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相場博士(ファンドマネージャーのテクニカル分析)

トップファンドマネージャー、相場のプロが書く金融市場予測&学習ブログ!

7月は2日が月曜日。『二日新甫』は荒れる月。。。

2012-07-01 23:05:07 | 相場の豆知識
今日から7月です。

日曜日が1日ですから、明日は2日の月曜日。
ということは・・・『二日新甫は荒れる』という相場の格言が
該当する月です。

以前にもご紹介し、今回もしつこくご紹介しますが、相場の世界では、昔から最初の営業日が2日で始まる月は、『二日新甫』といって相場が荒れるという格言があります。

もちろん、『荒れる』というのは、下げるだけの意味ではなく、激しく上下に変動することも意味しています。
また、13日の金曜日がある月で、不気味なものを感じます。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガルに続いて、スペインの問題もクローズアップされましたが、先週、ユーロ圏首脳がスペインの銀行に対する緊急融資の返済条件を緩和したことから、欧州域内債務危機の解決に向けて前進したとの見方からユーロの買い戻しが進みました。欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領はユーロ圏17カ国首脳による会議後、スペインの銀行向け融資で、各国政府が他の債権者に優先して弁済を受ける権利を放棄したことを表明。株式相場、商品相場はこれを好感して大幅上昇。リスク選好の動きが強まる結果となりました。
尤も、これで欧州債務問題が完全に解決したわけではなく、週末でとりあえずユーロの売りポジション、リスク資産の売りポジションを一旦カバー(整理)する動きとなったと考えられます。

欧州債務問題の根本的な解決はまだ長い時間が必要と考えられます。
米国の経済指標も個人所得や個人消費が低迷し、雇用は相変わらずの低空飛行、住宅市場の低迷など景気の腰折れ懸念が継続している状態です。
中国や新興国も景気減速の兆候がでています。

株式相場、商品相場が期待先行で上昇しても、実体経済の著しい回復がなくては、上昇相場も長続きせず、各国の成長率など経済ファンダメンタルズからかけ離れた動きはやがて剥落することになると考えられます。米国のQE3期待もモルヒネのようなもので弱体化した経済を延命するだけ。過剰流動性による資産バブルも永遠には続かないのは歴史が証明しており、相場の洗礼を受けた参加者も思い出す間もなく、相場というマネーゲームにまた参加していくのです。

相場の世界は怖いものです。
畏敬の念を持たないといけないと思っています。




新二番底懸念

2010-08-01 23:11:51 | 相場の豆知識
世界が懸念していた「二番底」は、堅調な新興国経済や主要国の財政支出効果などによって払拭され、比較的低水準ながらも成長路線は回復されたとの見方が主流となってきました。しかし、欧州財政危機はそこに大きな不安材料を持ち込んだように考えられます。
 現段階でリーマンショックのような過激な副作用はないとは考えられるものの、景気回復ムードに水を差したのは事実であり、米国経済にとっても景気の転換点が予想外に早く到来する可能性を指摘する意見も出始めています。米国債券相場をはじめ、グローバルな債券相場の上昇基調(長期金利の低下)はこうした今後の景気悪化を織り込みに行っている状態とも考えられます。
 米国のGDPは昨年第3四半期からプラス転換し、景気後退から脱出した後は、4期連続で好調な水準を維持しています。欧州危機の影響や財政効果切れによって下半期は成長ペースを落とすと思われますが、いきなりマイナス成長に転じるというシナリオは創造し難いように考えられます。そうした意味での二番底は恐らくないものと考えられます。しかし、別の意味での二番底はありうるとも考えられます。
 通常の二番底経済は四半期ベースでの時系列で観察されますが、別の意味での「新二番底」は年単位で見るものであります。それはまさに大恐慌時代からの教訓で、1929~1933年の厳しい景気後退の後に続いた1937年~1938年を二番底と定義するならば、今回もまたいずれマイナス成長に陥るリスクは排除できないと考えられます。今年はプラス成長でも、2011年にそれが持続しうるかどうかは解らないというのがこの考え方の根底にあります。
 ロバートシラー教授によれば、1937年~1938年を二番底と見なしたのは、その前の景気後退による失業率が十分に下がりきらないうちに不況に陥ったことがあったためと考えられます。1933年に20%を越した米国の失業率は、その後低下したものの、12.2%という高い水準で底打ちしてしまい、再び1937年には不況に突入して失業率は再上昇していきました。今回の米国経済も、似たような経緯を辿る可能性があるとシラー教授は指摘しています。GDPは上昇しても雇用は戻ってこないという現象です。
 株価についても不安心理が高まりつつあります。これまでは、株価が急落すれば逆張りの個人や機関投資家が出動して相場は支えられてきました。しかし、シラー教授の開発した「Buy on dips Confidence Index」によれば、個人投資家は明らかに2009年以降、その自信を失っている状況です。急落したあとに買っても株価はそれほど上がらないという意識が増大しています。これは、日本の個人投資家が「失われた20年で」得た感覚に接近している状態とも考えられます。




勝者通貨と敗者通貨(上海ショックからの戻りを、12通貨で検証すると)

2007-05-04 23:44:22 | 相場の豆知識
勝者通貨敗者通貨(上海ショックからの戻りを、12通貨で検証すると)

4月22日に、上海ショックからの戻りは、主要6通貨の中でオーストラリア・ドルがトップという記事を書きましたが、それを12通貨まで対象範囲を広げるとどうでしょうか?
ドル、カナダドル、豪ドル、NZドル、ユーロ、ポンド、ノルウェークローネ、スウェーデンクローナ、デンマーククローネ、チェココルナ、ポーランドズロチ、ハンガリーフォリントの12通貨の中で、上海ショックによる急落後の戻り高値が2月23日の高値に対してどのくらいまで戻したかを比較してみました。各通貨の対円レートで計算しています。

           2月23日高値    最近の高値 
ドル           121.65       120.46(5月3日)
カナダドル       104.89       109.03(5月4日)
豪ドル          95.94       100.04(4月17日)
NZドル         85.92        89.06(4月18日)
ユーロ         159.64        163.60(5月3日)
ポンド          238.30       239.79(5月1日)
ノルウェー       19.816       20.1447(5月2日) 
スウェーデン      17.173       17.909(5月3日)
デンマーク       21.4309      21.9531(5月3日)
チェコ          5.6535       5.8183(5月3日)
ポーランド       41.2057       43.6735(5月4日)
ハンガリー       0.6340       0.6650(4月27日)

この結果1位はポーランドで105.99%、2位がハンガリーで104.89%、3位がスウェーデンで104.29%、4位が豪ドルで104.27%、5位がカナダドルで103.95%、6位がニュージーランド・ドルで103.65%、7位がチェコで102.92%、8位がユーロで102.48%、9位がデンマークで102.44%、10位がノルウェーで101.66%、11位がポンドで100.63%、そして12位はドルで99.02%でした。
1位と2位は東欧通貨、また、スウェーデンと豪ドルも追加利上げ観測がある通貨です。ポンドの戻りが鈍いのもやや以外ですが、M&Aのフローが効いているのかもしれません。
豪ドルやNZドルが早め(4月17日~18日)に高値をつけてから伸び悩んでいる一方、カナダドルやポーランドズロチがこのところ急速に値を上げています。円キャリートレードなど、外貨需要が高金利通貨を中心に続いていることはさておき、ここで指摘したいのは、為替の世界にも株の勝者株、敗者株アービトラージのようなものがあるのではないかと思われます。ある一定期間に高いパフォーマンスを示した株をショートし、低迷した株をロングするヘッジファンドのロングショート戦略の為替版とでも言うのでしょうか。高いパフォーマンスを示した通貨を利食い、またはショートし、低迷した通貨をロングする。これにより短期的には低迷した通貨がアウトパフォームする可能性もあると考えられます。したがってここからは出遅れているドルやポンドに妙味があるのではと考えているのですが。。。




上海ショックからの戻りは、主要6通貨の中でオーストラリア・ドルがトップ

2007-04-22 23:02:58 | 相場の豆知識
上海ショックからの戻りは、主要6通貨の中でオーストラリア・ドルがトップ

オーストラリア・ドルの堅調さが際立っている。

ドル、カナダ・ドル、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドル、ユーロ、ポンドの主要6通貨の中で、上海ショックによる急落後の戻り高値が2月23日の高値に対してどのくらいになったかを比較してみた。

1位はオーストラリア・ドルで104.27%、2位がニュージーランド・ドルで103.70%、3位がユーロで101.75%、4位がカナダ・ドルで101.18%、5位がポンドで100.53%、そして6位がドルで98.54%であった。
1位と2位が高金利通貨の代表格であったことからも引き続き円キャリートレードなど、外貨需要が高金利通貨を中心に続いていることを物語っている。

オーストラリア連邦準備銀行(RBA)は、月報において新興国の需要によって商品市況は今後十数年間堅調な展開を継続するとの見方を示した。この見解にのみ焦点を当てれば、新興国の素材供給源であるオーストラリアの通貨、オーストラリア・ドルにとっては長期的に見て構造的な買い材料となり得る。ただし、最近の相場は買われすぎに近い状況であることや、円キャリートレードの巻き戻しが再度起こる場合は短期的には急速に値を崩しやすい通貨であることも念頭に入れておきたい。


外国為替関連用語解説

2007-04-22 07:46:30 | 相場の豆知識
カレンシーボード制

ドルなどの外貨準備の保有額に見合って自国の通貨発行額を規定し、同時にドル等の主要通貨に対して固定相場をとる通貨制度。財政・金融の規律が働き、インフレが防止されるとともに自国通貨への信頼が高まるというメリットがある一方、経済政策上の自主性がなくなるというデメリットもある。香港や2001年までのアルゼンチンで採用された。


マーケット・メーク(Market-making)

2007-04-08 21:00:52 | 相場の豆知識
マーケット・メイク(Market-making)

店頭市場において、ある銘柄につき、自己の計算に基づき、断続的に買値(Bid)と売値(Ask)を公表し、取引に応じること。
マーケット・メークを行う業者をマーケット・メーカー(Market-maker)と呼ぶ。
投資家にとって、マーケット・メーカーが存在することによって市場価格の気配、目安が得られると同時に、流動性の点から安心感を持つことができる。
従来、外国為替市場は店頭市場であり、銀行間の打ち合いが頻繁に見られる状態であったが、EBSの登場により、2-wayのマーケット・マークの状態から、現在は銀行間の売買のほとんどが株式の“板”のように、集中した取引所取引のような形態に移行している。
一方、債券市場はマーケット・メークをする店頭取引の代表例である。また、NY証券取引所は日本と違い、マーケット・メークによる取引である。


カオス理論

2007-04-08 20:33:06 | 相場の豆知識
カオス理論

カオスとは混沌という意味ではなく、この場合、初期値敏感性というべきものである。
ノイズは短期的な厄介さを伴うが、ポジティブ・フィードバック・ループや決定論的カオスはその逆で、時間の経過とともにバタフライ効果が集積される。
カオス理論では、初期条件に敏感に依存するとされ、資産の市場価値が資産の本質的価値から僅かに乖離すると、それが自己増殖的な拡大効果をもたらして、激しい、本質的に説明のつかない価格変動になる。カオス理論により、従来はランダムな動きと見られていたものが、重要なパターンを認識することができるとされている。


200円、500円、800円 - フシメの一致?!為替と株式

2007-03-25 14:58:47 | 相場の豆知識
昨年の2月に“ディーラーがトレードする目安・・・かな”という記事を書きました。

内容は、小生の外国為替のトレード経験およびディーラーとの相場についての会話で、イントラデーディーリングなど、きわめて短期的なトレードにおいて、短期筋が一つの目安として常に見ている共通する水準のこと。
それは、にまる(20銭)、ごまる(50銭)、はちまる(80銭)です。

どういうことかというと、現状の相場のトレンドに対して、イントラデーの逆張りをする際に意識するポイントということです。

①にまる(20銭)は下から上に上がってきた相場が、大台変わりのときに売りを意識する水準。
②はちまる(80銭)は上から下に落ちてきた相場が、大台割れのときに買いを意識する水準。
③ごまる(50銭)は大台の前半か後半のどちらをやりたがっているのかを判断するときの通過点として意識する水準。  

というものでした。

実は、小生の経験に基づく観察では、株式市場(日経平均株価)でも同じようなことが言えると考えられます。

そうです。それは200円台、500円台、800円台です。

2月26日の終値ベースの高値が18215.35と18200円台でした。その後の急落で意識したポイントが17200円台や16800円台。1月の高値から調整した終値ベースの底も16838.17と16800円台。そして、現在は17500円台を終値で乗せるか意識する展開となっています。

また、これまでの日経平均株価の推移を見ても、フシメは200円台や800円台が多く、500円台が定着できると次の大台変わり(例えば17000円台から18000円台)を意識するようになることが多いと感じられるのです。

さらに、為替の20銭、50銭、80銭と日経平均の200円、500円、800円の共通する数字である2と5と8。これはフィボナッチの数字でもあるのです。


外国為替証拠金取引の凄さ

2007-02-25 01:25:54 | 相場の豆知識
 円キャリートレードという言葉が頻繁に聞かれるが、この反転リスクのすさまじさは1998年の10月6日、7日に、1日に10円以上ドル・円が円高になった日が2日間続けて起こったときに遡る。円キャリートレードとは“低金利通貨の円を借りて、その円を売って高金利の通貨を買い、金利差を享受する取引”と定義できる。その規模については様々な数字(10兆や40兆など)が挙げられており、把握が難しい。
 その円キャリートレードの部類に入るものとして考えられるのが、外国為替証拠金取引である。外国為替証拠金取引におけるブローカーに預託されている証拠金は2007年中に6千億円を越えると言われている。この取引においては、円売り・外貨買いが中心であり、仮にレバレッジを20倍と想定して計算すると、12兆円(6千億円×20倍)もの円売りポジションに相当することになると推測される。12兆円といえば日本の年間の貿易黒字(現在は約9兆円程度に縮小)を上回る数字である。個人投資家の外国為替証拠金取引だけで日本の年間の貿易黒字を食ってしまうとは・・・。なんとも凄い時代である。21日の日銀の利上げ時にも119.73から一気に120.53まで20秒ほどで吹き上げた背景に外国為替証拠金取引を通じた個人マネーの流入が指摘されている。
 ちなみに投資信託による外貨投資(公募、私募)は年間10~12兆円と言われているが、もはや日本の貿易黒字を理由に円高になるという議論は意味がなく、円安にならざるをえない環境が整っていると考えるのが自然であろう。


1.95583  - ユーロ円の160円は高いか?!

2007-02-18 01:12:21 | 相場の豆知識
1.95583とは何の数字でしょうか

ご存知の方も多いと思われますが・・・

これはドイツマルクのユーロへの交換レートのこと。

さて、今日はユーロ円の160円は高いか?!について書きます。

ユーロ・円相場における相場の森を整理してみると、1999年1月4日の東京市場終値134.98から2000年10月26日終値89.01(ザラ場は88.93)まで下落トレンドを形成後、大きな上昇トレンドに転換。この間、細部を見てみると、2001年1月12日終値112.77まで反発。2001年6月1日の100.65を二番底とし、2003年5月30日東京市場終値140.64まで大きな上昇トレンドを形成。その後2004年11月11日終値の124.85まで下落トレンドを形成後、2007年1月30日終値の158.05まで上昇トレンドを見せ、足元は2月6日の155.63からの反発局面で2月12日にはザラ場で159.00とユーロ発足以来の高値をつけました。

ユーロ円の160円の大台へもう一歩の159円までユーロ高が進みましたが、この160円という水準は高いのでしょうか?
マルク円相場の歴史を持ち出して比較してみた。
ちなみにユーロ円の159円をマルク円に換算すると81円29銭となる。(159/1.95583=81.29)
マルク円の推移を1986年1月1日から1998年12月31日まで見てみると、最高値は1990年5月31日の95円93銭となっている。この95円93銭をユーロ円に換算すると、なんと187円63銭となる。この1990年はドル円も160円台を一時つけていた年でもあり、1988年と1989年につけた120円から大きく円安が進んだ時期でもあった。
さて、この187円63銭から見れば159円や160円という水準はまだ安いじゃないかという感覚になる。もちろん実効為替相場を考慮しないといけないため議論は単純ではないが、欧州から噴出している円安牽制発言も、1990年の187円という水準と比較してみると、まだユーロ円も安いのではないかという気になってくる。
ちなみに1986年から1998年までの13年間におけるマルク円の単純平均は74円61銭であり、これをユーロ円に換算すると145円92銭となる。ユーロ円が最初に140円台をつけたのが2003年の5月。それ以降140円台前半の壁が3年近く立ち塞がり、長い揉み合いとなっていたのも、後講釈的になんとなく納得してしまっている。
ちなみに個人的な長期の相場観では、ユーロ円が187円にいっても全く違和感はない。




ノイズ理論

2007-02-03 22:58:51 | 相場の豆知識
ノイズ理論

 1984年にジェームズ・トービン教授によって提唱されたもの。たとえ資本市場が、公開情報が速やかに証券価格に織り込まれるという意味で効率的であるとしても、そのことは必ずしも資本市場における証券価格が本質的価値(証券保有者への期待将来収益の現在価値)を反映していることを意味しない。トービン教授はこのような本質的価値が性格・迅速に反映されるという意味における本質的効率性と情報効率性を区分する。その区分は効率的資本市場仮説においては仮定されていなかった人間の非合理性の問題に直面することを意味する。フィッシャー・ブラックは、統計学の文献から言葉を借りて、非合理的行動をノイズと呼んだ。
 ノイズ理論によれば、本質的価値と無関係な情報に基づく相当量の取引(ノイズ取引)によって資本市場は影響されている。ノイズ取引は間違った情報に影響された投資家によって行われ、洗練された裁定取引者といえども、ノイズ取引の影響を裁定取引によって拭い去ることができないというもの。1987年のブラック・マンデーにおける株価暴落を説明する理論として注目を集め、同理論を認識することができるとされ、それを支持する多くの研究がなされている。


何故、円をENではなくYENと綴るのか?

2007-01-07 23:34:04 | 相場の豆知識
何故、円をENではなくYENと綴るのか?

外国為替市場では日本円をJPYと綴るが、円は何故EnではなくYenなのか?

貨幣に関する歴史書を紐解くと主に以下の二つの理由が挙げられている。

①初期ローマ字表記の理由
②中国元からきた読み方

①ローマ字表記の理由は、円をEnと表記した場合、インと発音される可能性があること。本来、円はア行のエン(えん)ではなく、ワ行のヱン(ゑん)だった。しかし、Wenと書くと頭にできる“おでき”の意味になってしまう。また、江戸をEdoと書くとイドと発音される可能性がある。そこでYをつけてYedoとすればイェドとなる。正確でなくてもこれで近似音になる。他の例として、堀江さんをHorieと書くと英米人はホリーと発音する確率が高い。したがってこれを防ぐための工夫として Horiyeと書く。日本円の円はEn(イン)ではなくYen(イェン)と表示することで立体感や安定感があるとする学説もある。その後、ローマ字ルールが改正されてエ=YEがEのみになったにもかかわらず、一円銀貨としての円、貨幣名の円一般の横文字表記Yenは、国内外における愛用・慣行によってそのままYenが堅持されたという。

②中国人民元は、英語でYuanとも言う。このYuanからYの字を当てたという学説もある。実際、円という文字は華北ではYuanというがユエン、イエンとよんでいる。Yenはアジア各地に居住する華南出身の華僑の円発音と同じであったこともあって、特に華僑に親しまれることになった。このことは、一円銀貨の本来的使命、明治時代の国際的な決済手段であったメキシコ・ドルへの対抗と追放、それに変わる流通という使命達成に大きな効果をもたらしたといわれている。


¥マークの=の由来について

2007-01-03 00:33:28 | 相場の豆知識
¥マークの=の由来について

ドルは何故$(本当は二本の縦線)と綴るのか?
そして何故、ドルはSなのか?

このテーマについて、相場絵日記では2006年1月8日の“相場の豆知識”、相場博士では同年1月26日の“相場雑学”のコーナーで取り上げました。

今日は、円についてです。
円は¥と綴りますが、この¥マークの=の由来についてです。

これには様々な学説があります。
①=は日本の、ニッポンの二に繋がる。
②お金のことをお足(オアシ)と呼ぶが、足は二本だから=をつけた。
③明治21年発行の新小判郵便切手シリーズの一円切手にYenを示すものとしてYnが使用された。このnが横になって=になった。

などが主なものとしてあげられます。

では、何故、円をENではなくYENと綴るのでしょうか?
これについては、また次回の相場の豆知識で取り上げたいと思います。

日本はテクニカル分析の先進国!? ― 罫線の由来

2007-01-02 01:16:13 | 相場の豆知識
罫線の由来をご存知の方も多いと考えられる。

罫線とはもともと日本の米相場に由来している。今から400年以上も前の江戸時代初期の米相場に罫線の基本理念が既に存在していたのである。そう、日本はテクニカル分析の先進国だったのである。
日本の罫線が海外に渡って米国式のチャート理論として発展したのは1930年代頃と言われている。

ではバーチャートなど一般的なチャートと罫線の違いは何であろうか?
チャートは循環論、つまりサイクルを見るのに対して、罫線は売買のタイミングを計るものと言われている。
チャートがトレンドを予測する手段であるのに対して、罫線は相場つきなどの瞬間を捉えるシグナル(相場の勢いなどの短期的なサイン)であると認識されている。
チャートはファンダメンタルズに近い発想(経済はトレンドであり、景気はサイクルである)から出発して、そのフローのパターンを相場に置き換えたものである。一方、罫線は相場そのものの需給から発想がスタートしている。

江戸時代の『諸武相庭高下伝』には、『相庭(相場のこと、中之島の淀屋の庭先が米相の場であったことから)に向かうべからず、機に乗じるべし』と書かれている。相場とは、相場に立ち向かうのではなく、機を見て(タイミングを見計らって)俊敏に対応するものと記載されている。罫線の真の目的がここにあるものと考えられるのである。