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幸せへの方程式

2015-09-02 16:36:57 | 東北漫遊 花の旅

 

 奥入瀬渓谷から小岩井農場へと向かいました。

 

 牧場や観光農場は北海道旅行などで、散々見飽きていますので、今まで小岩井農場を訪ねる気にはなれなかったのですが、奥入瀬渓谷を出るタイミングで、午後の時間を最も有効に過ごすにはと考え、小岩井農場を訪ねることにしました。

 

 

 

 小岩井農場に入ると、正面に雲を被った岩手山が見えました。

 

 案内表示版を見ると、乗馬やアーチェリー、トロ馬車などが楽しめ、牛舎や乳業工場も見学できるようです。

 

 しかしここはやっぱり、家族連れか若いカップルで来る所だったようです。

 

 どうしようかと周囲を見回すと、トラクターバスで森林エリアを巡る最後のツアーが出発時間を迎えていたので、それに参加することにしました。

 

 トラクターバスは十数人の参加者を乗せて、通常は非公開の森の中へと入って行きます。

 

 周囲には樹齢100年を数える杉が育っていました。

 

 小岩井農場は創業120年ですから、創業当初から、畜産だけでなく林業も行なっていたことを初めて知りました。

 

 小岩井農場の75%がスギやヒノキなどの山林で、100年以上の歳月を経た森は、キツネ、シカ、ツキノワグマ、アライグマなどが生息する、多様な生物の宝庫となっているそうです。

 

 

 

 

 トラクターバスが停まると、乗客はバスから降りて、林の沢沿いの小道に案内されました。

 

 

 

 沢の中の石を裏返すと、サワガニが慌てて逃げ去ります。

 

 ガイドさんが「小石の間にカワシンジュガイが居るから、探して下さい」と言うので、サンダルを履いていた私はそのまま川に入って貝を探しました。

 

 ガイドさんの説明では、カワシンジュガイ(大阪教育大学のページは冷たい綺麗な水の流れる小川に生息し、生息地で生まれた幼生は下流にながれ、そこでヤマメなどの鰓に付着して、上流に戻ってくるのだそうです。

 

 また、寿命が非常に長く、10数cmを越える貝は100年の寿命を数えるとのことでした。

 

 

 

 珍しいものを見せてもらいました。

 

 この内容なら、800円のツアー参加費は十分に価値があると思います。

 

 

 小岩井農場では牛が約2000頭、羊数百頭、鶏20000羽が飼育されているといった説明や、最近ではクリなどの果樹の植栽を進めているといった説明に興味を覚え、ツアー中はガイドさんに次々と質問を重ねてしまいました。

 

 ツアーが終わって、トラクターバスから降りて農場内を見まわすと、園内に数種類の樹木が枝を茂らせていました。

 

 私は今、木が枝分かれするときの姿に着目して木の葉や枝を観察しています。

 

 周囲に邪魔するものがない場所に育つ木の形は、その木本来の姿だと思いますので、アカマツやドイツトウヒ、

   

 

 

 ミズキなどの木々の枝振りを興味深く眺め続けました。

 

 夫々の木の形は、枝の分かれ方によって決まる筈なので、その仕組みを考え続けます。

 

 

 最近は花が咲いていなくても、今まで以上に「花の旅」が楽しめるようになりました。

 

 木を知ることで、愛着が深まり、更に見つめ続け、新しい知識が得られ、大きな感動に包まれ、幸せな思いに浸ることができるようになりました。

 

 相手を知り、愛着を深め、見詰め直し、心振るわせ、喜びを感じる。

 

 全ての人やものに共通する、幸せへの方程式かもしれません。

 

 

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今の私にできることは

2015-09-02 15:56:07 | 東北漫遊 花の旅

 

 酸ヶ湯温泉から先の道を、今回初めて通りました。

 

 ブナ林の中に鈍色の道が続きます。

 

 ありふれた舗装道路でも、こんなに素晴らしい景色の中では、見事な絵になって記憶の一コマに留められます。

 

 

 どれ程の資金を積んでも、決して手に入れることができない、光と大気と木霊が調和し、静粛のシンフォニーを奏でていました。

 

 

 道路脇の掲示板に、八甲田ブナ林の説明が記されていました。

 

 

 八甲田ブナ二次林

 「ブナは温帯林を代表する落葉高木で、日本の代表的な広葉樹です。この周辺一帯は牛馬の放牧は行なわれていたところで、古くからあったブナ林は放牧のため、ほとんど伐られました。その後60年余りの間に、残された木の種から芽生えた樹木等により、再びこのようなブナ林(二次林)となったものです。これらのブナ林は今後も生長を続け、やがて巨木となって大地を支え潤すことになります。昭和63年10月」

 

 この掲示板が設けられてから既に27年の歳月が流れたようです。

 

 これから同じ歳月が流れた時に、更に美しく育ったブナ林を再訪したいと思うのは、私だけでしょうか。

 

 少なくとも、今日生まれた子供達が27年後に、今日の私と同じように、ブナ林のシンフォニーが聴けることを願います。

 

 そして、今の私にできることは何か、と考えます。

 

 十和田湖温泉で右折し、奥入瀬渓谷の中をはしる、国道102号線に入りました。

 

 

 奥入瀬渓流は、十和田湖によって流水が自然に調整されることと、70 mで1mという穏やかな勾配のため、川のなかの岩や倒木にもコケや潅木が育ち、美しく繊細な景観が造られたそうです。

 

 渓谷に入ると、道の脇に車を停めて、観光客が岸辺に下り、しっとりと流れる川の情緒を楽しんでいました。

 

 

 

 岩の上で素朴な白い花を咲かせているのは、ホツツジです。

 

 流れの中の岩の上という養分の少ない場所で、必要最小限の資源で花を咲かせ、インテリジェンスな趣を感じさせます。

 

 

 スギの木の下を流れる瀬に、まるで中流域のような玉石が見えます。

 

 穏やかな流れの中で、長い年月を掛け、ゆっくりと運ばれてきたのかもしれません。

 

 

 

 川の傍を遡ると、山中の沢らしい光景の「阿修羅の流れ」にでました。

 

 鬱蒼とした緑の中で、ごつごつした岩の間を、蒼い清流が白い泡を見せて流れ下ります。

 

 

 

 奥入瀬渓谷の上流域で、本流に掛かる唯一の滝である銚子大滝が、白い絹のカーテンをかけていました。

 

 水音は聞こえますが、絶え間なく、抑揚なく続く水音は森の緑に溶け込み、周囲は不思議な静けさに包まれていました。

 

 

 

 僅か1時間程の、自家用車で訪ねた奥入瀬渓谷でした。

 

 本来ならば、なだらかな道を、小鳥達の声を聞きながら、時間をかけて足で巡れば、渓谷本来の魅力を更に満喫できたかもしれません。

 

 奥入瀬川が穏やかに流れる薪能のような渓谷は、四季折々に豊かな表情を見せるそうです。

 

 しかし過去に何度か、台風による被害で渓谷美が失われたこともあり、私も訪問を諦めた記憶があります。

 

 自然はいつも、変わらぬ姿を見せますが、決して不変ではなく、常に僅かずつ変化を続けています。
 

 

 宇宙に漂う太陽系の地球号の中で、爆発的に増加する人類が、地球に大きな影響を与え続けています。

 

 気温が上昇し、気象が変動すれば、27年などという年月を待たず、八甲田に熱帯植物のシュロが侵入するようなことが起こるかもしれません。

 

 放射能も怖いのですが、化石燃料を貪り続ける結果、海水面が30㎝程も上昇すれば、直下型の大地震時に、東京全体が津波の下に呑み込まれるかもしれません。

 

 問題意識を持って変化を見極め、伝え続けることが、年金で暮らす者としての、せめてもの努めであろうかとも思います。

 

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朝から混浴千人風呂

2015-09-02 01:04:08 | 東北漫遊 花の旅

 

  今回の花の旅は、ゆったりペースとなりました。

 

 この時期は、咲いている花の種類が少ないことと、主な花のスポットは既に訪ねているので、今まで見落とした場所を拾うようなルート選定になったからです。

 

 青森のねぶたを見た後で、何処へ行こうかと考えました。

 

 青森県、岩手県にハスやスイレンの未訪問先は殆ど残っていません。それ以外この時期、花に会える場所は山の上だけですが、猛暑に腰が引けて、山に登っていく勇気が湧きません。

 

 そこで、未訪問の観光地に足を運んでみることにしました。

 

 最初の目的地は奥入瀬渓谷です。

 

 青森市街から国道103号線を八甲田方面へと向かいました。

 

 市街地を抜けた少し先でモヤヒルズの看板が目にとまりました。

 

 モヤヒルズという名には記憶があります。確かコスモスの名所にリストしていたはずです。

 

 国道から外れ、モヤヒルズの中に入って行きました。

 

 記憶通り、スキー場をメインとするレクレーション施設、モヤヒルズのゲレンデにコスモスが咲き始めていました。

 

 まさか、8月上旬のこの季節にコスモスを見るとは思ってもいなかったのですが、さすがに北国だけのことはあります。

 

 

 モヤヒルズを過ぎると、国道103号線は徐々に高度を上げてゆきます。

 

 途中の展望台から、雲の中に岩木山が見えていました。

 

 この山をみると必ず私は、「津軽♪~平野に♪~ 雪降る頃はよ♪~」のメロディと共に、あの吉幾三の人なつっこい笑顔が目に浮かびます。

 

 それにしても「よし、いくぞ~」なんて、考えてみれば、なんともふざけた名前ではあります。

 

 ちなみに、私のカラオケの十八番は「雪国」ですが・・・・・、はい、そんなこと誰も興味ないですよね。

 

 

 更に高度を上げて行きますと、目の前に八甲田山の姿がはっきりと見えてきました。

 

 

 そして、酸ヶ湯温泉に到着しました。

 

 八甲田山に登ったときも含め、この温泉の前までは何度も来ているのですが、実はあの有名な千人風呂に入ったことがないのです。

 

 今度こそはと、朝風呂をしゃれ込むことにしました。

 

 しかし、朝8時から9時までの間は女性専用タイムだとかで、男性は入浴禁止です。

 

 待つこと十数分、今回やっと念願の、男ばかりの混浴千人風呂に浸ることができました。

 

 ん? 語順が紛らわしいです。

 

 「念願の」は、「混浴千人風呂」にかかり、「男ばかりの」とは関係ありませんので、念の為。

 

 

 朝から温泉に入り、身も心もさっぱりと、国道103号を南下します。

 

 ほどなくすると、睡蓮沼にでました。

 

 しかし、時期が遅すぎたのか、花の咲く時間に早すぎたのか、睡蓮沼にスイレンの花の姿を見ることはできませんでした。

 

 

 

 

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