そゆる日記

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誰かのために

2019年03月08日 | エンタメ

大阪からかえった翌日(日本時間)

アカデミー賞の発表がありました。

 

『ボヘミアン・ラプソディ』は作品賞は逃したものの

編集賞・音楽編集賞・録音賞を受賞。

そしてラミ・マレックは主演男優賞に輝きました。

 

数々のインタビューを見ると

「フレディの映像を毎日4時間くらいみて

動きを研究した」とか

「ステージのシーンのために振付師を頼もうという

制作側の意見に『振付では動きが固まってしまう。

どうしてそういう動作をするのかということから

理解することが必要』とムーブメントコーチを依頼し

ステージの動きだけでなく、

どういう心理のときに歯を隠すか、というようなことまで

研究して動きをものにした」

とか、並々ならぬ努力をしてたことがわかります。

 

映画に詳しくないので、ハリウッドの主演級の俳優なら

その程度の努力はみなしているものなのかは知りません。

けれどやっぱり数々の賞で

この人が主演男優賞にふさわしいと評価されたということは

実在の人物でまだみんなの記憶にその姿が強く残っている人を

ものまねにならずに過不足なく演じることの難しさを

映画関係者が理解していたからのように思えました。

 

 

ラミ・マレックの受賞インタビューは毎回

とても謙虚で感謝に満ちていて感動的。

でも、すこしづつ表現がかわっていったのが印象的でした。

英国アカデミー賞では

「(英国人ではない)自分をこのように評価していただき」

アウトサイダーという言葉に英国籍ではありながら

移民でありマイノリティであったフレディを

重ねていたことが感じられました。

オスカー受賞後にはもっとはっきり

「両親がエジプトからの移民で米国一世である自分」

と出自にふれ

アイデンティティに悩む人たちに

フレディ・マーキュリーという

マイノリティであることに苦しんだ

スーパースターの生き方が指針になるであろう

というような内容を語りました。

 

出演の打診に「こんなスーパースターを演じる機会は

二度とない」と二つ返事だったというから

依頼を受けた時には

そこまで深くは考えていなかったのかもしれません。

でも、きっと演技のためにフレディを理解すればするほど

これは自分のための映画でもあり

同じような境遇にある人たちにも

光を与える作品であることを強く感じて

それがその後の数々の困難を乗り越える力になったことは

間違いないと思いました。

 

 

ブライアンとロジャーはこの映画で

興味本位にスキャンダラスな部分を取り上げるのではなく

だからといってものすごく美化するのでもなく

自分たちが感じていたフレディの姿を描いてほしいと願っていたし

それを全力で実現してくれたスタッフ、キャスト、ことにラミに

ものすごく感謝してるのが数々の場面で見えました。

(ことにブライアン。数々の授賞式でラミを抱き寄せる姿といったら。

そしてブライアンにキスするラミ。

見るたびおもわず笑い泣きになりました)

 

ジョン役のジョーマゼッロはライブのシーンで

プロデューサーたちが曲にあわせてクラップする姿に

目を疑ったと語っていました。

「自分たちを盛り上げるためにそこまでしてくれるの?」

そしてブライアンとロジャーがいつも寄り添ってくれて

聞きたいことをいつでもきくことができたし

長い撮影期間中数々のトラブルで集中が切れそうになるとき

彼らの情熱に触れて初心にかえることができた、

この人たちのために頑張ろうと思うことができた、

とも語っていました。

 

ブライアンとロジャーがフレディのために作った映画は

いろんな人の「だれかのために」も詰まっていて

それがみんなのこころに刺さったんじゃないかと思えました。

 

 

さて、アカデミー賞は『ボヘミアン・ラプソディ』が

なんらかの賞をとることは含み済みで

オープニングアクトにQUEENを指名。

このパフォーマンスかっこ良すぎ。

ブライアン、こんなすてきな70歳いる?

アダム・ランバートはミュージカル俳優らしい

歌詞を演じるような歌い方が印象的。

偉大なるヒット曲の力で会場全体がノリノリ。

そして、さいごに巨大なフレディの横顔登場。

Queen + Adam Lambert - We Will Rock You & We Are The Champions (Live From The Oscars)

やられるわ。