正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

法華経が説かれる瑞相(序品第一)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 日蓮大聖人は『瑞相御書』に、
「仏、法華経をと(説)かんとし給ふ時、五瑞六瑞をげん(現)じ給ふ。其の中に地動瑞(ちどうずい)と申すは大地六種に震動す」(御書918)
と仰せであります。法華経が説かれるときには、必ず瑞相があります。それが「序品第一(法華経55)」にあたり、様々な瑞相が説かれています。
 是くの如く我聞ききという「如是我聞」からはじまり、不思議な瑞相に弥勒菩薩が疑問を持ち、文殊師利菩薩が過去の経験上から、最高の仏法(法華経)が説かれる前兆であると答えます。
 その瑞相とは『星名五郎太郎殿御返事』に、
「法華には六瑞あり。所謂雨華地動(うけちどう)し、白毫相(びゃくごうそう)の光、上は有頂(うちょう)を極め下は阿鼻獄(あびごく)を照せる是なり。又多宝の塔大地より出で、分身(ふんじん)の諸仏十方より来たる。しかのみならず、上行等の菩薩の六万恒沙・五万・四万・三万、乃至一恒沙・半恒沙等大地よりわ(涌)きい(出)でし事」(御書365)
と「六瑞」を御指南です。この「六瑞」に「此土の六瑞」と「他土の六瑞」があります。
 「此土の六瑞」とは、説法瑞・入定瑞・雨華瑞・地動瑞・衆喜瑞・放光瑞です。
 「他土の六瑞」とは、見六趣瑞・見六諸仏瑞・聞諸仏説法瑞・見四衆得道瑞・見菩薩所行瑞・見仏涅槃瑞です。
 「此土の六瑞」と「他土の六瑞」は、如何に有り難い仏法が説かれるかを裏付ける現瑞であります。
 これらの瑞相をはじめて体験する弥勒菩薩等の大衆は問いを発し、文殊師利菩薩が答えの中で、過去無量無辺不可思議阿僧祇劫という久遠における日月燈明仏の説法化導を示し、今の釈迦仏の現瑞相が、燈明仏の現瑞と同じであることを説くのです。ここでは、秘かに本門の久遠実成の由来を説示しています。
 折伏では、「六瑞」とまでいかなくとも、瑞相に似た演出も時には必要であります。瑞相を示すことで、人々の感情に様々な執着心を解きほぐす作用があり、大事なことに集中させるときに有効です。教化育成にも相手の感情を操る手法が必要でしょう。「六瑞」は仏様の神通力です。
 『御義口伝』に「序品七箇の大事」(御書1720)が説かれており、「第一 如是我聞(にょぜがもん)の事」「第二 阿若・陳如(あにゃきょうじんにょ)の事」「第三 阿闍世王(あじゃせおう)の事」「第四 仏所護念(ぶっしょごねん)の事」「第五 下至(げし)阿鼻地獄(あびじごく)の事」「第六 導師何故(どうしがこ)の事」「第七 天鼓自然鳴(てんくじねんみょう)の事」という七つの大事が説かれています。日蓮大聖人が、久遠元初の自受用身の立場から「序品第一」について御教示されたところです。
 「序品第一」は、通じて法華経の総序であり、別しては迹門十四品の序分であるため、通序・別序と分けられます。
 「序品第一」での瑞相は、最高の文底下種仏法である御題目が説かれる上で非常に大事な意義を持つのです。