St.MARYマスターズ通信

シニアのための、シニアによる、シニアのスキークラブ、宮城のスキー仲間集まれ!
(コメントは拒否設定H20.2~)

講話録(その2)

2007-01-13 23:29:54 | 必読記事
中高年指導ひとすじ②・・・・平沢文雄

 もう一つは、今のことと関係がありますけれども、まずは中高年者のスキー指導は、先程も言いましたけれども、体力を考慮して無理をさせないことです。「無理するな」というと駄目なのです。こちらで配慮して無理をさせないところを滑らせる。「あんた年寄りだからゆっくり」といっては駄目なのです。「安全に」それ駄目なのです。「年寄り扱いにするな」と文句言うのです。ですから厳しい斜面を滑らせないということです。それが無理させないということです。それにトイレ休憩にも配慮してあげることです。「トイレ」というと抵抗があるのですが「はい、10分間休憩」それなら抵抗がないのです。中高年は若者?と違って、そのような環境作りにすごく神経を使う。配慮しなければなりません。それは自分を見ればそうだなと思います。それから社会体験が豊富ですので心理面に配慮するということですね、今申したとおり、気分を損ねないように言葉使いに気をつけるように、「これは駄目だ」といったらいけないのです。言葉使いは相手の気にさわらないように、自分ではそういうつもりがなくとも、相手がそのように受け取ってしまうから本当に気を使って言葉使いに気をつけることです。

 今も言いましたように体力的なことより精神的な面の方が指導には大切です。私は皆さんに先程も申しあげましたけれども、皆さんは私達と一緒にいわゆる指導員を目指して寝食を忘れ、家庭に迷惑を掛け、会社にも迷惑を掛け、そして頑張ってきた訳ですけども、技術はその時代から変遷しています。当時のことをやっていたら体力の減退とともに落ちてゆく。技術を変えればいいのです。新しい技術要領を習得して滑ることです。その意味では、指導員という誇りはいいのですが、技術的な自信は持ってはいけない。「俺は指導員だ」と思って技術的な自信を持ったらそこでストップします。教わった人が迷惑です。これは子供達でもそうです。今では、荷重移動をする指導はあまりやりません。私達が一生懸命やっていたそのときのやり方は、指導法、滑り方も通用しません。過去の技術は捨てて、一人のスキーを趣味とした人間として、前向きにスキーに挑戦する。そうしたら少なくても80歳までは上達します。ご存知のようにスキーは自力でなくエネルギーは重力ですね、落下の法則ですから体力ではなく技が大切です。用具がよくなりました。良い用具を使って新しい滑り方をすればどんどん上手になります。私のクラブにも80歳を越えた方がおりますが、「先生80歳を越えた方がいますが、もう80歳を越えているので私は駄目なのでしょうか」と言われ、はっと気づき「いや、そうじやないです。貴方は90歳まで上手になる」と話しをします。何歳になっても上達を目指してスキーに取組む、これでスキーヤーにはパワーが生まれるのです。

 楽しみだけの人は、そこで終わってしまうのです。それは何故かといいますと、楽しみというだけでは嫌な人と一緒に行きません。グループが段々こまかくなって行ってしまいます。指導員会のこのようなイベントがあるといっても、そこには参加しないで何処かへグループと行ってしまう。それは技術がそこにないからです。楽しみだったら自分の好きな者同士で勝手に好きな場所へ好きなように行き滑ったらいいでしょう。それを押し詰めてゆくとコミュニケーションですよね。コミュニケーションを求めるようになれば、スキー場へ行かなくて用はたります。それがスキーの元気をなくした一面でもある訳です。コミュニケーションに楽しさをもとめるようになると、そこに行ったって面白くない。だからちょっと雪が降ったりまた悪くなると「おい、上がって一杯」お風呂に入って一杯になってしまう。それはコミュニケーションが仲間の楽しみだからです。滑りの楽しみとちょっと違いますよね。スキー連盟も楽しいスキーとか、楽しくなければスキーではないとか全面に出すようになってから、ちょっとおかしくなったのだと私は思います。楽しさの誤解です。今登山がはやっていますが、まさか登るときが楽しいということは余りないと思います。頂上を極めてあの達成感、あの爽快感、あの充足感が結局楽しかった、とりうことに結果としてなるのでしょう。楽しみが全面に出ないで結果として楽しさをかみ締めることになるのではないでしようか。楽しくない趣味なんてありませんからそれをいわない方が私はいいと思っています。

 もう一つ、同世代の仲間とともに時代を生きる。これが大切です。私はそれを徹底しています。同世代の人達とともにその時代を生きる。ですから若い人は関係ないのです。私の世代ではない。今申しあげました前期高齢者の世界です。そのグループは何時でも若いわけです。同じ世代ですから。年取ったとか自分が老いたとか自分が自覚するのは、若い人と一緒に居たときでしょう。同世代だったらそのようなことはありません。その時代の人と生きるということをま何時でも若く、若い気持ちで生きることが出来ます。指導員であっても指導を受ける機会を持つということです。そうすれば自分のスキーが、がらりと変わります。今までの既成概念にこだわらないことが大事です。そして、あらためて自分の趣味は何であるかを確かめてみる。やはりスキーですよね。俺の趣味はスキーなのだ、ということを確かめていただきたいと思います。繰り返しますけども同世代の人と時代の移り変わりとともに生きる。私は、それが一番と思っています。正直いって年齢が上がりますと年輪と同じように年齢が詰まってきます。ですから同世代の幅が広がってきます。お亡くなりになった三浦敬三さんと30歳違いますが、101歳になられた方でも私達と話が通じます。それは年輪が詰まってくるからです。若いときは駄目ですよね。

つづく

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