小田さんと桜井さんは、収録で楽曲制作にまつわるエピソードを披露。準備をせずに楽曲制作をする日を迎える約束だったというが、小田さんは「自分なりに8小節くらいのメロディーを用意してた。桜井君はなんと、詩も曲も全部書いてきた。僕は8小節をしまいました……」と明かし、桜井さんは「そうだったんですか!」とこの日初めて知ったように驚いた。桜井さんは「いくつかの誰かの日常の小さい物語も、世の中には欠かすことのできない物語だというメッセージ」と、完成した新曲について語った。

 また小田さんは、吉田さんを「1970年代、カリスマと呼ばれるシンガーがいました」と招き入れ、吉田さんは「お互い長い音楽生活を送っているんだけど、2人で並んでやるのは初めて」とコメント。小田さんからの出演依頼に「一にも二にもなく『やる』と言った」と話す一方で、「リハーサルが長くて、待ち時間が長いなんの。『寝込んじゃうよ俺は』というくらい丁寧。またひとつ小田和正のすごいところを見た」と冗談交じりに感心した様子を見せた。小田さんは「吉田拓郎は、日本の音楽史に生きてきた人物だと思う。すてきな吉田拓郎として生きてほしい」と賞賛し、最後は2人で堅い握手と抱擁(ほうよう)を交わした。

 収録は舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市)で行われ、約4時間に及んだ。観客は応募総数8万通を超える約16万人の中から2000人が選ばれた。小田さんは、ゲストアーティストを終始、笑顔で迎え入れ、トークと音楽で観客を魅了。「随所で感動してしまいました。とてもすてきな時間を過ごさせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。来年がみんなにとってすてきな年になるよう祈ってます」とコメントしている。

 「クリスマスの約束」は01年から、毎年末に放送されている音楽特番。桜井さんは2003年の同番組出演以来、10年ぶりの出演で、ほかに「スターダストレビュー」の根本要さん、「スキマスイッチ」、「いきものがかり」の水野良樹さん、JUJUさん、松たか子さんが出演。25日午後11時19分~深夜1時19分にTBS系で放送される。(毎日新聞デジタル)