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里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤマブドウ 剥離する樹皮

2018-03-14 | 日記
南三陸町戸倉地区の東部、沢沿いの農道を上がって行き、途中から山へ分け入ります。
山越えで隣の集落へ抜けるべく斜面を上っていくと、段が切られた平坦な場所に出ました。
かつては段々畑だったものと思われます。
周辺を探ると、北側から農道らしき荒れた道形が通じています。

人の手が入らなくなって15年ほどでしょうか、雑木や様々なつるが蔓延り、アカマツや
モミの若木が茂っています。そんな中で、日当たりの良い場所では、ヤマブドウのつるが
縦横に絡んでいました。赤茶色の樹皮が縦に薄く剥離しますから、すぐに識別できますね。




                              二枚とも2018.3.4撮影

ヤマブドウと言えば、果実をジュースや果実酒にすると、滋養強壮や、アンチエイジング
効果があると言うことで注目されますが、このつるも利用価値があります。

ヤマブドウのつるで編んだ、籠やバッグが人気なんだとか。
材が強靭で耐久性があり、使い込むほどに深い艶が出て、愛着が増すようです。

梅雨時に太目のつるを採取し、外側の赤茶色の外皮を除去してから、内皮を剥ぎ取り、
数ヶ月間乾燥させます。かつては自分用の道具類を作っていましたから、編むのは冬場の
手仕事だったようです。編む直前にお湯に浸して柔軟にし、それから定寸に裂いて、編む
作業に掛かるわけです。今は需要が多く、ほぼ通年作業をしている人もいるようです。


          〈かごや やまぶどう籠より〉


                                  2018.3.4撮影

ブドウ科ブドウ属のつる性落葉木本で、日射しを求めて巻きひげで他の樹木によじ登る。
北海道~四国に分布し、山地の沢沿いや林縁に自生する。
つるの樹皮は赤褐色で、縦に裂けて剥離する。若枝には綿くず様のクモ毛がある。
葉は互生し、葉身は五角状円心形で長さ10~30cm、幅10~25cm。ふつう浅く3裂し、
縁に浅い鋸歯がある。葉柄は20cm。表面のクモ毛はやがて落ち、細脈は窪み葉面に小じわ
ができる。裏面は全面クモ毛に覆われ、秋まで残る。雌雄異株。
花期は6月で、長さ20cmほどの円錐花序をつけ、下部に巻きひげがある。
雌花、雄花とも黄緑色で小さく、花弁は5個、開花後すぐに落ちる。
果実は直径8mmほどの液果で、黒紫色に熟す。酸味はあるが食べられる。
種子は2~3個入っていて、長さ5mmほどの広倒卵形。



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