里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ナツハゼの果実 歌津の半島部

2018-08-27 | 日記

南三陸町歌津地区の半島部、なだらかな丘陵地を農道が北へ延びていて、これを
しばらく行くと、小さな浜へ下る細道があります。数百メートル行くと尾根状の地形
となり、林も杉林から松林へと変わります。明るい松林ですから、林床にはツツジや
ウコギなどの低木が茂っています。

そんな低木の1つに、赤褐色の果実が何個かぶら下がっています。
たぶん、ナツハゼの果実ですね。完熟すると黒紫色になりますが、まだ熟し始めた
ばかりなのでしょう。それにしては実が傷んでいますが、海岸近くの尾根上ですから、
強い風が吹きつけるのでしょうね。周囲を探すと、尾根上や南向きの斜面にふつうに
生えていて、実もかなり生っています。
ただ、実生りの良いのは3mほどの木で、空を背景に撮影すると暗くつぶれてしまう
ので、実生りの劣る1~2mの木で撮らざるを得ませんでした。




                             二枚とも2018.8.19撮影

ナツハゼはブルーベリーと同じツツジの仲間で、漢字表記すると「夏櫨」となります。
果実はブルーベリー同様に食べられるし、アントシアニンも含まれています。

目の疲労回復や血液浄化作用などに効果があるとされる、アントシアニン等ポリフェノールが
ブルーベリーの2〜3倍も含まれていて、さらに活性酸素を消去する働きもあるのだとか。
ただ、アントシアニン等の含有量は地域や土質等によって、かなり変化するようです。
健康効果の高い果実ですから、長野県や福島県では栽培され始めたようです。




                             二枚とも2018.8.19撮影

ツツジ科スノキ属の落葉広葉樹で、樹高1~3mの低木。北海道〜九州に分布する。
山地の尾根筋や斜面の、明るい雑木林内に自生する。特に花崗岩や閃緑岩からなる尾根を好む。
幹は単一または株立ちになり、枝は横に広がる。樹皮は茶褐色で、成木では縦に裂けて、縦長の
薄片になって剥がれる。若い枝は赤褐色。稜があり、褐色の腺毛が生える。
葉は互生し、葉身は楕円形または広卵形で長さ3〜8cm、先端は尖り、縁は全縁。
葉表や縁にはやや粗い毛が生え、とくに主脈上に多い。葉柄は長さ1〜2.5mm。
花期は5〜6月、枝先から総状花序を出し、赤みを帯びた淡黄緑色の花を多数下向きにつける。
花冠は鐘形で長さ4〜5mm、浅く5裂し、裂片は少し反り返る。雄しべは10個、花冠より短い。
萼は杯形で上部は5裂する。萼片は長さ約1mmの三角形で、先端は鋭く尖る。
果実は液果。球形で直径5〜8mm、9〜10月に黒紫色に熟し、甘酸っぱく、食べられる。
果実には数個の種子が入る。形状はやや扁平な球形で、長さ1.5〜2mm。



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