Cokeは覚醒して
高速は飽きずに数々の風を運ぶ
どうしても記憶に残らない一日
これが私の青春。
芸術的視点から外れた絵の上の
小さな黒い手形
向かい合いの空席
錆びた王冠をかぶった
建築途中のオフィスビルディング
私の脳の中の赤い炎。
この街は
せわしなくせわしなく明滅する動物を
いくつも飼っているので
私はその夜行活動をいちいち
記録しなければならなくなる
これは私の夢想。
それから毎晩 私は鼻をほじっている少女たちと
半分腐った中年の男たちを連れて
駅まで行かなければならないので
時には飛び降りてしまいたくなる
この16階から
たまに窓に手をかけて男がよじ登るので
一体私たちのプライバシーは
パシフィックの果てにでも飛んでいっちまったのかしら?と思う。
「最近は、いかがです?」
そいつは言いながら屋上から昇天する
あんなうすら笑いのままで
「屋上のちょうど上あたりにひとつ星が光っているね」
「あとの星は全部誰かが握ってしまったから、
今は見えないんだ」
友だちは何の夢を見ているだろう
これから何の夢を見てゆくのだろう
「あの一つ一つの四角い光のなかに
人々の一生が動いているんだ」
「もう時間がないよ」
ああ 私たちはあの遠くの空の切れ目にあたる
目に見える最小限の光に向かって
歩いていかなければならないのかねぇ
アイだの、エイエンだの、
ウンメイだの、キボウだののひとかけらも
落ちてやしない路地を縫うようにして
いつしか星が白から赤に変わり
子どもたちはプラスチック臭い液体をゴクゴク
飲みながらねぇ
夜も昼も、夕方も朝方もない暮らしをして、
鷹の飛んでいた街をかろうじて
思い浮かべるんだね
後記:
テーブルマナーの研修で泊まった京王プラザホテルから、建築途中の都庁を眺めながら、
相室のコが入浴中に慌ててメモった詩。
高速は飽きずに数々の風を運ぶ
どうしても記憶に残らない一日
これが私の青春。
芸術的視点から外れた絵の上の
小さな黒い手形
向かい合いの空席
錆びた王冠をかぶった
建築途中のオフィスビルディング
私の脳の中の赤い炎。
この街は
せわしなくせわしなく明滅する動物を
いくつも飼っているので
私はその夜行活動をいちいち
記録しなければならなくなる
これは私の夢想。
それから毎晩 私は鼻をほじっている少女たちと
半分腐った中年の男たちを連れて
駅まで行かなければならないので
時には飛び降りてしまいたくなる
この16階から
たまに窓に手をかけて男がよじ登るので
一体私たちのプライバシーは
パシフィックの果てにでも飛んでいっちまったのかしら?と思う。
「最近は、いかがです?」
そいつは言いながら屋上から昇天する
あんなうすら笑いのままで
「屋上のちょうど上あたりにひとつ星が光っているね」
「あとの星は全部誰かが握ってしまったから、
今は見えないんだ」
友だちは何の夢を見ているだろう
これから何の夢を見てゆくのだろう
「あの一つ一つの四角い光のなかに
人々の一生が動いているんだ」
「もう時間がないよ」
ああ 私たちはあの遠くの空の切れ目にあたる
目に見える最小限の光に向かって
歩いていかなければならないのかねぇ
アイだの、エイエンだの、
ウンメイだの、キボウだののひとかけらも
落ちてやしない路地を縫うようにして
いつしか星が白から赤に変わり
子どもたちはプラスチック臭い液体をゴクゴク
飲みながらねぇ
夜も昼も、夕方も朝方もない暮らしをして、
鷹の飛んでいた街をかろうじて
思い浮かべるんだね
後記:
テーブルマナーの研修で泊まった京王プラザホテルから、建築途中の都庁を眺めながら、
相室のコが入浴中に慌ててメモった詩。