5月の東京タイフェスティバルにいらしていた松林 要樹監督とお話する機会があり、その後、試写を拝見しました。タイフェスには、こんな出会いもあるのです。
松林監督が撮った映画、「花と兵隊」は、第2次世界大戦をタイ・ビルマ国境付近で迎えた後、祖国、つまり日本に帰らなかった6名の日本兵を描いたドキュメンタリー映画です。
花と兵隊 公式サイト (New Japanese Documentary Movie)Flower and Troops official web
松林 要樹監督のブログ
このドキュメンタリーは、監督自らカメラを回し、インタビューをしています。時には監督もインタビュアーとして、フレームに写りこんでいます。撮られる側の元日本兵も、今では80代、90代のおじいさん達で、マイクの前で淡々と自分の過去を語るのです。淡々としているからこそ、心に染みる感情があります。
その傍らには現地で結婚した、タイ人あるいは少数民族の妻が寄り添っていて、孫が遊んでいたり、飼い犬がいたり、拍子抜けするほど平和なタイの田舎の風景なのです。日本人と言われなければ、もうぜんぜん分からないほど、溶け込んでいます。
これはとてもシンプルでオーソドックスで、誠実なドキュメンタリー映画だと思うのです。ただし、1場面を除いては。なぜ日本に帰らないのか、その理由は複数ある筈ですが、そのうちの1つの理由を、監督がハッキリ言葉に出して確認を迫る場面があり、ここだけは残念だと思いました。
「花と兵隊」のタイトルのとおり、劇中には池に咲く美しい蓮の花が何度も意味ありげに写されます。地元に根付いた、という意味で出てくる花であるとは容易に察することができるのですが、それが蓮の花というところを、私は深読みしてしまいます。
蓮の花というのは、根付いてはいるものの、水の中で揺れながら咲いているじゃないですか?この不安定さ。元日本兵達が一生揺れる気持ちを抱えたまま生きている姿と重ねて見てしまいました。
ラストの映像は温かいので、最後は救われた気持ちで席を立ちました。
松林監督が撮った映画、「花と兵隊」は、第2次世界大戦をタイ・ビルマ国境付近で迎えた後、祖国、つまり日本に帰らなかった6名の日本兵を描いたドキュメンタリー映画です。
花と兵隊 公式サイト (New Japanese Documentary Movie)Flower and Troops official web
松林 要樹監督のブログ
このドキュメンタリーは、監督自らカメラを回し、インタビューをしています。時には監督もインタビュアーとして、フレームに写りこんでいます。撮られる側の元日本兵も、今では80代、90代のおじいさん達で、マイクの前で淡々と自分の過去を語るのです。淡々としているからこそ、心に染みる感情があります。
その傍らには現地で結婚した、タイ人あるいは少数民族の妻が寄り添っていて、孫が遊んでいたり、飼い犬がいたり、拍子抜けするほど平和なタイの田舎の風景なのです。日本人と言われなければ、もうぜんぜん分からないほど、溶け込んでいます。
これはとてもシンプルでオーソドックスで、誠実なドキュメンタリー映画だと思うのです。ただし、1場面を除いては。なぜ日本に帰らないのか、その理由は複数ある筈ですが、そのうちの1つの理由を、監督がハッキリ言葉に出して確認を迫る場面があり、ここだけは残念だと思いました。
「花と兵隊」のタイトルのとおり、劇中には池に咲く美しい蓮の花が何度も意味ありげに写されます。地元に根付いた、という意味で出てくる花であるとは容易に察することができるのですが、それが蓮の花というところを、私は深読みしてしまいます。
蓮の花というのは、根付いてはいるものの、水の中で揺れながら咲いているじゃないですか?この不安定さ。元日本兵達が一生揺れる気持ちを抱えたまま生きている姿と重ねて見てしまいました。
ラストの映像は温かいので、最後は救われた気持ちで席を立ちました。