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聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

病院見学お待ちしています!

聖マリアンナ医科大学病院群では、いつでも医学生や研修医の皆様の病院見学を受け付けています。 聖マリアンナ医科大学病院・横浜市西部病院・川崎市立多摩病院で病院見学できます。 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターHPもしくは 臨床研修blog内の記事をお読み下さい。 お待ちしています!

後期臨床研修医募集中!

聖マリアンナ医科大学では平成26年度後期臨床研修医を募集中! 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターまでお問い合わせ下さい!

多摩病院臨床研修ニュース ~臨床研修医をみんなで育てる~

2011-08-22 22:11:57 | 指導医日記
反響があることはいいこと

多摩病院では多職種が連携して研修医を養成するという雰囲気をさらに大きくするために
いろいろ工夫をしています





マッチングの面接試験では事務職や薬剤部・リハビリ・放射線技師そして看護部など
多くの方々が面接を担当していただきました

これからは研修に関わるテーマでワークショップスタイルの講習を受けて頂き
臨床研修医を養成していただく「研修担当者」になっていただくつもりです

医療機関ですが同時に医育機関だからこそ
多職種連携による育成を意識しています

根気よくご協力をお願いしていくつもりですので
よろしくお願い致します

ルーブリックを確認しましょう

2011-08-21 20:06:23 | 指導医日記
研修医はひたすら日々の研修の記録をファイルすることの追われている
でも単なるファイリングとポートフォリオは違うっていうのが
最近の話題

その境はどこにあるのか?

京都大学大学院の田中耕治先生はこう表現している

資料の単なるファイルとポートフォリオは異なる
その分水嶺は評価基・規準の設定の有無にある

規準と基準は微妙に異なります

以前その意味を違いを表現しようとして
かなり苦労しました
教育学では早くから『キジュン(基準・規準)』問題として指摘されてたようです

規準は教育的な評価を目標に準じて行うことであり
その規準が量的・段階的な表現で示されたのが基準なのです

つまりどのように到達すればいいかを具体的に示せば
それが初めて基準になるということ

田中先生はこう記しています

『何々ができる』というのが『規準(づくり)』で
『どの程度の課題をどれくらいできれば合格』というのが『基準(づくり』である

英語で示すと
『クライテリオン(criterion)』が『規準』で
『スタンダード(standard)』が『基準』
このときに量的な指標なばかりでは考え方とか判断力まで評価しきれない可能性がある
そこで質的な評価として質的な『基準(づくり)』の方法論として出てきたのが
いわゆる『ルーブリック(rubric):評価指標』です

ルーブリックは今自分がどのあたりなのか
段階を示す指標だと思うのがいいと思います

この場合気づいてほしいことは
研修においてルーブリックを示すということは
指導医にも課題が課せられたことになるわけで
研修においてある一定レベルに達していない研修医がいれば
それは同時に指導できていないことを示すわけです

研修医も常々意識すべきルーブリックも
実は担当指導医が意識すべき内容になっているってことです

ということで
ぜひルーブリック
意識してみてください

では

指導医も意識するということ

2011-08-14 23:54:27 | 指導医日記
研修評価において指導内容が問われる
だとすると何を注意しておくべきか

これは指導医として気になる点です

研修における指導方法や内容を注意されるということは
単に反省しなさいということではないようです
『そうかそんな指導をして悪かったな』っていう前に
『どこが間違っていたのかな?』その誤りを明確にすることが重要とされます

そのためには研修における指導の内容や方法がはっきりしていないといけなくなります
つまり計画され周囲に見えるように
わかるように構造化されていることが重要です
それによって問い直すとき修正すべき箇所が明確になります

また一方で
研修方法や内容の見直しがすべて指導医の責任にならないように注意すべきです
指導医の責任だけでなく
研修環境や研修の体制について見直す点がないかチェックすべきといわれています
おそらくその先には研修制度まで見直すことになるかもしれません
そのためにも研修の内容が明確になっていることは大切です

そして
研修医自身が見直せるようにしておくことは重要です
評価に研修医自身が参加することの大切さはここにもあります

こういう面倒なことを避けるために
研修医の評価は一律にすべていい成績をつけてしまえばいいかというと
そうではないことは明らかです
結果的にその場しのぎの評価で生まれる良医はいないのですから

ということで
ポートフォリオとしてきちんと研修内容や研修指導の内容の足跡を残すということが
研修における指導においても大切だっていうことになります

参考文献:
教育評価 田中耕治著

ルーブリックをたまには確認しましょう!

2011-08-13 23:32:32 | 指導医日記
先日息子と熱い教育論をかわした
もうそんな話ができるくらいに成長した息子と話しながら
大学生の息子がこんな風に考えているのだから医学生が考えていないはずはないって
そう気づく今日この頃

さて
研修医はひたすら日々の研修の記録をファイルすることの追われている
でも単なるファイリングとポートフォリオは違うっていうのが
最近の話題

その境はどこにあるのか?

京都大学大学院の田中耕治先生はこう表現している

資料の単なるファイルとポートフォリオは異なる
その分水嶺は評価基・規準の設定の有無にある

規準と基準は微妙に異なります

以前その意味を違いを表現しようとして
かなり苦労しました
教育学では早くから『キジュン(基準・規準)』問題として指摘されてたようです

規準は教育的な評価を目標に準じて行うことであり
その規準が量的・段階的な表現で示されたのが基準なのです

つまりどのように到達すればいいかを具体的に示せば
それが初めて基準になるということ

田中先生はこう記しています

『何々ができる』というのが『規準(づくり)』で
『どの程度の課題をどれくらいできれば合格』というのが『基準(づくり』である

英語で示すと
『クライテリオン(criterion)』が『規準』で
『スタンダード(standard)』が『基準』
このときに量的な指標なばかりでは考え方とか判断力まで評価しきれない可能性がある
そこで質的な評価として質的な『基準(づくり)』の方法論として出てきたのが
いわゆる『ルーブリック(rubric):評価指標』です

ルーブリックは今自分がどのあたりなのか
段階を示す指標だと思うのがいいと思います

この場合気づいてほしいことは
研修においてルーブリックを示すということは
指導医にも課題が課せられたことになるわけで
研修においてある一定レベルに達していない研修医がいれば
それは同時に指導できていないことを示すわけです

研修医も常々意識すべきルーブリックも
実は担当指導医が意識すべき内容になっているってことです

ということで
ぜひルーブリック
意識してみてください

では

指導医徒然日記 ~医学生や研修医を教育するから原点に戻る~

2011-08-10 22:53:26 | 指導医日記
最近とにかく
『なぜ?』って思うことが多くなってきました

『なぜ医学生は暗記に頼った試驗勉強?』
『なぜ本を読まない?』
『なぜすぐに小手先の手技を習得することを目的にしてしまうのか?』
などなど

もちろんすべての医学生や研修医ではありません

研修到達目標や卒業時の到達目標を掲げて
それについて学習方略や研修方略といった
学習や研修に関わる内容さえ整えてあげておけば
あとはそれを医学生も研修医もこなしていく
そしてある時期になったら評価する

こういう流れの中でとらえると
さまざまな疑問につきあたるわけです

『ポートフォリオは作ってきているがなんだか期待はずれな印象を受けるのはなぜ?』

研修においても『真正の評価』は大切
『真正の評価』のためには『Performance評価』や『ポートフォリオ評価』が最適

だからこそを思って試行錯誤してきても
やっぱりなんだか腑に落ちない

そしてとうとうあることに気付いた
そうそう
そもそも僕たちは『教育』についてあまりにも素人だ

そこで
いくら医学教育とはいっても基本は同じ
『教育』についてもっと基本的なことを学ぼうと思い立ったのがちょいと昔の話

そこからかな~
何か読んでてわからないと『ん?なぜ?』って感じで
次々と書籍が増えていきました

この夏
読まないといけない本が増え続けてます
『教育』の原点
日本の今の小学校や中学校の教育の状況を知っとかないといけない状況なのです
だって
医学生が何考えてるのか
いや違います
考えているのだけど表現しきれないその考えを導き出す手法を手探りで見つけようとしているって感じです
その延長に位置する研修医
彼らもまたすでに日本の『学力低下時代』に近い世代なのです
やっぱり昔どおりの指導は通用しなくて当たり前を思うべきでしょう

そこで
今夏のテーマ
『原点に戻る』
そして
『(真の)学力とは?』って自問自答しながら
卒前や卒後の目標を見直したいと思ってます

感想:
とにかく最近こんなに医学書も読んでない気がする
最近もっぱら医学書は総合雑誌で情報を集めてます
ひたすら役立ちそうな記事はPDFで取り込んで
ポートフォリオにしてファイリングしています
もちろん検索しやすいように自分なりのキーワードを忘れないようにしています
それにしても
専門的知識ほどすぐに時代遅れになりますね
ほんと


指導医徒然日記 ~臨床現場で常に自分で振り返る習慣を身につける~

2011-08-04 18:22:31 | 指導医日記
先日病院内で臨床研修に関する説明会を指導者クラスを中心に行いました

そもそも臨床研修って何だろうとか
本学が取り組んでいるポートフォリオ評価はどういうものなのか
などなど

終わったあと『そういうことだったの』って感じ

これに気をよくして病院の全スタッフを対象に説明会を計画しているところです

それにしても
研修医の皆さんは本当に日々診療に追われていて
診療科によっては初日から全くポートフォリオに挟み込む時間的余裕もない場合も

そんなときにも
ぜひポケット版の記録用紙を活用して
毎日ちょっとしたときに自分で振り返る事ができるように工夫をして欲しいものです

最初は意識しないとできないことも
やがて自然にできるようになるはず

さらにメモしておくと
あとで振り返るときにも活用できます

ポケット版の記録用紙は臨床研修センターに在庫があります
いつでも申し出て下さい

一応お代は頂いていません
つまりタダです

とにかく
毎日ちょっとしたこと
気になったことなど
記録しておくようにしましょう

指導医徒然日記 ~転職した?って聞かれます~

2011-08-01 23:09:29 | 指導医日記


ようやく食べ頃になりました

うちの庭の畑で収穫しました



トマトは雨にあたるとひび割れたりしてしまうので
しっかりビニールで覆ってじっくり赤くなるまで待って収穫

そのまま食べたらもの凄く甘くてびっくり

忙しい合間にちょこっとずつ手入れした甲斐がありました

さすがJA準会員

指導医徒然日記 ~もうすぐ面接です~

2011-07-29 23:44:41 | 指導医日記
『2年研修したら違うところに行ってもいいの?』
って以前はよくほかの指導医に聞かれました
でも最近はそんなこともなく『研修医の先生も大変ですね~』と言われることが多くなりました

その昔マッチング当初には
『なんでうちの学生をマッチングで入れてあげないの?』なんて質問もありました
今やマッチングで自学にマッチするもの難しい状況なのです

倍率だけではありません
きちんと志望動機を面接で述べて
しかもそれぞれの研修プログラムの特色をとらえて自分の将来像に照らして必死に面接官に自分を売り込む
受験する医学生全員が必死だから
そこには自学だとか他学だとかはありません
リストアップも大変です
だから委員会ではみんな名前を見ずにリストを確認します

先日もリストアップで純粋に成績順でソートしていることがまだ周知されておらず
質問されたことがありました

確かに名前を知ってしまうといろいろ気になります

だから面接官は大変です
もしかすると何も知らない学生が受験してくる大学入試より
マッチングの面接の方が辛いのかも知れませんね

というわけで
みんな頑張って下さいね

医学生とはぜひぜひ運命的な巡り合わせっていきたいものです

指導医徒然日記 ~受け身の実習や研修を変える~

2011-07-27 21:11:15 | 指導医日記
医学部のゴールは『医師国家試験』
進級においては常に多選択肢問題で知識が問われる
症例問題でも
『症例は何歳男性。主訴は何々。こういう所見があって、これとこの所見はなかった。』
『何を考えますか?次の中から選びなさい。』
これでは医学生が物言わぬ歩く医学百科事典見たいになっても仕方なくないですか?

ある時代『知識ある人』を育成すれば
おのずとその人は優れた能力を発揮すると考えられた時代があって
それでは不十分だとなったときに
それぞれ知識と技術と態度の領域で目標を掲げて達成させようと考えて
たくさんの目標を掲げるようになった
するとA=Bの方程式ですべてが解決できると信じて疑わない人たちが育った

今の世の中はすべて都合良く一人の患者さんがひとつの病気だけってことはない
さまざまな背景を持っていていろんな視点で診ていかないとならない

するとそういう考え方を育てていかないといけなくなったわけです

でも残念ながら思考過程を育てるような教育はまだまだ不十分
PBLだけではなかなか現場で活かされません

現状ではBSLや臨床研修でその都度刺激して育てるしかないようです

BSLで後ろの方で小さくなっている医学生は決して何も考えていないわけではありません
『自分なんかひよっこだからここで十分です』って謙虚に訴えているだけです
(また勝手な評価しているって叱られるかもしれません)

研修医でも同じことです

ところが
1年目をどこで研修したかで随分と回診のときに立っている場所が違うことに驚かされます

そこで
思考過程を明らかにするようなプレゼンや指導を日々意識すべきだと感じている次第です
それにはmini-CEXや5micro-skillsは有効です

ぜひぜひ試してみて下さい

きっと明日はちょこっと前に立っていると思います
(絶対とは言いませんけど(笑))

指導医徒然日記 ~マッチング面接試験への思い~

2011-07-26 00:39:42 | 指導医日記
今年もマッチングの季節
今週末には試験ですが
今日臨床研修センターから今年の希望者リストが届きました

リストをみて
今年の傾向にちょっと驚いてちょっと戸惑いを感じちゃいました

本院は相変わらず
でも他学の学生さんも受験されていていい感じ
西部病院は順調

多摩病院はちょっと希望者少ないかな~

『受験者倍率が高くてマッチするのが難しい』
『厳しそう』って印象でしょうか

聖マリ病院群の研修プログラム的には
研修環境や研修内容は研修プログラムで大きな差はないので
全体的に研修したいって思って頂けているのかな?と素直に喜びつつ

やっぱり
研修したい!って気持ちがあれば挑戦して欲しいってちょっとどこかで思ってみたりします

聖マリ医大病院群ではとにかく指導医を育成して
研修の質の均一化を目指しています
多くの指導医は『何を教えればいいのか』はよくわかっていますが
『どう教えるか』についてはまだわかっていないことが多い
とにかく『ポートフォリオ評価』を通じて
様々な教育的ツールを紹介しながら
指導の質を担保できるように考えてきました

その上で病院ごと研修プログラムごとの特色を出せればいいと思っています

大学病院における研修医募集数の削減が実施される中でも
きちんとした研修内容や研修環境を保つことがもっとも大切なことだと感じています

とにかく面接試験では
なぜ希望するのか
きちんと聞いてみたいと思っています