正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

我不愛身命 但惜無上道(勧持品第十三)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

『法華経』の「勧持品第十三」(法華経370)には、
「我不愛身命。但惜無上道。(我身命を愛せず 但無上道を惜む)」(法華経377)
ということが説かれています。
 「勧持品第十三」では、「三類の強敵」という俗衆増上慢・道門増上慢・僣聖増上慢が説かれます。末法に於ける正法の行者を邪魔する人が説かれるのです。
 この「三類の強敵」に屈しない、信心姿勢が「我不愛身命 但惜無上道」です。「不自惜身命」に通じるものがあり、「三類の強敵」にあうことで強靭な精神が養われます。その精神が即身成仏に必要な仏因になるのです。
 「三類の強敵」とは「勧持品第十三」において、
「有諸無智人。悪口罵詈等。及加刀杖者。我等皆当忍。(諸の無智の人の悪口罵詈等し 及び刀杖を加うる者有らん 我等皆当に忍ぶべし)」(法華経375)
と説かれるのが俗衆増上慢です。仏法に無知な人から悪口を言われることです。 更に、
「悪世中比丘。邪智心諂曲。未得謂為得。我慢心充満。(悪世の中の比丘は 邪智にして心諂曲に 未だ得ざるを為れ得たりと謂い 我慢の心充満せん)」(法華経375)
と説かれるのが道門増上慢です。邪宗の僧侶は、邪智から迫害を加えます。
 そして、
「或有阿練若。納衣在空閑。自謂行真道。軽賎人間者。(或は阿練若に 納衣にして空閑に在って 自ら真の道を行ずと謂いて 人間を軽賎する者有らん)」(法華経376)
と説かれるのが僣聖増上慢です。外見は高貴な清僧を装い、第六天の魔王が身に入り込んでいます。これは「勧持品二十行の偈」といわれる一部分です。
 「勧持品第十三」に、
「濁劫悪世中。多有諸恐怖。悪鬼入其身。罵詈毀辱我。我等敬信仏。当著忍辱鎧。為説是経故。忍此諸難事。(濁劫悪世の中には 多く諸の恐怖有らん 悪鬼其の身に入って 我を罵詈毀辱せん 我等仏を敬信して 当に忍辱の鎧を著るべし 是の経を説かんが為の故に 此の諸の難事を忍ばん)」(法華経377)
と説かれています。悪鬼入其身した人々が、信心を邪魔することが説かれ、それに対しては「忍辱の鎧」を着るように釈尊は説かれます。衣座室の三軌も心得て、正法流布に邁進することです。そこに一生成仏があります。
 『御義口伝』には、「勧持品十三箇の大事」(御書1760)が説かれており「第一 勧持の事」「第二 不惜身命の事」「第三 心不実故の事」「第四 敬順仏意の事」「第五 作獅子吼の事」「第六 如法修行の事」「第七 有諸無智人の事」「第八 悪世中比丘の事」「第九 或有阿練若の事」「第十 自作此経典の事」「第十一 為斯所軽言汝等皆是仏の事」「第十二 悪鬼入其身の事」「第十三 但惜無上道の事」という、十三の大事があります。
 「勧持品第十三」で説かれる「我不愛身命 但惜無上道」は、信心で築かれた尊い命が、生活の場で更に輝きを放つのであります。それが「常寂光土」になります。