里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

タチギボウシ 北方系のギボウシ

2023-08-16 | 日記

一関市藤沢町、山間の沢沿いの農道を上がって行くと、道下に数枚の耕作放棄田が続いて
いて、湿地性の植物や丈のある植物が密生しています。そんな耕作放棄田の奥の方に、青
紫色の花を付けた花茎が数本見えます。ギボウシの仲間と思われますが、花や葉を観察し
ないと種の特定ができませんから、耕作放棄田に踏み込むしかないでしょう。

ギボウシが咲いている場所まで入って行くと、このギボウシはやけに花茎が長いですね。
目測ながら60~80cmはありそうです。周囲の草丈があるので止むを得ず花茎を伸ばさざる
を得なかったのか、元々そのような特徴を備えた種なのかは判りませんけどね。
葉を見ると葉幅が広く、よく見かけるコバギボウシとは違うように見えます。
それに葉柄が20~30cmと長く、高い位置で葉が展開しています。
帰宅後に植物図鑑等で調べてみましょう。

                              二枚とも2023.8.11撮影

我家の植物図鑑にはオオバギボウシ、イワギボウシ、コバギボウシの3種しか載っておら
ず、写真のギボウシはそれらとは違うようです。ネット検索で調べるしかありませんね。

ネット検索でギボウシ属を調べると、殆どが葉の色柄の変化を楽しむ園芸品種についての
み記述されていて、自生種について記述している記事が見つかりません。
それでも数十の記事を閲覧していると「ギボウシ属の仲間・品種」という記事があって、
これには自生種が記載されています。その中にタチギボウシがあって、葉幅が広いこと、
花茎が長いことが記述されていて、私の写真のギボウシと特徴が合致します。
改めてタチギボウシで検索し、幾つかの記事で写真や特徴を確認すると、私の写真のギボ
ウシと同じですね。よってタチギボウシと同定します。

                              二枚とも2023.8.11撮影

キジカクシ科ギボウシ属の多年草で、北海道~中部以北の本州に分布する。
低地から亜高山帯の、日当りの良い湿原や池沼周辺などに自生する。草丈は50~100cm。
コバギボウシの変種とされ、オオバギボウシとの中間的な性質を有する。
葉は根生するが、葉柄が長さ20~30cmと長く、ほぼ垂直に立ち上がる。葉身は楕円形で長
さ10~20cm、先端はやや尖り、基部は丸~細くなって葉柄へ続く。
縁はやや波打ち、葉脈は凹んで目立つ。
花期は7~8月、花茎を長さ50~100cmに伸ばし、上部に総状花序を出しロート状の花を
やや下向きに20個ほど咲かせる。花は一日花、花被片は6個で淡青紫色~青紫色、濃色の
筋がある。雄しべは6個、先端が上反りする。雌しべは1個、雄しべより長く上反りする。
苞は緑色のボート形で、先は少し尖るか鈍頭。
果実は蒴果で長さ3cmほど、熟すと3裂する。
種子は黒色で長さ9mmほど、大きな翼がある。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿