
兵法というと戦争に勝つための戦術と普通は考えられる。
しかし戦争は目的ではなく手段に過ぎない。
戦争は無意味に敵軍を殺戮し、破壊するだけの行為でしかない。
政治的目的、国益の優位を達成するための「手段」が戦争なのだ。
戦争に殺戮以外の意味は無く、目的は政治的優位、国益の優位なのだ。
そこで目的達成の為の「最高の兵法」といえるものは何か。
いわずと知れたことだが「戦わずして勝つこと」である。
自軍を動かすことなく、自軍の一兵の命たりとも失わずに勝つこと・・・これが最高の兵法といえる。
最高の兵法とは情報収集・分析力であり、交渉術である。
あるいは策略であり、策謀であり、謀略である。
相手の軍の寝返りを促して、撹乱自滅をさせるのも良い策略だ。
徳川家康はこの交渉術、策略、策謀に長けた大将であった。
「戦わずして勝つ」を最上とする「孫子の兵法」からすると、近代戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、現代戦争などは、下の下の そのまた下であるといえるだろう。
何千万の兵士や一般人の命を犠牲にした近・現代戦争などは、兵法としては「下の下の そのまた下」といえるだろう。
近現代には優れた兵法家がいなかった。情報収集力と交渉力を持った政治家がいなかったといえると思う。
現代戦争で多数の兵士が敵味方なく命を落としているのも、兵法としては「下の下」といえる。
兵法とは交渉術であり、政治力であり、情報収集・分析力である。
戦争は無意味な大量殺戮であり、何の意味も持っていない。
政治目的、国益、権益の優位を確保する「手段」にしかすぎないからだ。
したがって「最高の兵法」とは「一兵の命も失わずに勝つ」ことである。「戦わずして勝つことである」
時としては「逃げまくる」のが最上の戦術である場合も多い。
逃げて逃げて逃げまくって、相手軍が疲れ、混乱したのを見計らい、自軍を立て直して一挙に壊滅・殲滅する戦術である。
「戦わずして勝つ」「逃げて逃げて逃げまくって最後に勝つ」これが兵法というものだ。
黒田如水には、こういった面があり、最高の兵法家の顔が垣間見える。
また、現代社会においても「孫子の兵法」はそのまま当てはまる。
現代社会の生活の中にも当てはまる原理である。