加美町宮崎旭地区西部、沢に並行する林道をゆるやかに上がって行くと、山側法面や沢近
くの湿った場所に、暗褐色の小穂を2~3個付けた、スゲの仲間らしき植物が群生してい
ます。小穂は太めの紡錘形で、長さが2~3cmあります。
特徴的な小穂ですから、カヤツリグサ科スゲ属を当たれば、種を同定できるでしょう。
二枚とも2021.5.4撮影
「スゲ属 小穂」でネット検索し、画像一覧でよく似た小穂を探すと、「タヌキラン」と
いう植物の小穂が私の写真のものとそっくりです。
改めて「タヌキラン スゲ属」で検索すると、山地の湿った岩場に生えるとありますから、
タヌキランで間違いないないでしょう。
二枚とも2021.5.4撮影
カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、北海道南西部~本州中部の多雪地に分布する。
山地の沢沿いや、湿った斜面~岩場に自生し、日当りを好む。草丈は0.3~1m。
根茎は横に短く伸び、線形の葉を叢生する。葉は扁平で幅5~12mm、質やわらかく、葉
縁はざらつく。基部の鞘は葉片がなく、裏面は粉白色を帯びる。
花期は5~6月、茎先に小穂を3~6個つける。先端側の1~3個の小穂は雄性で披針形、
長さは1.5~3cm。下側の2~4個は雌性で、長さ2~4cmの太めの紡錘形、長い柄で下
垂する。雌鱗片は披針形、暗褐色~黒紫色で果胞より著しく短い。
果胞は長さ3~5mmの明らかな柄があり、狭披針形で長さ12~15mm。脈がなく、縁と
柄には軟毛があり、次第に細くなって嘴部は黒褐色を帯びる。
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