
万物の究極に迫ろうとする人類の挑戦は宇宙物理学と量子力学という相容れない(と思われた)二つの理論を築き上げた。
現代ではこのマクロとミクロの二つの理論に矛盾することなく万物を説明できる理論として「超弦理論」(「弦理論」「超ヒモ理論」とも呼ばれる)が主流となってきている。
原子を構成する多くの素粒子を構成するものとして提唱されている理論だ。
この理論によると物質は3次元ではなく9次元であることを示唆している。
9次元が示唆するものは10の500乗個の宇宙が存在するという「多元宇宙論」だ。
10の10乗が1000億だから、我々の宇宙以外に存在する宇宙はほぼ無限という宇宙像を示唆している。
そして無限数存在する宇宙には「自分」とそっくりな「自分」も多数存在するとのことだ。
今は狐につままれたように聞こえる宇宙論であるが、100年先には当たり前の宇宙論になっているだろうとのことだ。
自分としては「我々の宇宙」以外に無限数の宇宙が存在するという理論に違和感は無い。
当然そうでしょう、というのが実感だ。
しかしこれが「常識」となった時には宇宙の全体観が変わることになり、人類にとっては「宇宙観の大転換」が訪れることになる。
まったく「宇宙」は謎に満ちていて素晴らしいが、「壮大な宇宙の謎」に挑戦し続ける人類はもっと魅力的だ。