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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

実験から感染の危険性

2005-07-22 01:46:18 | 実験ネタ
<O157>細菌学の実習中に学生1人が感染 大阪大医学部(Yahoo!ニュース 毎日新聞7月20日付)

大腸菌O157を扱って、菌が培養されたシャーレから菌体をとって、顕微鏡観察までした実験。
どうやら一人の学生が「経口」感染したらしいです。
一時期は危篤状態でICUで治療したとか。
感染経路はわからないというけれども、どう考えても、「菌が手に残ってた」あるいは「身体や服一部に菌がついていてそれが手に付いたか、食べ物に付いた」。
O157は菌の量が少量でも、生産する毒素が強力なために中毒になる菌です。
阪大医学部さん、この間の捏造事件といい、良くないことが続いています。
消毒液が足りない状態で、白衣を着ていない学生がいる状態で、O157の実験は無謀だったとしか言いようがありません。

私は実験からくる感染の危険性、アウトブレイク(実験室外に持ち込んで広めてしまう)をかなり気にします。
それは私自身が気持ち悪いからです。
目に見えない存在である微生物(カビは成長すると見えるようになるけれども)だから、余計に気が立ちます。
このあたりは、仕事をしていると、とても緩慢になりがちです。
実験に携わるうちに日常的作業に慣れてしまって、実験室以外に菌を広めないという点を忘れてしまいがちになります。
私も瞬間瞬間に、これっていいんだっけ?と思う作業があったりします。
今一度自分のやることを深く考えてみてもいいかもしれません。

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