログラムもかなり厚く中身が濃いですが
都内の某研修病院なんか100ページを越えてましたよ
似たようなもの

もし周りにまだまだ必要なのか?このプログラム?
なんて疑問を持ってる指導医がいたら
聞いてあげてください

先生はどうやって研修医の成長を促すんですか?
ここで研修したらどうなるのかってものを見せてください
って

そんなの関係ね~よ!って逆ギレされたら
よかった~研修する前に早めにわかって~って御礼を言っちゃいましょう

ようやくできました平成21年度初期臨床研修プログラム

2008-02-25 17:54:44 | プログラム解説
お待たせしました
ようやくお披露目できます
平成21年度聖マリアンナ医科大学初期臨床研修プログラム
臨床研修センター運営委員会での準備はすべて終わりました

非常に興味深い内容に仕上がってます

もちろん正式には厚生労働省に申請してマッチングの募集となるわけですが
ホームページ上での公開は例年通り4月1日を予定してます

平成21年度初期臨床研修プログラムでは大きな特色があります
それは・・・・・

臨床研修病院ごとに採用されます!
つまり聖マリアンナ医科大学病院本院と横浜市西部病院それに川崎市立多摩病院ごとに
研修プログラムが用意されているってこと

それだと地域医療とか僻地医療研修とかどうなるの?
小児科や産婦人科はどうなるの?
選択科も選べないのか?
なんて不安不満は十分に理解してます

研修の1年目はそれぞれの臨床研修病院で研修を行いますが
2年目はきちんと研修医個々のキャリアデザインに合わせて3つの臨床研修病院で
研修できるように構成されています

どうですか?

臨床研修病院ごとに特色を出した内容になってます!
例えば聖マリアンナ医科大学病院は3つの研修プログラムごとに特色が
横浜市西部病院は内科研修に特徴が
そして川崎市立多摩病院では2つの研修プログラムにさらに選択できるオプション付き

このオプションは凄いですよ
例えば通常の研修スケジュールではどうしても修得しきれないものがでます
でもちょっと触れておきたいとか知っておきたいけど2ヶ月間はどうも~ってことがある
そこで全コース10回の選択研修コースを用意しました

例えば心電図検査修得コース
基礎から臨床応用まで全コース10回で学べるようになっています
もちろん本来の研修診療科で研修しながらこの選択研修コースの時間になったらお勉強タイム
指導医お墨付きの研修なので安心して参加できます
そして全コース終了して見事修了すれば病院長のお墨付き

などなど

ま~今週土曜日の説明会にはぜひぜひご参加下さいませ

学外の医学生の皆さ~ん
きちんと説明会は行います
もちろんこのブログでもHPでもどんどんご案内して行きますので
お楽しみに


永らく研修ブログが更新されずご迷惑をおかけしました
今後はちゃんと更新していきます
とひとりで宣言


ポートフォリオもここまで来た~!

2008-02-22 22:44:58 | Weblog
いや~凄いものを見せてもらいました
分厚いだけじゃない
研修のすべてが詰まったこれらのポートフォリオは本当の宝物
ある指導医の先生が
これをこのままじゃ~もったいなさ過ぎるって
ご安心下さい
これはあくまで形
大事なのは此れ程までのポートフォリオをちゃんと作り出せるようになったこと
そのパフォーマンスを示してくれた研修医がちゃんと育ったわけですから
ま~たくもったいなくない!

ほんと
みんな見にきた方がいいですよ
多くの教職員の方々が聖マリアンナ医科大学の臨床研修を知る最高の証拠だと思います

そうそう
来週土曜日には
ベスト・ポートフォリオの研修医の先生方による
プレゼンテーションがあります
ぜひぜひ医学生から研修医そして多くの教職員の皆さんにも見にきてもらいたいと思います
では

ポートフォリオ提出締め切りました

2008-02-19 22:49:39 | Weblog
いや~またまた違う工場から農薬検出
どうなっちゃってるんでしょう?
こうなるとこの間めまいがしたのはゲームのやり過ぎではなく冷凍食品だったのでは?
っていうより外来で見逃してないかって心配?
いえいえ必ず瞳孔を確認してますから大丈夫だと思います
はい

そう言えば月曜日でポートフォリオの提出締め切りました
明日から読み込みです
まずはテューターによって確認された上で提出されたポートフォリオ
これを2人の臨床指導医とくに赤いバッチを付けたアドバンスコース修了指導医が
ちゃんと読み込みます

さてさてどんな評価を受けるんでしょう

そうそう今週末は1年目の先生との中間面接
ポートフォリオの進捗状況を確認しますから
お忘れないように

あと来週の土曜日はBSLによる研修医の評価があります
ベスト・レジデント賞はこれまでポートフォリオのみで選出してましたけど
今年からは一緒に病棟で研修と実習を行っていたもの同士で
選ぶのはどうだろうってことで初の試み

ま~やってみましょう
楽しみです

そうそう国家試験も終わりましたね
いかがでしたか?

では新入職者オリエンテーションでお会いしましょう!

我慢しないこと

2008-02-15 20:12:08 | Weblog
研修医の先生が環境の変化になかなか対応できないことはすでに知られています
それがストレス誘因となることも

研修医を含めて医師は対人関係に関しては諦めているのか
ストレス因子としては他職種に比べて低いのだそうです
実際には終わりのない労働時間や
自分の能力以上の過度な仕事がストレス因子になる

まじめな研修医ほど一生懸命なので
何とか今日中に何とか自分一人で頑張ろうとしてしまう

オレ頑張れ!
オレできるはずだ~!
が・・・・・・
なんでできないんだ~オレ
できない・・・・・
オレだめだ~
オレ医者に向いてない・・・・・・・のか

指導医の先生たちはちゃんとフィードバックの指導を受けています
君たちの周りには青いバッチや赤いバッチを付けてる指導医がいっぱいいます
ひとりで悩まずすぐに相談しましょう
話しましょう
それが解決への近道です

我慢しないこと


テューターによるポートフォリオ読み込み

2008-02-14 17:10:06 | ポートフォリオ評価
先日ようやく担当の研修医と面談できました。ほんと遅くなってごめんなさい。
でもお二人とも非常に厚い6冊にもおよぶポートフォリオを見せてくれて。
研修はポートフォリオを作ることが目標ではありませんし、もちろん研修到達目標を修得することだけが目標でもありません。
研修目標の修得が最終目標であれば、ただ記載してこなしていくだけのポートフォリオを用意すればいいはず。それこそポートフォリオの中身には研修評価表のみが挟み込まれたものになってもいいはずです。
にも関わらず、自分の研修中のスナップ写真からすべての手術記録を自分なりにまとめなおした記録やさらには調べた資料をすべて挟み込んでる。
しかも評価者が読みやすいように並び替えてある。
1冊目には凝縮ポートフォリオ用紙、続いて研修スケジュール表、研修目標、それぞれの研修診療科ごとの研修目標や具体的目標、その研修修了時の自己評価、もちろん自己分析のために提出を求めているself assessmentやSignificantEventAnalysisを挟み込んである。2冊目以降はすべての研修診療科ごとの形成的評価表・自己評価表と総括的評価表がこれまたびっちり。
3冊目以降はあらゆる資料と日々の研修の記録や患者サマリー。
これに1ページ1ページ目を通してサインして無事読み込みと面談を終了しました。
お互いに満足感で満ちあふれていました。
記念撮影もしときました。
あとは研修管理委員会での修了判定を待つばかりです。でもこのポートフォリオが徐々に本当に研修医を成長させていると実感していますから、まさにねがいとねらいが合致してきたと感じています。

でもそうでもないポートフォリオも見受けられる。これはこれでやり方を検討し直さなければいけないな~って感じてます。個別指導をもっと重点的にしないといけない。その反省材料としても大切なんです。

ということで。
全国の医学生さん。ちゃんとした医師になりたかったら研修が大切です。
そしてその研修中にどうなりたいかってことを念頭に研修病院を選択していきましょうね。では。

研修評価の意味するところ

2008-02-12 19:04:49 | ポートフォリオ評価
研修修了判定が近づいてきました
研修医の先生方は戦々恐々としているのでしょうか?
余裕を構えている方もいるかも知れませんネ

今日は久しぶりにちょっと小難しい話

さて小学校・中学校さらには高等学校そして医科大学で学び
さらには医師国家試験をクリアしてきた研修医の先生方は
平成16年度以降はこの研修必修化でまたも『評価』されて無事
医師(=この場合は臨床医ですね)の第一歩を踏み出したわけです

さてこの間いったいどれだけの『評価』を受けてきたのでしょう?
卒業の度だから・・・・・中高一貫だと・・・・・小学校から女子校だから・・・・・・ん?
なんて先生もいれば
毎学期ごとに試験があってその都度大変だったよ~な~んて方も

実はこれ『評価』のほんと一部分に過ぎません

例えば聖マリアンナ医科大学の『ポートフォリオ評価』から見えてくるもの
この中に挟み込まれたあらゆるものがボクらにいろいろなフィードバックを与えてくれます
研修指導体制はどうか
研修環境はどうか
研修到達目標を達成させるに相応しい研修だったのか
研修医個々の診療能力はどうなのか
担当したテューターはきちんと評価や指導ができていたのか
などなど
つまり単にその研修医の能力だけを見ているのではないのです

研修における『評価』はいくつかあります
事前に研修プログラムを評価する『事前的評価』
研修の途中に評価する『形成的評価』
研修が終了したときに評価する『総括的評価』
そして
研修全体を第三者を交えて評価する『外在的評価』
です

もちろんもっとも重要視されているのが3番目ですけどネ

ただボクたちは指導体制や次年度に向けては
1番目や4番目の評価が大切であることも事実です

それに『評価』の持つ性格も大切です
研修の『実態把握』もできますし
もちろん研修医の診療能力の『測定』的な意味合いもあるし
さらには研修の目標達成性把握つまり『狭義の評価』があるし
最後に『査定』としての意味合いがあります
だって医籍登録されるなんてまさにそのものですよね

つまり
この『ポートフォリオ評価』にはね
こんなんもたくさんの意味会いがい~ぱい詰め込まれているんです
研修評価を単に研修医の修了判定だとしか扱わない研修病院は
その後も進歩も改善もないということを意味します

ありゃ~また言い過ぎましたか?
でもこれは教育学では当たり前のこと
だから医科大学では十分にそれを理解して医学生の『評価』を行いながら
様々な意味でその『評価』を重視しているはずなんです

だから臨床研修も同じこと
そう考えています

『評価』は『ひと』を作り出します
同時に『組織』も変えて行くものだと思います

休日の当直

2008-02-10 23:28:59 | Weblog
朝は雪で大変でした
そう言えば聖マリアンナ医科大学では面接試験の真っ最中
受験生の皆さんお疲れさまでした

今日は当直です
いや~外来で呼ばれたり病棟で呼ばれたりと行ったり来たり
救命担当は働いたら必ず翌日休みとなりますが
ボクたち病棟担当はそうはいかない
基本的に何かあったらの当直なので
外来受診が多ければ大変です

本当の医師不足はここにあるんじゃないのか?って思っちゃうくらい

研修医も夜間急患センターで大変そうですが
ボクらもそれなりに仕事してる
臨床しながら研修医の指導
それに今度の研究会のスライドや学会の申し込みなどなど

研修医の先生がたはポートフォリオの締切りまであと1週間
お互い頑張りましょうね~


指導医徒然日記  ~いまだに続けてる慣習的医療~

2008-02-08 23:55:07 | 指導医日記
いや~今夜から明日にかけてまたも雪かも?
え~明日は入学試験・・・・・・面接試験なのに~
どんな学生さんたちに逢えるのでしょう
雪でも遅刻しないように余裕をもって来ましょうね

そう言えば
慣習的に行ってるけど実際には不必要なことが医療にはいっぱい
例えば
手足や顔のけがに対する抗生物質投与
今じゃ投与しないようになってるま~処方しても1日
でもまだまだ処方されてることもある
そう言えばうがいもそう
上気道炎で薬液でうがいを促すこともまだるけど
かえって水道水でのうがいの方がいいっていうことも指摘されつつある
そうそう消毒液で何回消毒するかって
なぜだか3回
欧米のマニュアルではアルコール綿であらかじめふき取った後
しばらくしてから消毒するのがいい
しかも消毒後数分・・・ここポイント
乾くのを待ってという解説もあるけど
実際には乾くくらい少し置いておいてッて意味で
ふき取っちゃ~いや~ってこと

そうそう
注射する前のアルコール綿も必要なのかってこともある

なんて
昔当たり前のことが今は非常識ってことがいっぱい

専門医って言葉は聞こえがいいけど
実際に外来やってて言葉につまる患者さんの質問てたくさんある

だから研修医の先生には今いろいろなこと覚えたいって気持ちはわかるけど
そんなに焦っても数年したら意味がなくなっちゃう知識もあるってこと
ちょこっと知ってて欲しい
それよりもUptodateな情報をいかに収集して
日々精進するかってことをちゃんとこの2年間で修得して欲しい
毎日やるってことの大切さ重要さ根気がいるってことを
ちゃんとわかって研修を終えて欲しい
慣習はダメですよね~