
昨今は毎日のように「ストーカー殺人」の悲惨なニュースが報じられている。
「ストーカー規正法」や警察の監視、民間NPOの「ストーカー相談」などがあるにもかかわらず。
「ストーカー殺人」「ストーカー事件」というのはいわば男女が生まれた神代の昔からあった。
男女の心理の縺れから生まれるこれらの事件には、法律も警察も民間NPOもほとんど効果がないと思われる。
必要なのは臨床心理士と専門の精神科医なのだから。
ユングの深層心理学で明かされる「アニマ と アニムス」つまり「男性性 と 女性性」これと向き合わなくては悲劇は終わらないだろう。
ユングによると、この「アニマ・アニムス」は人間の心理を飲み込むほど怖ろしい深層心理の「原型」であるという。
これを描いた悲劇は「トリスタンとイゾルデ」であり「ヨーロッパ恋愛至上主義文学」の原型ともなった。
その派生文学は数限りなくあり、よく知られているものでは「ロメオとジュリエット」「ペリアスとメリザンド」があり日本では近松が描いた「お夏・清十郎」に「八百屋お七」・・・ブラジルでは「黒いオルフェ」など数え切れない。
日本の古典芸能にもそれは登場する。
女性が恋に狂い、嫉妬に狂って鬼の形相を現じた「生霊」
男が恋に狂いやせ衰えた亡者が「痩せ男」
これは「能」の世界に描かれた男女の情念の恐ろしさ。
いにしえの「源氏物語」にも「六条御息所の生霊」が描かれ、女流日本画家・松園が描いた「生霊」は凄まじい。
男女の深い情念から発する、嫉妬、未練、失望、裏切り、怨み、呪い・・・は恐らく男女が生まれた神代の昔からあったであろうと推測される。
こういった男女の「本源的深層心理」から生まれる情念は、法律、警察、民間カウンセラーの力の及ぶところではないと思われる。
ストーカーは幼少期に「心的外傷」を負っていることが多いのも事実。
フロイト流に見るとそうなるだろう。
それらも含めて「ストーカー殺人」「ストーカー犯罪」を食い止めるのに必要なのは「臨床心理士」であり「専門精神科医」なのである。
法律や警察、民間カウンンセラーでは対応しきれないばかりか、本源的解決にはならない。
これは「ストーカー殺人」だけにいえることではない。
「教育現場」にも「会社・職場」にも「臨床心理士」と「専門精神科医」が必要なのだ。
「いじめ」「自殺」を解決できない本源もここにあると考えてよい。
高度に近代化されてストレスで精神が崩壊しっかった日本の社会に必要なのは「臨床心理士」と「専門精神科医」であることを現代社会は早く気付くべきであろう思う。
