

6月22日 本日の債券先物相場
債券先物9月限:終値132.28 (前日比-0.12)
寄付132.36、高値132.49、安値132.19、終値132.28
反落も下値も堅い展開。下値では現物債需要から下げ渋る展開。
22日の債券先物相場は反落。終値は前日比12銭安い132.28となった。
前日の米国債券相場が小幅ながら6日続落するなど海外債券相場が弱含みの展開だったことを背景に寄り付きは前日比4銭安い132.36で始まった。前場の早い段階で一旦上値を試し、132.49まで上昇したものの、上値が伸びず、株式相場が強含みとなると一転下値を試す展開。後場寄り後には132.19まで下落した。その後は買い戻しも入り、132.37まで戻すなど一進一退の展開。株式相場が上げ幅を拡大した割には、債券先物相場の下値は限定的だった。引けにかけて132.21まで値を崩したが、大引けで若干買い戻されて本日の取引を終了した。
本日の債券相場は、株式相場の大幅高、西村日銀審議委員の講演が早期のゼロ金利解除に前向きだったことなどから先物主導で下げが加速する局面も見られた。一方で上期の計画対比で債券投資が進んでいない投資家の買い需要が見られたことや、財務省が非市場性国債の発行を検討するとの報道による需給改善期待などから下値も限定的となった。
西村日銀審議委員は、長崎市内の講演で、『物価上昇率が低いながらもプラスに定着してきている状況で、名目利子率を極端に低いレベル長期に置き続けることは、長期的に見ると、起こる可能性は小さいかもしれないが、起きた場合には相当な問題を生じさせてしまうリスクが伴う』と発言。ゼロ金利政策解除に意欲的な見解を示した。
現物債券市場は小幅な値動き。10年物の280回債利回りは前日比0.010%高い1.855%で寄り付いた。株式相場の大幅高の割には、利回りの上昇は1.880%までと相場下落は限定的で、先物対比で見ても小幅となり、べーシスが付く状況となった。
本日の債券先物市場終値ベースでのボリンジャーバンドの中心値は132.28程度。上下の2σはそれぞれ133.36と131.19程度で、本日のバンド幅は5銭程縮小している。また、MACDは21日にプラスの領域からマイナスの領域に転換し、本日も継続している。RSIは52.04と前日の53.70から若干低下。中立ゾーン近辺での推移となっている。
債券先物相場の短期的な流れである相場の木を先物の中心限月で見ると、相場は8日に133.55以上(9月限は132.10以上)で引け、買いシグナルが点灯。上値目標値を6月限で134.55、9月限で133.10と予測していた。相場は13日に予測通り、9月限の上値目標値である133.10に終値で到達。とりあえずの上値達成感が出る位置まで上昇した。テクニカル的にもやや割高な状態に近づいており、短期的にややもたつく可能性を考えていた。相場は、14日にはザラ場で133.49まで上値を拡大したが、その後一時前日比マイナス圏に突入するなど急速に上げ幅を縮小する展開となった。14日の上げ幅が10銭、15日は3銭と、上値目標値133.10到達後の終値ベースでの上げ幅が縮小。9月限で見て、5月23日終値の132.22以降の揉み合い分のエネルギー噴出による上値のポテンシャルは133.10でほぼ完了。中期的には134.10程度までの上昇を見ているが、短期的には上げるところまで既に上げており、現段階では最低でも133.05以下の軽微な調整を入れ、上昇ペースが一服する可能性を見ていた。
相場は20日までで3日続落。終値で132.33まで下げていた。この132.33は、6日の終値131.41から15日の133.23までの終値ベースの上昇幅1円82銭の50%戻しの132.32にほぼ匹敵。一旦の反発を見ていたが、21日はようやく小幅ながら132.40まで終値で反発していた。しかし、相場は本日、再度下値を試す展開。132.28まで終値で下落した。上記の61.8%戻しは132.11となる。
今後の展開であるが、相場の習性から再度上値を試し、133.23の上抜けを試す動きとなり、133.25以上で引けると、上値目標値は133.65と計測される。しかし、20日までの3日続落で、P&Fチャートの形状は悪化。反発しても上値が抑えられ、133.23を一気に抜くのは難しいと考えられる。明日以降反発し、上値を試す動きとなっても上抜けは簡単ではなく、一旦は揉み合いながらエネルギーを溜めるステージに移行する可能性が考えられる。
相場の木: 短期トリガーポイントと目標値


上値:先物終値で133.25以上で引けると→:133.65
下値:先物終値で131.40以下で引けると→:130.70
的中例


①上値:12月30日に先物終値で137.16を上回り、買いシグナル→:138.05(1月5日終値で的中)
②上値:1月17日に先物終値で138.11を上回り、買いシグナル→:138.55(1月18日ザラ場高値138.56でほぼ的中)
③下値:1月26日137.72を下回り、売りシグナル→:136.85(1月27日ザラ場安値136.84、31日終値136.79とほぼ的中)
④下値:下値拡大の場合の目標値136.35に対して、3日の安値136.35(的中)
⑤上値:2月16日に先物終値で136.25以上で引け、買いシグナル→:136.80(21日終値136.82でほぼ的中)
⑥下値:3月10日に中心限月終値で135.65以下で引け、売りシグナル→:134.65、134.05(10日終値134.60、13日終値134.07でほぼ的中)
⑦下値:3月13日に6月限で134.50以下で引け、売りシグナル→:133.50(22日にザラ場で133.54まで下落)
⑧下値:4月3日に133.10以下で引け、売りシグナル→:132.70(4日ザラ場で132.73まで下落)
⑨下値:5月10日に131.95以下で引け、売りシグナル→:131.55(11日のイブニングで131.56まで下落)
10下値:6月1日に133.25以下で引け、売りシグナル→:132.70(1日終値132.72、2日ザラ場で132.68まで下落)
⑪上値:先物終値で133.25以上で引けると→:133.10(13日終値で到達)

