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里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カツラ 株立樹形

2018-03-16 | 日記
一関市藤沢町大籠の南東部、集落上手の沢沿いに、カツラの木が聳えていたのを
思い出して、立ち寄ってみました。
葉が茂ると株立状に直立する幹が見えなくなるので、今がカツラの特徴的な樹形を
撮影する適季と言えるでしょう。幹が多数株立になっていますが、全体で一株です。
ここには二株が並んで生えています。

カツラは、最初からこのような樹形で生えてきたわけではありません。
はじめは単幹で生長し、大木になってから幹が腐朽、或いは伐採されたため、その周り
の何本ものひこばえが代わって生長し、このような株立樹形になったものです。




                             二枚とも2018.3.13撮影

カツラは北方系の樹木で、 北海道や東北地方に多く、本州中部なら深山に分布するようです。
水分の多い肥沃な土地を好むので、渓流沿いなどでみられ、樹高30m以上の大木になります。

材が緻密で均質なので、彫刻材や木型、和裁の裁ち板、製図板、楽器や家具などに利用されます。
よく知られているのが囲碁・将棋盤で、普及品はカツラ材が多く用いられています。
また大きな材が得られることから仏像にも多く用いられ、特に東北地方に多いと言われています。
岩手県奥州市にある、黒石寺の薬師如来坐像、伝慈覚大師坐像はともに国指定重要文化財で、
カツラ材の一木造りとして知られています。


                                 2018.3.13撮影

カツラ科カツラ属の落葉広葉樹で、樹高30mの高木。雌雄異株。
北海道~九州に分布するが北方に多く、山地の渓流沿いなど水分の多い肥沃な土地に自生する。
幹は直立し、直径2mの大木になる。しばしば一株から数本の幹を出す、株立樹形になる。
樹皮は灰褐色。若木では平滑で、横長の皮目が目立つ。老木では縦に裂け、薄片状に剥離する。
枝には短枝と長枝があり、長枝には葉は対生し、短枝には1つ付く。
葉身は広卵形で長さ4~8cm、基部は心形。葉脈は5~7の掌状脈。縁には鈍鋸歯がある。
先端は円いか少し尖り、基部は心形。葉表は深緑色で、裏は粉白色を帯び、両面とも無毛。
葉柄は赤褐色で長さ2~4cm。
花期は3~5月、葉の展開に先立って、花弁も萼のない紅紫色の花を付ける。
基部は苞に包まれる。雄花には、多数の雄しべがあり、葯は淡紅色。雌花は3~5個の雌しべが
あり、柱頭は糸状で淡紅色。
果実は袋果。長さ1.5cmほどのやや湾曲した円柱形で、2~6個が束生する。黒紫色に熟し、
裂開して小さな種子を散布する。種子は扁平、片側に翼があり、長さは翼を含めて4~5mm。


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