里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カワラケツメイ 優れた健康茶

2017-02-18 | 日記
二十年前、新潟県中越地方の県道で、トイレ休憩で停車した際のことです。
駐車スペースから小丘の上まで丸木で段が設えてあり、上がって行くと僅かな桜が
植樹されていたものの、大部分はあちこちと赤土が覗く荒地でした。
10月の末でしたが、荒地の小さな草に黄色い花が残っていて、豆のような実も生って
いました。当時から薬草図鑑は見ていましたから、「おや、カワラケツメイかも ? 」
それを確認する意味から、既に熟したと思われる豆を採取して持ち帰りました。




                             二枚とも2016.9.3撮影

持ち帰った種を自宅の駐車スペースの脇に播いたら、翌年の梅雨の頃に芽が出て、
お盆過ぎの頃から小さな花が咲き始めました。
晩秋には豆果が実り、以降はそれを毎年繰り返しています。
それが写真のカワラケツメイです。全く手を掛けずに放置しているのですが、
二十年間も営みを繰り返していますから、けっこう逞しいものですね。

カワラケツメイの名の由来は、薬効が決明子(ケツメイシ)に似ていて、川原に多く
生えていることからの命名と言われています。
カワラケツメイは我国の在来種で、主に健康茶として利用されていて、滋養強壮や
利尿作用、胃弱改善、便秘改善などの効果があると言われています。
決明子はエビスグサという外来種の種子を乾燥させた生薬です。このエビスグサは
同じマメ科の植物ながら、見た目はカワラケツメイには似ていません。


                                 2016.9.3撮影

マメ科カワラケツメイ属の一年草で、本州~九州に分布し、草丈は30~60cm。
日当たりの良い荒地や川原、道端など比較的乾いた場所に自生する。
西日本では健康茶用に畑で栽培している地域もある。
茎には毛があり、疎らに分枝するものもある。
葉は偶数羽状複葉で、葉柄の上部には蜜腺がある。小葉は15~35対で先は尖る。
花期は7~9月、花は黄色の5弁花。花弁は倒卵形で長さ6~7mm。萼片は5枚で
離生し、披針形で長さ5~6mm。雄しべは4個、雌しべは1個で花柱は上に曲がる。
果実は豆果で斜め上を向いて付く。長さは3~4cm、扁平で短毛があり、黒褐色に熟す。
中には角の丸い矩形の種子が7~12個入っている。


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