「離島建築 島の文化を伝える建物と暮らし」(箭内博行著 2024年4月 トゥーヴァージンズ 191p)
「看板建築」
「沖縄島建築」
「復興建築」
「近代別荘建築」
「横濱建築」と続いたシリーズの6冊目です。
「英雄たちの選択」で青ヶ島を見て
離島に惹かれて読みました。
「海によって本土と隔てられ
自然の猛威と隣り合わせの離島で生きること、暮らすこと
この課題に
いったいどれほどの先人たちが頭を悩ませ
知恵を絞ってきたことだろう」
と考える著者が巡った島々の建築。
明治政府がキリシタン禁制を解除したので
堰を切ったようように教会の建築が相次いだ。
その時に
50棟もの教会を建築した鉄川与助。
鉄川与助の建てた
旧野首教会(野崎島)
崎津天主堂(天草下島)
江上天主堂(奈留島)
頭ケ島天主堂(頭ケ島)……
75才の女性が
コレラが治ったことに感謝して
家族とともに石を運んで階段を作り
高台に灯台を築き
毎日2000段の石段を上って石油ランプを灯し続けた
という高森灯台……
北海道の鰊御殿(焼尻島)
島にあった海員学校(粟島)
紹介されている島の遺構の一つ一つが
粒だっています。