里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

フユイチゴ 冬に実る木イチゴ

2017-03-23 | 日記
日立市十王町の友部地区に石尊山(385.9m)という山が聳えていて、この北麓を
十王川の支流が西から東へ流れ下っています。
もう草花の季節は終わってしまいましたが、珍しい羊歯植物でもないかと、沢沿い
の細道を歩いてみました。

途中までは軽四輪が通れるくらいの林道を歩き、それが途切れると沢沿いの細道
を上がっていきます。間もなく水音が大きくなり、岩壁を落下する小滝が現れました。
落差は6~7mでしょうか、林道入口の道標にあった「谷道の滝」と思われます。
滝を望む細道の脇に、地を這うかのように光沢のある葉がたくさん茂っています。
何の葉でしょう ? 初めて見る植物ですね。


                                2015.10.26撮影

朝のうちだけ日が当たり、間もなく杉林の陰になってしまうようですから、たぶん日陰の
植物ですね。よく見ると、茎の先にツボミのようなものが付いています。
ツボミなのか、それとも萼片に包まれた未熟果でしょうか。

滝のあたりから細道は杉林の中へ入っていくので、引き返すことにします。
滝までの散策のつもりでしたから、足元はスニーカーですからね。
来るときは気付きませんでしたが、林道脇にもたくさん生えていて、中に一つだけ萼片
の間から赤いイチゴの実が覗いています。
木イチゴの仲間のフユイチゴでしょう。
茎の先に付いているのはガク片に包まれた未熟果ですね、盛りの頃に来れば、
果実酒に漬け込むくらいは採れそうです。




                            二枚とも2015.10.26撮影

バラ科キイチゴ属のつる性小低木で常緑性。地を這うように2mほどつるを伸ばす。
本州の関東地方以南~九州に分布し、林縁から林中のやや日陰に自生する。
茎や枝に褐色の曲がった短毛が密生し、刺のあるものとないものがある。
葉には長い葉柄があって互生し、葉身は円心形で円頭、長さ幅ともに5~10cm、
3~5浅裂する。縁には細かい歯牙状の鋸歯がある。
葉表には毛が少なくやや光沢があり、葉裏の脈上や葉柄には短毛が多い。
花期は9~10月で、枝先や葉腋から短い総状花序を出して白花を5~10個付ける。
花の直径は7~10mmで萼片と同長。萼の外面や花柄には淡褐色の短毛が密生する。
果実は集合果。直径1cmほどの球形で、11月~1月頃赤く熟す。
生食できるが、甘みは少ない。


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