正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

七宝の塔が地から涌出する意義(見宝塔品第十一)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 「七宝」とは、『法華経』の「見宝塔品第十一」(法華経335)において、金・銀・瑠璃・瑪瑙・真珠等の宝を意味しております。地面から涌出した宝塔が、虚空という空中に姿を現します。
 『御義口伝』において「七宝」とは、
  「第二 有七宝(うしっぽう)の事、
  御義口伝に云はく、七宝とは聞(もん)・信(しん)・戒(かい)・定(じょう)・進(しん)・捨(しゃ)・慙(ざん)なり。又云はく、頭上の七穴なり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉るは有七宝の行者なり云云。」(御書1752)
と仰せであります。つまり「聞(もん)・信(しん)・戒(かい)・定(じょう)・進(しん)・捨(しゃ)・慙(ざん)」が「七宝」です。これを「七聖財」といい、仏道修行の上で肝要な七種の法財です。
 意味は、よく正法を聞く「聞」、正法を信受する「信」、身口意の三業にわたり正法を守り、非を防ぎ悪を止める金剛不壊の「戒」、安心立命の境涯の「定」、精進行の「進」、不自惜身命の信心で、自らの執情を捨てて仏法を求め他人のために施す「捨」、常に向上しようとし、自らに恥じ、人に向かって発露する「慙」ということです。
 「頭上の七穴」とは、二つの目、二つの耳、二つの鼻、一つの口です。信心において、六根の大切な部分をしめる感覚(七穴)が磨かれ、成仏の因を積んでいくということであります。つまり、六根清浄を得るわけであり、「聞・信・戒・定・進・捨・慙」を素直に実行することで御本尊様から功徳を頂くのです。
 「見宝塔品第十一」には、七宝に飾られた宝塔涌出の他に「三変土田」、釈尊と多宝如来の「二仏並座」や「六難九易」という、『法華経』にしか説かれない重要な法門があります。何れも三大秘法の御本尊様が顕わされる上で、必要不可欠な意義を持ちます。
 『御義口伝』には、「宝塔品二十箇の大事」(御書1752)が説かれています。「第一 宝塔の事」「第二 有七宝の事」「第三 四面皆出の事」「第四 出大音声の事」「第五 見大宝塔住在空中の事」「第六 国名宝浄彼中有仏号曰多宝の事」「第七 於十方国土有説法華経処我之塔廟為聴是経故涌現其前為作証明讃言善哉の事」「第八 南西北方四惟上下の事」「第九 各齎宝華満掬の事」「第十 如却関鑰開大城門の事」「第十一 摂諸大衆皆在虚空の事」「第十二 譬如大風吹小樹枝の事」「第十三 若有能持則持仏身の事」「第十四 此経難持の事」「第十五 我則歓喜諸仏亦然の事」「第十六 是名持戒の事」「第十七 読持此経の事」「第十八 是真仏子の事」「第十九 是諸天人世間之眼の事」「第二十 能須臾説の事」という、「見宝塔品第十一」にある二十の大事について御教示です。
 宝塔が地から涌出する意義は、末法に出現する文底下種仏法が説かれる重要な意義を持つのです。その仏法が日蓮正宗だけに伝わっています。