聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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後期臨床研修医募集中!

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指導医日記 ~研修医にあるべき姿~

2011-09-30 23:23:27 | 指導医日記
昨日臨床研修センター運営委員会が開かれました
その審議上夜間急患センターでの研修医の業務に関する通知がありました

その内容は
残念ながらここで公表できないくらい

そこで
あらためて問いただしたい
マッチングで本学で研修したいと希望したのは誰だったのですか?
ここで研修させてほしいと緊張した真剣なまなざしで面接に来たのは君たちだったのでは?

それを信じてマッチングリストにあげた
多くの指導医や面接に携わった病院関係者の皆さんに
どう説明すればいいのでしょうか

個人的な意見としては
職務怠慢
社会人としてまずあるまじき態度と猛省を促したい

少なくとも
なんらかの処分をしてもいいとさえ思っています

夜間急患センターでの研修を義務として受け止めているのであれば
大きな勘違いとしかいいようがない

今一度研修医としてあるべき姿を自分自身で見つめ直してほしいと思います

指導医日記 ~ワークショップ参加して思うこと~

2011-09-05 00:18:36 | 指導医日記
先週末はお疲れさまでした。
御殿場もすごい雨でしたが、その御殿場経由はやはり無理だったのではと思います。
その後帰れたのでしょうか。

さて、ワークショップに参加して指導医の先生方とお話しして感じたこと。

これだけ指導医がいろいろ対応している聖マリの研修ですが、
研修医たちにこの思いは伝わっているのか?という疑問を抱いている先生方にあいました。
同じような思いを抱く先生方もいるのだな~と感じたわけです。

そもそも、教育的理論に基づくすばらしい研修プログラムなのかもしれませんが、
すぐに効果を出せるわけではないのだなと感じているわけです。
たしかに研修医もたくさんいるので一部の方の反応をみているだけかも知れません。
すべてではないにしても、やはり効果が少ないケースもあるのは事実でしょう。

すべての面で効果的に成長できれば、それに越したことはありません。
でも、やはり研修医の反応が気になるところです。
私たち指導医は、研修センターの先生方のご苦労を知ると、なんとか協力したくなりますが、
正直どの程度力になれるのか、やや不安になってしまいます。

他学と比較もできないですし、自学の研修医を見ているだけなので、正直不安が募ります。
たしかに、あのポートフォリオはすごいと感じました。
今自分同じようにできるかと問われるとにやけるしかないです。

いい研修医の先生もいるので、なんとか協力して、より素晴らしい先生方に成長してもらって、
ますます聖マリがすばらしくなっていくことが望ましいわけです。
その気持ちに変わりはありません。

研修医と臨床研修センターと指導医が大きく開離しないでますますいい研修になればいいと切望しています。

微力ながら頑張るつもりです。

指導医徒然日記 ~陸の孤島?~

2011-09-04 13:27:40 | 指導医日記
朝から御殿場口から侵入を試みています
ようやく来た夏休
なんとか実家に帰りたいよ~

後部座席のおやじが一言
『なんで~行けんだけ~困ったもんじゃん』
『その辺の道でけ~れるら~(通訳します:帰れるでしょ?の意味)』
まるで人ごと
ちょっと黙ってて~

でも・・・・・・やっぱり入れません

ん?
ナビが知らない道に誘導しようとしている
これは行けるかも?


快調に道を進む
すると
ここを左折?という感じの道へ

たしかに峠に続く道ですが
そこにはしっかりと通行止の文字

しばらく呆然とたたずむ
すると
気付いたら後ろに同じような車の列
俺が先頭?
ここは決断しなければ・・・・・

停車すること15分

よし!諦めよう!

この間に横をすり抜けて山道に向う車ばかり

御殿場の道の駅で聞くと
どうも朝霧高原からは行けるかもって情報

そこで
国土交通省に電話すると
なんと情報が錯綜
結局52号まで行くか
関越ー長野ー松本経由しかないみたい

う~
『陸の孤島』状態だ

するとおやじが
『仕方ね~じゃんね』
『じゃ飯でも食ってけ~るか』
って
さっきご飯食べたでしょあ・な・た
だから血糖値が高いまま下がらないのです

第17回臨床指導医養成ワークショップ

2011-09-03 03:10:11 | 指導医日記
すごい雨でした
こんなかわいいイメージじゃないです

厚木までは曇り
想像していたように御殿場についたらなんだか雲行きがおかしくなって
ワークショップが始まったら
『みんな!帰さないゾ!』って勢いで降り出しました

うわ~

それでも今回は31名の参加者があって
多いに盛り上がって研修してます

今回はタスクフォースにあらたに3名が加わり
なんだか聖マリの教育環境が変わりつつあるな~と期待感倍増
ちなみに
え~とワークショップの中心は参加者ですが
タスクフォースというにはそれをお手伝いする人です
先生?
ちょっと違います
先生だとなんだか講義ばかりって感じですが
ところどころ解説しますが
どちらかというと参加者の皆さんが
自発的にワークショップに参加して
いろいろ話あったり共同してテーマにそったものを作り上げていく過程で
お手伝いする人たちです

わたしたちタスクフォースも毎回いろいろな参加者と一緒に2日間過ごすと
またまた新しいことを学ぶことができます

さて
今回は夜の醸泡(情報)交換会では
久々に悪い後輩・先輩になってしまい
ご迷惑をおかけしてしまいました
せっかくお休みしようとしていた先輩や後輩の皆さん
起こしてしまってすみません
反省してます

でもゆっくり話したかったんです
聖マリのこと
聖マリの今後のこと
いろんな思いを一緒に語りたかったんです

という一方的な言い訳です

でもいっぱい話せてよかったです
さ~明日1日頑張っていきましょう

研修病院だからこそみんなが評価者という発想

2011-08-31 16:19:09 | 指導医日記
どれくらい研修到達目標を達成できたのか
これを最終的に判断することは大切です

研修当初はできなかったことができるようになった
つまりそこには「成果」を見つけることができます
同時に社会への質の保証にもなります

同時にできないままに終わったり修得できなかった項目などは
病院ごとの今後の「課題」になるでしょう

研修到達目標は見直されない限り変わらないので
研修内容である指導方法や研修環境を工夫しないけなりません

本当は「成果」を正しく評価するためには
研修が始まる前にその研修医がどれくらい実践できるのか把握しておくことは重要なポイントです
このような評価を「診断的評価」と呼びますが
残念ながら現状ではスタート地点の「診断的評価」はないため
すべての研修医がこれくらいの能力を持つだろうという推察のもとに
研修は計画されています

おそらくマッチングでの評価は
今後そういう点も視野に入れていくべきかも知れません

さて
臨床研修病院ではそれぞれの病院の研修理念に基づき研修環境を提供しているわけです
そこには研修目標を達成させようとたくさんの方々が関わっています
指導医だけではなく診療協力部門のあらゆる臨床研修に関わる指導者の皆さん
さらには患者さんやその家族も含まれます

「成果」と確認しながら「課題」も把握して
よりよい臨床研修の環境を提供し続けようと考えたなら
実は研修に関わるすべての方々が評価者であるべきというのが正しいあり方です

このような方々を教育学では「ステイクホルダー」と呼びます
利害関係者のことで転じて評価参加者という意味合いになります

研修医同士も臨床指導医も当然含まれます
臨床研修評価機構の自己評価点検においても同じような表現が示されています
もちろん「ステイクホルダー」などとは書かれていません

説明会でご紹介したように
今後は「あの医師を養成した臨床研修病院はどこだ?」と言われるようになるでしょうから
まさに医師だけでなく当院の診療協力部門の方々にも何らかの関わりが生じてきます

昨年度の研修プログラム川崎多摩の修了におけるポートフォリオ検討会は
病院職員の皆さんにご案内させていただきました
その意図は「ステイクホルダー」としてぜひ見ていただきたかったからです

今年はぜひ多くの皆さんに一緒に研修修了の「成果」を見ていただきたいと思っています

何よりも日々の研修における
臨床現場での振り返りを促す評価(これを形成的評価といいます)をお願いできればと思っています

ぜひぜひ御協力をお願いします

指導医徒然日記 ~研修到達目標がGIO・SBOで書かれていない理由の考察~

2011-08-28 02:46:16 | 指導医日記
今週末に臨床指導医養成ワークショップが開催されます
台風が近づいているから中止かもって心配もしてますが
なんとか実施して欲しいと思っている今日この頃

だってすげ~準備してるのに・・・・・

研修における目標を立てることの大切さや
それを修得するためにどうするかという方略(内容ってことなんですけど方略って呼ぶのです)
そしてそれが達成できたかって評価することが大切ってことを
2日間で学ぶわけです

ここで注意したいのは
評価って言葉で
これは決して研修医を「値踏み」することではないのです
昔はこの値踏みを考査と呼んでいたようですが
点数化することではありません

ある学ばせたい目標を設定して
その目標を基準としたときにどれくらい達成できているか見るのが「到達度評価」となります

この目標設定において
「知識」「技術」「態度」という3領域に分けて考えるのが
教育学における分類学でタキソノミーというもの
考え方としてはとても大切なものです
この目標を
さらに一般目標(GIO)とそれを具体的に内容を示す行動目標(SBO)にわけて立てていきます
これには適した学習方法(方略)があって
目標にあった学習方法を計画していくように指導されます
さらに
目標にあった評価方法があるのでこれを選ぶことの大切さも学んでもらいます
このような考え方がとても大切でわかりやすいと指導されてきました

ところがちょっと興味をもった指導医の先生方は気づくはずです
ではなんで厚労省の到達目標はこのように書かれていないのだ?
たしかに
一般目標みたいな文章のあとに
行動目標みたいな項目が列挙されている
でも知っているGIOやSBOではないぞ?

そうなんです
ボクも以前から不思議でした
でも最近あることに気づいたのです

ここから先はあくまで私見なので気にしないで読んで下さい

もしかすると
これは臨床医ならこういうことができて下さいという到達レベルを記載したもの
つまりアウトカム(ゴール)を記述したものではないかなってことです

GIOやSBOで考えていくときの限界はすでにお気づきのはずです
一般的な臨床医に必要な能力をこれで表現しようとすれば
どれだけのGIOとSBOが必要でしょう

だからアウトカムとして示したのだとしたら
アウトカム基盤型学習が求められている今となっては凄いな~と感心せざるを得ません

ほんとにそこまで考えていたのかな~と思ってしまいますが
実は
このように表現することで
施設ごとにGIOやSBOを設定しなおして
研修内容や評価を考えなさいってしたかったようにも受け取れます

もしアウトカム基盤型学習(この場合研修ですが)を意識していたのなら
それはまさに「臨床で実践できる能力」である「真正の評価」が必要なので
パフォーマンス評価やポートフォリオ評価が求められるはずです

なんて考えていたら
やっぱりそこまでは考えていないよな~ってちょっと意地悪く思ってしまいます

あくまで私見です
このままの研修到達目標をアウトカムと受け止めて
パフォーマンス評価やポートフォリオ評価を行う方が
より理想的だなって思うのですがどうでしょう?

ちょっと難しい内容ですみません


そこを最終目標にする?

2011-08-26 19:23:18 | 指導医日記
とにかく自分が研修した症例をまとめる作業は欠かさないようです
研修中で経験した症例に関して
自分の診療記録としてコピーするのはいいことです

しかもきちんと患者さんの個人情報は漏れないように
出力した症例レポートをきちんと隠すように処理をするものすばらしいことです
だんだんそういくことも意識できているのかな?と感心しています

でも非常にもったいないのは
その症例レポートをただ挟むのはどうでしょう?
資料も添付されず
指導医とのやりとりも残っていない

これってログブックです
研修記録に過ぎない

これでは“振り返った”証拠がないんです
どう読み返してもわかりません
先生がどんな風に考えたのかまったく見えてこないってことに早く気づいて欲しいのです

日々没頭する作業が単なるファイル作りから
ポートフォリオに変わる日を期待しています

ちゃんとできている研修医もいますが
やっぱり提出さえすればいいって思っているのかしら・・・・・残念

指導医愚痴日記 ~医師の養成における基準~

2011-08-24 11:32:33 | 指導医日記
医学教育学会の学会誌に医師の障害教育制度における世界の潮流の記事があった
日本では医師会が中心に独自に自主的な生涯教育を行っている
もちろん学会ごとに専門医の更新制度はあるけど
ちょっと意味合いが異なる
生涯にわたって医療の質を担保するためにも
今後はもっと整備されていかないといけないってまとめられてます

コラムでは医学教育の世界基準について書かれていました
最近呼んだ教育学の書籍でも
日本における大学教育のことを学んだばかりだったので
興味深く読みました

医師養成におけるドイツ式と英国式の考え方
どちらがいいというのではなく
これを機会に日本における医学教育の流れを認識しつつ
それぞれの臨床研修病院が研修医をどう養成するか考えていく必要があるな~って感じました

ここ聖マリアンナ医科大学にも
当然ながらドイツ式のアカデミズムがあり
さらに
臨床医としてのプロフェッショナル養成が求められています

この2つの流れがあること自体が日本の特色と受け止めざるを得ないように思います

大学卒業時に求められる修了判定の基準と
研修修了時に求められる修了判定の基準

ともに社会から求められる医師としての規準(クライテリオン)は
卒業前はモデルコアとして文科省より示されています
そして卒後は厚労省より到達目標として示されています
これを具体的な量的・段階的な基準(スタンダード)として大学ごとに示すことが必要で
これが各大学や臨床病院に委ねられているんでしょう

まだまだアウトカムというものが十分に認識されないために
どうしてGIO(一般目標)やSBO(行動目標)ではいけないんだって意見が根強い
GIOやSBOがいけないのではなく
それで表現しようとすると膨大な項目を羅列しなければならず
評価方法もそれに合わせて膨大な評価を行う必要性が生じてくる
まして医学生や研修医は
これとこれを修得すればいいんですよねって誤解してしまう
決して能動的には学習するようにはならない

そこに無理が生じると感じたからアウトカムから考えようという発想になった

アウトカムとは最終的な目標
こういう医者になってくださいってことですね

その最終目標アウトカム自体も学習者である医学生や研修医にもきちんとわかってもらって
そこに向かって能動的に学習してくださいっていうのがアウトカム基盤学習

そうなると具体的な量的・段階的な基準(スタンダード)にも
思考力や判断力といった高次な目標を質的に表現せざるを得なくなったので
これをルーブリック(評価指標)であらわそうって流れになっているんだなって
近頃なんとなく理解できるようになってきました

なぜそれが愚痴になるのかっていうと
う~ん難しい話なのです

組織とかいろいろ大人の世界は何かと大変なのです