里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

スナビキソウ 絶滅危惧種

2017-03-08 | 日記
北上町十三浜地区の海寄りの林道から、海岸へ下る細道があります。
この日は海が穏やかでしたから、海岸へ下ってみることにしました。
何か、海浜植物が咲いているかも知れませんからね。
5~6分で海岸へ出ると、そこは大小の石からなる磯浜で、南北に100mほど歩く
ことができます。背後はタブやヒサカキ、ツバキやトベラなど常緑樹からなる森ですが、
下部の低木帯は津波にさらわれて、土がむき出しになっています。




                             二枚とも2016.6.11撮影

その裸地に草が生えてきて、何か白い花が咲き始めていました。
のぞき込むと見たことの無い花ですが、つくりがホタルカズラの花に似ています。
たぶん・・ムラサキ科の植物でしょうね。

帰宅後、ネットでムラサキ科を検索し、探り当てたのがスナビキソウです。
北海道~九州の海岸砂地に自生し、花期は5~8月で、茎頂に多数の白花を付ける
とありますから、間違いないでしょう。
多くの都府県で絶滅危惧種に指定されていて、特に太平洋側では希少種のようです。


                                 2016.6.11撮影

ムラサキ科スナビキソウ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
海岸の砂地に自生し、草丈は30cmほど。砂の中に地下茎を長く伸ばして増殖する。
葉は互生して密に付き、葉身は倒披針形~長楕円状披針形で、長さ2.5~6cm、
葉柄はない。質厚く、両面に伏毛がある。
花期は5~8月で、茎の先に短い花序を出し、香りのよい白色の花を付ける。
花は直径10mmほど、筒部は6~7mmで、先は5裂して平開する。
花筒の奥に雌しべと雄しべ5個がある。
子房が裂けないで、核果をつくるのが特徴。核果は長さ0.8~1cmの4稜形。
外側はコルク質で、中に4個の核が入っている。
コルク質があることで海面に浮き、海流に乗って散布される。


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