正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

初心を忘れない信心を

2005-11-21 | 手引書⑧

 信心におけるところの大事な初心とは、即身成仏を目指すことです。即身成仏に向かって、志しを忘れずに修行することです。初心となる即身成仏の志を中心として、信心には細かい修行に対する志すべき初心があります。それは勤行唱題であり折伏、御本尊様への毎日の御給仕など、初めに心で決めたことを忘れては前に進みませんし、当然成仏もありません。
 何事においても、志した初めの気持ちを忘れず持続させることが大事です。初心は様々な縁に揺れ動かされます。この揺れ動かす縁が初心の気持ちを大成させる重要な鍵になります。揺れ動かす縁とは、挫折させる事柄です。まず順調に進む方が少ないです。逆に様々な試練を乗り越えることで、初心も本物になり、周りから認められる人格が出来ます。
 御本尊様を持ち信心をすることで、様々な縁が全てプラス思考に変わり、初めに志したことを成就させるのです。
 「初心忘るべからず」という言葉があるように、世間的にも初心を忘れないことが大事です。初めに志すことと言えば、学校や仕事、家庭の中で初めて挑戦することです。初めは誰でもやる気を起こします。このやる気を持続できるかが問題になり、初めに志した気持ちを常に振り返る姿勢が大切です。
 日蓮正宗での勤行唱題は、この信心と生活全般に渡って初めに志す気持ちを御本尊様の力によって思い起こさせるのです。信心で初心を常に心に刻むことが出来、その初めの気持ちを持続させることで「冥益」という姿になって現れます。末法時代におけるところの理想的な御利益です。根気強さや粘り強さが同時に養われ、成仏において大事な精神も出来上がります。
 勤行唱題で初めに志した「初心」を具体的に現実のものになるよう勤めます。心を落ち着け、志したことに対し何が必要になるのか御本尊様から智慧を頂いていきます。特に心得ていくことは、初心を忘れさせようとする悪縁に迷わされない気持ちを常に持つことが大事です。勤行唱題では、悪縁に迷わされない強靱は精神を養います。御利益ばかり御願いせずに、まず悪縁に迷わされない精神を気持ちにつくることからはじめましょう。その精神を具えた上で御利益を御願いするところに、安定した悪縁に紛動されることのない利益があります。不退転という境界と我此土安穏という有り難い功徳があります。
 初心を忘れさせる原因には「欲望」があります。これは悪酒であり、己心の魔が面白半分に挑発してくる働きです。「欲望」は社会のあらゆるところにあります。「欲望」を巧みに操り初心を忘れさせようとしてきます。勤行唱題において己心の魔の働きを洞察できる眼を養い、更に折伏では己心の魔の扱い方を教え抜苦与楽を施していきます。
 世の中には「欲望」を根底におき、間違った初心を持つ人もいます。善悪の基準を持ち正しい志を立てることが必要です。間違った事に志を立て、その初心を貫こうとすれば不幸になります。日蓮正宗の信心は善悪の基準を明らかにして、初心を貫いていくことが出来ます。世の中で使われるところの「初心忘るべからず」という言葉には、はっきりした善悪の基準が不明瞭です。信心をして幸せになれる正しい初心を志していきましょう。そこに即身成仏があります。