里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

エゾオオバコの根生葉

2019-04-06 | 日記
南三陸町戸倉地区東部、景勝地の遊歩道から海岸へ下り、岩壁下の磯浜を踏査していると、
岩壁の窪みや斜面の礫層に、大きな葉のオオバコを見つけました。
空地や農道にもオオバコは生えていますが、まだ根生葉は小さく、このように大きく広がって
はいません。観察すると葉には白毛がビッシリと生えていますし、花穂が伸び始めています。
これはふつうのオオバコではありませんね。帰宅後に調べてみましょう。




                              二枚とも2019.4.4撮影

植物図鑑でオオバコを検索し、その前後のページをめくるとエゾオオバコという種が載って
いて、葉は根生して白毛を密生するとあります。分布域は北海道~本州の日本海側の海岸に
多いとあり、東北地方では太平洋側にも自生しているようです。
エゾオオバコで間違いないでしょう。

オオバコと同じく薬草として用いられるようです。秋に種子を採取し乾燥させたものが生薬の
車前子(しゃぜんし)、夏に全草を採取して乾燥させたものが生薬の車前草です。
車前子は煎じて服用すると、咳止め、利尿に効果があります。車前草にも利尿効果があって、
むくみがあるときなどに用いられるようです。
車前子の薬効成分はプランタザン、アウクビンなど。


                                  2019.4.4撮影

オオバコ科オオバコ属の多年草で、北海道~本州の日本海側や東北地方の太平洋側に分布する。
海岸の草地や岩場などに自生し、日当たりを好む。北日本では山地の砂礫地にも自生する。
太い根茎に7~11枚の根出葉がロゼット状に束生する。葉は長楕円~倒長卵形で長さ5〜20cm、
数本の平行脈が走り、先端は少し尖る。基部は次第に狭くなって短い葉柄へ繋がる。
全草に細かい白毛が密生する。
花期は5〜8月、根生葉の間から1~7本の花茎を伸ばし、先端に長さ3〜10cmの穂状花序を
出して多数の白花をつける。苞は卵形で無毛。萼は楕円形で長さ2〜2.5mm、中肋は緑色。
花冠は4裂し4本の雄しべは長く突き出る。
果実は淡褐色の蒴果、狭卵形で萼の長さの1.5~2倍となる。種子は1つの果に4個ある。







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