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旅行*石川県③

2017-03-23 13:39:52 | 旅行&スポット

 「西茶屋街資料館」を出たあと、雨がけっこう降ってきたので、室内でも楽しめる「大野からくり記念館」へ。

この記念館がある金沢市大野町は、江戸末期の科学技術者「大野弁吉」が結婚後、移り住んだ地。

「大野弁吉」は、20歳の頃、長崎で理化学、医学、天文、写真ほかさまざまな学問を習得し、科学知識をフルに使って多くの発明品を作った人物だそうです。
さらに、いろいろな工芸品のほか、特に「からくり人形」には優れた名作をたくさん残したとのこと。

この記念館では、「大野弁吉」の世界を紹介するほか、さまざまなからくりを展示していて、子どもから大人まで、遊んで楽しめます。

近くまで来ると、日本海が見え、さらに車を走らせると、「金沢港」が見えてきます。
“まさかこんな海のそばに!?” と疑いつつも駐車場に向かうと、変わった形の建物が目に入ってきます。

この建物は、「子どもからくり体験棟」。
子どもたちが手に取って、触って遊べるからくりやパズルなどがたくさん展示されています。

この建物を通り過ぎると、事務室のある建物に入り、そこで受付をします。

受付を済ませるとすぐに、“からくり” というよりは “トリック”?を体験できる作品が、壁伝いにあります。

また、定時で「からくり人形」の実演が行われます。
大きなテーブルを何人かで囲んで、実演を楽しむのですが、私たちが参加した回は、ちょうど二人だけ。
おかげで、“からくりの世界” にどっぷり浸れました。

実演されたのは、二体のからくり人形。

一体は「茶運び人形」で、茶托に載せた湯呑み茶碗を、人形が運ぶというもの。
ゼンマイ仕掛けで動き、運ばれてきた茶碗を、実演者の合図で参加者が取ると、人形が止まります。
そして、実演者の歯車の操作具合で、人形が向きを変えます。
実演者は、衣装を着けない人形で、それらをわかりやすく解説してくれます。

▲衣装を着けない人形で、動くしかけがわかります。

もう一体は、「段返り人形」。
人形の中の重りにより重心移動することで、後ろ向きに回転しながら、階段をゆっくり落ちていくというもの。
最初に、人形をセットする位置によって、回転の速度が変わるそうです。
機械仕掛けではない、シンプルなからくりですが、階段を落ちていく様子に “がんばって” と、つい声をかけたくなります。
最後に着地した時のはかなげな姿はメチャメチャかわいくて、ノックアウトされました。

▲上から落ちてきて、最後はうつ伏せ状態(右)に。この姿がたまらない

ここには、「手紙を書くピエロ」や、実演で使う「茶運び人形」などのからくり人形が多数、展示されています。
見ているだけでも、楽しめます。

この建物を出て、エントランスゾーンを歩いていくと、突き当たった所に、「大野弁吉」の弟子「米林八十八」の人形があります。
近づくと動き出して、本館(展示棟)の紹介をし始めます。
 ◀米林八十八の人形

ここを通り過ぎ、「展示棟」へ。

この建物は、かなり大きく、上にいくほど広がっていく独特な造りになっています。
「ホッパー型」と言うそうです。“宇宙船” のようですね。
建物自体がパズルでできているような感じで、おもしろいです。

ここでは、いろいろなからくりの世界が繰り広げられています。

大野弁吉の技術
「大野弁吉」を中心としたからくりの世界、彼の生涯や人脈、覚え書き綴り「一東視窮録」の中に書かれている技術等が、パネルや実物資料で紹介されています。

さまざまなからくりの世界
中国から伝わった、からくり技術

▲「指南車」(左)と「記里鼓車」(右)の複製

西洋から伝わった、からくり技術

▲日本の時計師たちは、当時の日本の生活に合わせた時計(不定時法)を製作。

日本の舞台からくり

▲「セリ上がり」と「回り舞台」


▲「日高川入相花王清姫ガブ」

これは、「角出しガブ」というもので、美しい娘の姿が、「小猿」という仕掛け糸を引くことで、口が裂け、金色の目を剥き、角が出るという “仕掛け”。

江戸時代のからくり遊び

▲「品玉人形」(左)と「鼓笛児童」(右)

「茶運び人形」のほか、展示されていたからくりです。
「品玉人形」は、人形が持っている箱が上下するたびに、箱の中身が変わるというもの。
「鼓笛児童」は、台の中の仕掛けによって、人形が鼓を打ち、笛を吹くというもの。 

采振り人形

▲顔も左右に動きます。

東海地方で見られる「祭礼山車様式」の上段前部に置かれ、山車運行の采配を振るからくり人形だそうです。
体の各部位にヒモがつながれ、その先端に、部位が書かれた札のようなもの(右上)が付いています。
これを引くと、それぞれの動きが確かめられるようになっています。

のぞきからくり

真ん中の横にめぐらしてある黒い所にいくつかの小さな穴があり、ここから中の絵や模型をのぞきます。
この装置は、外から見ても大きいものですが、のぞくと、中は奥行きがあって広いし、絵の大きさが装置とほぼ同じくらいあって、スケールが大きいです。
お話は「いもほり藤五郎」という物語で、語りに合わせて、6枚程度の絵が上からガタンと大きな音を立てて下りてきて、入れ替わります。
穴からのぞくと、私たちと等身大の登場人物がいて、なんだか、自分たちが彼らと同じ場所にいて、時間を共有しているかのようでした。

エレキテル体験
「電池式エレキテル」は、オランダで発明された「摩擦起電器」。
江戸中期頃、オランダから伝わったようで、「大野弁吉」は、「一東視窮録」の中で、「科学機器エレキテルボルダ式パイル」の図解を記載しているそうです。
これは、その模型で、「放電」を体験できるようになっています。

説明図には “二人で試すように” とあり、やり方は “一人が両手で電極を握り、もう一人がハンドルをゆっくり時計回りに回す” というもの。
二人とも “放電” は勘弁!ということで、体験せず。
やっぱり、ちょっと怖いです。

パズル体験
木製で、かわいいもの、おもしろいもの、難しいものなど、たくさんの「からくりパズル」が並んでいます。
すべて、解き方が書いてあり、そのとおりにやれば解けるはず…なのですが、なかなかできなかったりして、けっこう夢中になります。
「知恵の輪」もあり、脳トレになります。

▲(左から)ラジオ、おにぎり、クジラ

この展示棟から、受付をした建物に戻る道は「展示ギャラリー」になっていて、貴重な作品が並んでいます。

▲大野弁吉が作った「木製自噴水」の複製(構造模型・実演用模型)


▲大野弁吉が作った「関羽像」(左)と「大砲(模型)」(右)


▲大野弁吉が作ったとされる「祠」

このほか、“日本で最古” の「万華鏡」(江戸後期、オランダ製)など、なかなかお目にかかれないものが展示されていました。

この「からくり記念館」は、ていねいに見て回ったり、一つひとつ体験したりすれば、時間をかけてけっこう遊べます。

濃い時間を過ごし、満足した私たちは、宿泊先へ向かいました。

 

 

 

 

 



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