散歩の時間

東武東上線をたどりながら池袋から秩父湖まで散歩をします。その様子をスライドショーでご紹介します。

Y路地を撮った写真集

2010-10-04 09:13:56 | その他
昨日図書館へ行きました。

最近はお目当ての本というのもないので、ふらふらと見て歩いてよさそうな本があったら借りてくるという風になっています。

昨日も当てもなく見ていたら、大きくて派手な装丁の写真集が目に留まりました。

横尾忠則の「東京Y字路」という本でした。

だいぶ前に横尾さんがテレビでY字路の写真を撮っているという話をしていたのを思い出して、「これだこれだ」と借りてきました。

3800円もする高い本です。

中は全部Y字路の写真で、全部ほとんど同じに見えます。

Y字路ですから、歩いて進んでいくと道が2つに分かれている場所です。

写真の中心には3角形の土地に立つ建物が写っているわけです。

誰でも見たことのある風景で、何の変哲もなく、どこにでもある場所なので、5ページくらいめくると見るのをやめる人が8割以上ではないかと思います。

でも、よく考えると自分の前に現れた2本の道というのは、どちらに進むか選ぶということをするわけです。

普段は目的を持って歩く人がほとんどでしょうから、いちいち2つの道のどちらかを選ぶことはないのですが、散歩などで知らない街を歩く時はY路地は魅力的なものですね。

自分の前に現れた2つの道を見て、頭に浮かんだ何かの感じだけを頼りに進む道を選ぶわけです。

でも、それは全然難しくなくて、瞬時に分かるわけです。

「あっ、こっちへ行きたい!」ってね。

散歩って面白い。



この写真集には、知らない場所の見たことはないけど見慣れた気がするY路地が200枚以上も載っているので、どちらへ行ってみたいか考えるだけでも面白いです。大変だけど。

他にも見方はいろいろあるのだと思うけど、同じ条件の場所というものには、共通することなどもあって、平凡な感じというのがどういうのか、とか、見ごたえがあるのはどういう風なのかとか、考えるのも面白いです。

この流れで、曲がっている坂道とか、つい入りたくなる路地の入り口とか、古いポストと郵便局とか、いろんな景色を集めて見てみたくなります。

あーでも、歩いている時にたまに良いものに出会うから良いのかもしれないし。

素人はむきになって集めたりしてはいけないのかもしれません。

上信電鉄 上州新谷駅

2010-08-25 08:39:20 | その他
上信電鉄 上州新谷駅です。

上信電鉄は群馬県の高崎と下仁田を結ぶ私鉄です。

上州新谷は「じょうしゅうにいや」と読みます。

場所はだいたい富岡のあたりです。

写真は7月の暑い日に撮りました。

駅名に電柱がかぶってよい写真ではないですね。すみません。

私の実家が群馬の松井田というところなので、寄居から行くことがあります。

その帰りなどはいろいろな道を通って帰ってくるので時々思いがけない良いものを見ることがあります。

ホームの高さまで6,7段の階段をあがって駅舎の待合所に入るようになっています。

明るくて暑い外から少し見上げたところに暗くて涼しそうで風通しのよさそうな待合所があります。

入り口に赤い自動販売機があります。

自動販売機でお茶など買ってゆっくり電車を待ってみたいような気がします。

自動販売機のある風景というのは時にはよい場合があります。

古い駅舎と真っ赤で新しい自動販売機はよいようです。

八高線JR用土駅が・・・

2010-08-23 16:03:59 | その他
以前木造の駅として紹介したことのあるJR用土駅です。

この写真は6月15日に撮ったものです。

JR用土駅がなくなってしまった!!

と思って驚いたのですが、なくなってはいないです。

駅はあるのでした。

駅舎は要らないので取り壊したのですね。

寂しい駅前ですが、自転車も車もいくらでも停められそうです。

空が広いです。

観光する気持ち

2010-08-18 13:50:11 | その他
この前の日曜日は日帰りで寄居へ行ってきました。

日帰りだから時間がないし、日曜日は高速道路が安いのだからと久々に高速に乗りました。

やっぱり高速道路は速いです。

あっそうそう、最近車を軽自動車に買い換えました。

軽自動車で初めて関越を新座から乗って花園でおりたら休日割引で950円でした。

東松山の辺りまでは割引除外区域らしいので、どうして950円なのかはよく分かりませんが軽自動車だから安いのかな? なんて思ってます。

その高速道路を走るというのは、ちょっと観光気分を味わえました。

道路は地面を掘り下げているのか、両側がコンクリで固めた高い土留めになっているのだけど、コンクリも古くなって辺りと馴染んだ色合いになっています。

そこへ、オカメヅタかアイビーかそんな蔓植物が垂れ下がって良い風情です

その上には、夏なので夾竹桃の赤と白の花がたくさん咲きこぼれて風に揺れています。

バックの空も夏の雲が浮いていてよかった。

それから高速道路には一般道路が交差しているので、そのつど橋になって高速道路の上をまたいでいます。

関越はいつも東松山のあたりまで軽く渋滞するけど、お盆が近いせいでその日もだいぶ混んでいました。

のろのろ走る車の中から上を通る橋を見ていたら、おじいさんとおばあさんが渡っていました。

おじいさんは左右を見ながら橋の中ほどまで来ると、立ち止まって混んだ下り車線を眺めていました。

その後ろから少し送れておばあさんが追いついてきて、おじいさんに何か言われて立ち止まり、2人で混んだ道路を見ていました。

おばあさんは日傘をさして、少しうつむき加減で真っ直ぐに前を見て歩いていました。

おじいさんに言われて混んだ道路を見て、おばあさんは面白かったでしょうか?



要するに何かを面白いと感じるためには、慣れてしまわないように気をつけることが大事なのではないかと思ったのでした。


観光地というもの

2010-04-19 15:08:33 | その他
昨日と一昨日、久々に寄居に行ってきました。

昨日はとても天気が良かったので、「観光をしよう。」ということで、秩父の方へ出かけました。

思えば寄居は結構観光地なのでした。

ところで、観光って、何をするのだろう?

わざわざ考えるとよく分からないのでした。

で、何をしたかというと秩父高原牧場という山の上にある牧場の辺りをドライブしてきました。

「ドライブ」って古い言葉に感じます。

もう、車でその辺を走るのって行楽ではなくなったのだと思います。

それで、牧場の横を通って、羊がいるのを見たり、ソフトクリーム屋さんが出ていたりするのを見たのだけど、車を降りて見に行く気がしないのでした。

小さい子供でもいればソフトクリームを食べて羊や牛を見たりするのも楽しいかもしれないけど、我らは中年の夫婦なので面白くないのでした。

だったら、そんなところに行かなきゃいいのに、と思うでしょう。

まったくその通りです。

それで、山の道を上がったり降りたりして走っていたら、それなりにいろいろ発見もあるのでした。

秩父の山は裏のほうは、道も細くてところどころに小さい集落がある、素朴な普通の山だったと思うのです。

ところが今回通ったところは、全体に寂れている感じがする一方で、観光開発のようなことをはじめているのでした。

山の明るい広い谷間に桜の苗木をたくさん植えていました。

そして、桜が育ったら千本桜とか言って観光地として売り出す予定のようです。

あと、つつじ山とか言って、つつじをたくさん植えたところもありました。

そうかと思うと、渓流沿いのキャンプ場が売りに出されていたり、観光の行方は違う方へ向いていっているようです。

この売りに出されたキャンプ場ではちょっと降りてあたりを眺めたのだけど。

せっかく景色のよい川沿いに施設を建てているのだけど、作り物の通俗的な感じが自然のきれいさを壊してしまっているのです。

反対側の南向きの山の斜面は階段がついていて、上に建物があったのか、平らな土地があるようでした。

斜面は下のほうに竜のひげがみっしりと植えられて土が流れるのを防いでいますが、何年も手入れをしていないらしくてつるが絡み藪が覆っています。

登ってみると何もなくてただ草が生えているのでした。

端のほうにはかきつばたか、しようぶかそんな細長い園芸植物が若芽を伸ばし始めて青々と勢いがよいのです。

地面はホクホクとやわらかく、足がめり込みそうです。

昔はどこか真ん中あたりに家があったのかもしれません。

人間が作ったものがなくなって草が生えて日が当たっているのを見るのは素敵な見物です。

とてもきれいです。

きれいな所にずっと住んでいる人というのは、きれいさに鈍感になっていて、いらなくなったものを隅のほうに雑然と山済みにしてしまったり、無頓着です。

山の集落に行くと、ごみをそのへん積んでいたり、燃したりしていて、地元の人と言うのは、きれいなことに無関心のようです。

残念ですがそういうものなのでしょう。






千葉、白浜散歩

2010-03-22 17:09:56 | その他



3月16,17、18日と、久々の行楽に行ってきました。

千葉県の太平洋に突き出た先っぽの白浜です。

だいたいいつも3月にくるのですが、ここは良いです。

海沿いにはホテルが立ち並んで、灯台のあたりは食堂や、お土産ものやや、干物やさんなどがいかにも観光地なのですが、なにかゆったりとしていて素朴な感じがします。

でも、もう観光スポットは行かないのだけど、それでは何がよいのかと言うと、海に迫った低い山々と神社です。

あともう、その辺全部がみんな良いのですけど。

山なんか誰も見ないのかもしれませんが、海からでも歩いて10分かからないところに低く連なっています。

もう、すぐ登れそうな山です。

この山は砂岩のようなやわらかい岩で出来ていて、ぼろぼろ崩れて風化している感じです。

今ではハイキング道もたくさんあって手ごろで安全です。

初めてこの山に登ったのは20年位前で、子供が近所の山に冒険に行くみたいな感じで、すぐ登れそうだから行ってみようと気軽に登ったのでした。

山の上にはため池があって、そのため池を造るために昔の人たちが山に道を刻んだのです。

やわらかい砂岩の山なので、階段やトンネルなど割合に簡単に造れたのではないでしょうか。

でも、20年くらい前の時点でも、階段はすごく磨り減っていたし、幅もとても狭くなっていて危ない感じでした。

トンネルをくり貫いた中に磨り減った階段が付いていたりしてすごく面白いのでした。

まだ、地元の人がため池や山の補修や点検に利用するだけで、ハイキング道にはなっていないようでした。

そんな野性味や、昔の人たちの仕事の跡なんかを面白いと思ったことでした。

生えている木は照葉樹で、根元から何本にも枝分かれした南国風の木で、やまの景色がとても明るいのです。

今は、登山道も整備されて、山を削った階段などはありません。

でも、あちこちに山を直にいじった跡は残っていて、そんなのを眺めて想像するだけなのですけど。

今回は、城跡の山の近くなど登山道にやたら水仙を植えまくっていて、ちょっとサービスしすぎと言う感じでした。




それから海の近くは神社が多いです。

やはり漁業の町ですから海難事故も起こるのでしょう。

古い神社がたくさんあって、祈りの真剣さが違います。

清々しく掃き清められて、ごーごー吹く風に木が鳴って、神様の気配に鳥肌が立ちます。

神社の裏手には山肌を削った祠みたいなものもあります。

その辺全部がやわらかい岩で出来ているので、昔の人は簡単に細工していたのでしょう。

神社の階段なども、岩を削って造られていたりします。

今はすっかり磨り減って真ん中のあたりはコンクリで補修されているのですが、左右の端のほうは緑の苔がびっしりと生えて昔の階段が残っています。

「あー、昔にこの苔の階段を歩いてみたかったものだなぁー」

としみじみ思うのですね。


都営文京真砂アパート

2010-01-11 21:35:25 | その他
今頃になりましたが、あけおめです。

いろいろありまして、久々の更新です。

というわけで、「都営文京真砂アパート」です。

これは、文京区春日の交差点に建っているとても古いインパクトのある建物です。

ちなみに昭和42年に建てられたものだそうです。

下の方の階は文京区民センターや、地下鉄の駅、ショッピングセンター(今は廃れている)で、上の方がアパートで、当時は最先端の複合施設だったのかもしれません。

以前、神保町から後楽園、文京区役所、東大裏と歩いた散歩のときにも少し書いたのですが、その時はこの建物の正式名称を忘れてしまっていて漢字で縦書きの都営アパートとしか紹介できませんでした。

この写真はお正月、1月1日、元旦に車の中から撮ったものです。

初詣に神田明神へ行った帰りのことです。

東京はお正月に走るに限ります。

道には車がほとんど走っていません、ガラガラに空いていて東京じゃないみたいでした。

何か東京の裏側の異空間に迷いこんだみたいです。

そして、空気がきれいで、空がすごく青かったです。

いつもより長く感じた交差点の信号待ちで、

「この古いアパートがすっくと立っているのは2010年の空の下なのだなぁ」と、ちょと感慨深く思ったことでした。

なにしろ、交差点の反対側は、超かっこいい「文京シビックセンター」という文京区役所付複合施設で、対比がよいです。

区役所も”文京シビックセンター”と、カタカナで縦書きに表示したらユーモアの余裕を感じさせてもらえるのにと思います。



写真が大きくて自分で驚きました。字が見えないと思って大きめにしたら大きすぎました。


住所表示板

2009-09-12 23:18:20 | その他
最近はあまり出かけていないのでネタがありません。

それで散歩の部品のようなものを出してみようかと。

これは古い家に貼られていた古い住所表示板です。

角が錆びているのが趣深いです。

銀行がスポンサーになっているのが面白いです。

この銀行は地元で、今でもちゃんと営業していますよ。

国道254号線 川越バイパスの風景

2009-08-09 23:04:09 | その他
この土日は寄居に行って来ました。

寄居に行く時必ず通るのが国道254号線の川越バイパスです。

ここは以前はいつも渋滞していていやなところでしたが、最近は道を拡げたりして随分速く通り抜けられるようになりました。

ここは両側に、新車の販売店やファミレスやゴルフのショップやガソリンスタンドやユニクロや、ブックオフや、パチンコ屋や、ゲームセンターや、スーパー銭湯や会社や工場や、いろいろびっしりとお店が並ぶ、よくある感じの面白くもなんともない国道だったわけなのです。

でも、その面白くない眺めは、短い間にどんどん変わっています。

通るたびに変わっています。

今回すごいなと思ったのは、新車のディーラーさんです。

土曜の午前という時間、どこのディーラーさんもお客さんがいっぱい入っています。

特にホンダはどうしたの?っていうくらいの大盛況!!

プリウスがもう買えないからホンダなのかなって。

他のメーカーも、お客さんがいないディーラーってなかったと思います。

ワーゲンや、トヨタの最高級車のディーラーさんにもお客さんいました。

すごいなと思ったことです。

何しろうちはまだ新車を買ったことがないので、車というのは外に並んでいるのを選ぶもんだし、お店の人とは外で立ち話をするもんだと思っています。

パワーウインドや、オートロックのついた車には1回しか乗ったことがありません。

次に買うときは、せめてエアバックは欲しいと思うのです。



そんな車やさんの賑わいに反して、道沿いには閉店した店舗や建物が以前より多くなっているようでした。

2年ぐらい前からぼちぼち増え始めていましたが、そういうお店が新しくリニューアルして始まるということもなく、どんどん空き家が増えている感じです。

川越のバイパスを通るだけでも、世の中が見える気がします。








写真は気を取り直して、わたくしのお気に入りのファミレス「徳樹庵」の下足札とお部屋のインテリア。

今回はおなかが空いていたので、うっかりお料理の写真を撮り忘れたのだけど、ランチの鉄火丼(780円)がとてもよかったです。

ほんとに「徳樹庵」はえらい。

白鳥の飛来地 2

2009-03-02 10:58:53 | その他


この前は、川島の毎年白鳥が来て、町も看板を出して管理もしている白鳥飛来地に行ってきました。

ところが、埼玉北部の川には結構白鳥が来ているみたいなのです。

あれから、寄居に行く途中の花園橋を渡るときに川を眺めたら、白鳥らしい白いものが見えるのでした。

今回は花園橋のすぐ下にいるのが見えたのでちょっと見てみました。

橋のすぐ下、道からもすぐの所なので川岸はすぐそこです。

こういうところはゴミがいっぱいの汚い川岸になっています。

少し遠くにいるのを、「おーい」と呼んだり、手をたたいたりして呼びました。

そういう呼び方でいいのかどうかは分りませんが、他に思いつかないのでした。

白鳥がこちらを向いてゆっくり近づいてきたので、今度はパンの袋を見せて呼びます。

パンの袋を餌と認識したかどうかわかりませんが、やはり他に思いつかないのでした。

そして、だいぶ近くまで来たところで、パンをちぎって投げてみました。

すると、今度は完全に餌と認識したようで、急にスピードをあげて近くまでやってきました。



白鳥は4羽だけです。

親子のようです。

一番左の若いもんは気が強そうです。

くちばしを少しだけ開けて「ハー!」と、気合いの入った声を出します。

餌をはやくよこせ、か、自分に餌をくれ、みたいなことを言いたいらしいです。

親が食べると、しっぽのほうにかみつくしぐさをします。

白鳥もそんなにおとなしくて優しいわけではないようです。

2枚の食パンを4羽にあげたので、いいおやつになったのではと思うですが、足りないようでした。


川越 白鳥の飛来地

2009-02-16 21:31:44 | その他
冬になると埼玉には、何箇所か白鳥が来るところがあります。

川越の少し先、川島(かわじま)というところをいつも通るのですが、川越街道に「白鳥飛来地」という看板があるのです。

いつもちょっと気になっていたのですが、先日、とうとう行ってみました。

北海道に行ったときに、白鳥にパンをあげたことあったので、パンもちゃんと持っていきました。

そこは、看板が一つあって、臨時の駐車場があるだけでした。

駐車場の前の土手をあがって下りたら、枯れた背の高い草原で、草原を左右に分けるように細い道がついていて、ほんの10メートルくらい先が川原でした。

あまり広くはないけれど、小さい丸い石が並んだきれいな川原でした。

この川原は一見何のへんてつもないのですが、ごみが一つも落ちていないのでした。

川原というのはたいがい汚いものなのに、火を燃したあともなく、汚くなっていたりもしていないのです。

なんでもない場所に見えて、白鳥のためにちゃんと掃除をしたり管理をしてくれているのですね。



日曜日だったからでしょうか、中年の夫婦などが4,5組来ていました。(そういう私達も中年の夫婦だけど)

大きな望遠レンズのついたカメラを持ったアマチュアカメラマンも2,3人いて静かに盛り上がっているようでした。



白鳥は30羽から40羽くらいいたでしょうか。

人がいる川原の前にちゃんとみんなで浮かんでいるのでした。

パンをあげると、ここの白鳥は激しく先を争うようなことはしないのでした。

浅い水辺の最前列にはえらそうな白鳥が何羽か立っていてにらみを利かしているようでした。

このえらい白鳥は先にえさを食べる権利があるようなのです。

でも、白鳥はえさを食べるためにすばしこく移動したりしません。

その場所から首を動かすくらいで食べられる時だけ食べるのです。

だからえらい白鳥もえさを先に食べる権利はあるのでしょうが、届かない場所のパンは別のえさの近くにいる白鳥が食べるのです。

そういう時、えらい白鳥は少し怒った風にえさを食べた白鳥を見るのでした。


きらきら光る水面に浮かんだ白い白鳥と、川原では10数人のおじさんとおばさんが静かに相対しているのです。

風のない暖かな日で、のどかな平和な景色でした。


北海道旅行の後ろ側2

2008-12-21 23:38:14 | その他
ツアーのこと

3日バスに乗っていろいろなところに連れて行ってもらったのですが、観光のために立ち寄る場所は大きな観光地でお土産を眺めてトイレによるのがメインの活動なのでした。

この観光活動が、世の中でダサいとか言われて問題視されたりするわけですが、そういう団体活動のありようといったものも、私の見たいもののひとつではあります。

わたしは、平素は寂れた観光地を眺めることを目的としているので、そのわびしさ、時間の流れ、旅情を味わいたい。

ところが、バスが寄る観光地というのは、ちっとも寂れていないのです。

観光地の中のスターと言うようなよい観光地ばかりなわけです。

摩周湖など、「晴れた日に見られるのはとても運がよいのですよ。」と言われていても、展望台に出て写真を撮るとすぐにお土産コーナーに取って返すのですね。

もっとも、ほんの15分で景色を見て写真を撮ってお土産を眺めて買って、トイレに行かなければならないので、忙しいのですけど。

でも、なら、25分あったらどうなるかと言うと、時間が余ってお土産を山ほど買ってしまう人や、飽きて退屈そうにする人などが出そうです。

15分は、バス会社がお客さんを観察して見つけ出した絶妙の時間なのだと思うのです。

そして、その中に参加してしまうと、みんなが移動してしまうと何だか寂しくなって落ち着かないのです。

ちゃんと集合時間は聞いているのだからそれまではどこで何をしようと勝手なわけですが、目の隅にちゃんとみんなの姿を捉えているのですね。

何と言うのか、世の中はすごい速さで移り変わっているので、いち早く新しい旅行の型に移った人(個人旅行)がスマートみたいな価値感があり、新しい型を会得した人は旧式のツアー人(団体)を馬鹿にするところがないですか?

ツアーも、進化しているようですし、自分が参加していて、ツアーはダサいというのはいやだっていうのはありますが、ツアーもそれほど悪くないです。

全てお任せしている安心感やら、なんとなく出来てくる同じツアーの人達との交流や、一生懸命世話をしてくれる仕事の人たちを見たりするのもよいものです。

何しろお昼にビールを飲んだってかまわないのだし。

でも、周りを見て飲まなかったのだけど、そこには周りに配慮する快感があるのですね。

農耕民族を2000年やってきた日本人の血でしょうか。




知床のこと

移動中はガイドさんはちゃんと仕事をしてくださいまして、知床について一通りのことを教わりました。

4年前に世界遺産に登録されたわけですが、主な理由は流氷が来るという得意な場所だったからなのでした。

知床を世界遺産に登録して地元を活性化させよう、というような活動は平成3年から始まったそうですが、ただ開発して知床を一大観光地にしようというのとは少し違うようでした。

自然の残る知床を大事に観光資源化して、地元が儲かればもちろんよいけど、自然保護もアピールしていこうみたいな感じでしょうか。

アムール川から流れ出る真水がオホーツク海の海水を下が塩水で上は真水という2層構造にして海が凍りやすくなっているために流氷がくるのだそうです。

だから、オホーツクの海は潮の香りがしないそうです。

そういわれればそうかもしれないと思ったわけです。

その流氷も後17年後だったか? 温暖化の影響で来なくなるかもしれないといわれているそうです。

そんなこんなの知床知識、折々に少しづつ何回も教えてもらったので、よく分かって興味深くあたりを眺めることが出来ました。

ガイドさんの話題はNHKのテレビ番組みたいな内容だったと言えば言えるでしょうか。

そういう風に、知床についてちゃんとお客さんに伝えようとしているみたいだったと思うのです。



女満別の”メルヘンの丘”

メルヘンの丘は、多分国道だろうと思われる大きな道路沿いの、なんでもない畑なのでした。

言われてみれば、松の木が9本生えているなだらかな傾斜の畑は、上手に写真を撮れば素敵なのかも、と思えるのでした。

ガイドさんもこれを紹介するのに、とても恐縮して、「○○さんという写真家さんがこのあたりの風景を写真で紹介して有名になったもので・・」、見たいな説明でした。

写真ではきれいな景色でも、どうしても周りのいろいろなものが目に見えていますから、実際は「そう言われて見ればねぇ」てなことになっています。

ところが、今日の夜(12月23日)たまたまですが、黒澤映画の「夢」を見ていたのです。

そうしたら、メルヘンの丘がほんの2秒くらいですが映りました。

映画の中では初夏かと思われる季節でしたが、それはのびのびと明るい素晴らしい風景でした。

ガイドさんから、映画の「夢」に使われた景色と聞いていたので、見たらすぐに分かりました。

写真家という人は、ごちゃごちゃいろいろなものが見えている景色の中から素敵な部分をよく見つけ出すものだと感心したのでした。

それとも、平成2年の時は、本当に素晴らしい景色だったのかしら?などとも考えたのでした。

北海道旅行の後ろ側

2008-12-19 13:21:15 | その他
今回パックツアーなるもので北海道へ観光に行ってきたわけです。

でも、何かが違う感じなのです。

観光地にツアーで行く観光ってものは、こんなんじゃないはずでした。

全体的に何もかもがすごくグレードが高いのです。

まず割と身近で世話をしてくれる役の添乗員さんが、物腰穏やかではきはきと話をして、まめまめしく気の付く非常に頼りになる人でした。

お客を観光スポットでバスから降ろすと、あちこちに散らばった羊を集める羊飼いのように目を光らせ、集合時間が近づくとそれとなく声をかけ、最後の一人をどこからか連れてきたりしているのです。

なので旅行の予定は、とてつもなく正確に実行されていきました。

もっとも、北海道は渋滞はないし、信号はないし、バスは予定どうりに走りやすいのは確かだと思いますけど。

バスのガイドさんつき観光というのも久々でしたが、少人数なのに長い道中を飽きさせないように観光情報だけでなく、地元の情報なども取り混ぜて面白い話題を提供してくれました。

私の中ではバスガイドさんは土地の民謡を歌ったりするものでした。

今時は民謡なんかは歌わないようです。

えっそれって古すぎるって。


女満別の人口は6000人で小学校が2校あるって言ってました。

広い所に散らばって住んでいるのでスクールバスが出ているのだそうです。

でも、自分の車で送り迎えをする人も多くなってスクールバスには少しの子供しか乗っていないそうです。

それから、遠足の時など観光バスで出かけるのですが、児童の親に「どういう風に楽しませてくれるか見せてもらうわ。」みたいに言われるそうです。

そんな地元ネタもちょこっと話してくれました。


もちろん一部の親だと思いますが、昔はそんなことを言う人はいなかったでしょう。

今時の親はえらいんですね。いい仕事をしろよ、みたいなことをバスのガイドさんに言うんですね。

北海道の人も、もう素朴な田舎の人ではないのだと思いました。

いえ、田舎者扱いしているわけではないんです。

寄居にもよく行っているので、寄居の小学生が朝、集団登校するところを見るのですが、きちんと一列に並んで、道で会った人には大きな声で挨拶をしているのです。(挨拶をされたのは私です。)

埼玉の子供達はまだとてもえらいのです。

東京のうちの近くの小学生とは全然違うわけです。(うちの子供が通った学校なのだけど)

見たわけではありませんが、子供がえらいと親もえらいのではないかと思うわけです。

情報化社会だからなのでしょうか。

東京と地方は、違うようでいて人の意識は同じように変っていっているのかもしれないとおもったのでした。

日本中のある部分が、同じように変化してきているのを感じたのでした。


ところで、

おみやげというものは、大昔は”何とかまんじゅう”と”何とかせんべい”、少し昔は”何んとか村のまるまるクッキー”や”何とかおばさんの野菜サブレ”とかでした。

そして、過大包装で、消費期限のはんこがいい加減に曲がって押されていたりするのでした。

本編にも書きましたが、今の流行は、”生キャラメル”と、じゃがポックル”限定品!!なのでした。

なにやらお土産も高級化しているようなのです。

生キャラメルは要冷蔵で消費期限も短かそうです。

北海道と言えば、”白い恋人たち”だったのに。

いや、今でもばりばり健在で高級だけど、今回はちょっと影が薄くなっていましたね。

でも、今回、私的には、白鳥公園の”白鳥にあげるパンの耳100円”の売り場で、ちょっと目にとまって買ったロマンス製菓の”甘酒キャンディー”が一番です。

もう本当にクリーミーで味も香りも甘酒そのものです。

地味なパッケージでおみやげとしての押し出しはありませんでしたが、真面目な正しいやさしい味なのでした。

というか、最初からお土産ではないようですね。

地元のコンビニには198円で売っているようです。

ロマンス製菓という名前は、何かちょっといかがわしい感じです。

いかにも地方でお土産とか作っていそうな2流な感じですが、調べてみたら、歴史も古く地元で長くお菓子を作っている由緒のある会社のようです。

ロマンス製菓ね、あー急に何か歴史とロマンを感じるよい名前のような気がしてきました。

つい、名前だけでで勝手に変な風に誤解して思い込む癖があります。気をつけなくっちゃと思います。

それで、考えた末に、ネットショップを検索して10個ばかり買ってしまいました。

本当なら、「あの時は思いがけずにおいしい飴があったわねぇ」なんて、余裕の思い出話をするのが理想なのです。

本体を取り寄せてしまっては旅の思い出にならないじゃないですか。

そして、たくさん食べ過ぎて飽きて普通の飴にランク落ちしそうな予感があります。

今までも、飽食の日本で、そうやっておいしいものを狭めて、失ってきてしまったのではなかったか。

また、同じ愚行を繰り返すことになってしまったのでした。

北海道旅行

2008-12-17 15:17:35 | その他
旅行会社のパックツアーで北海道は知床・網走2泊3日の旅、というのに行って来ました。

今回は次男を連れての親子3人です。

団体旅行のようなものは、大昔に行った修学旅行とか、社員旅行とか以来かもしれません。

でも、パックツアー=団体、かと思うとそうでもありませんでした。

着いた日は、私たちの他には関西から来たという熟年ご夫婦が一組でしたから、総勢5人で50人乗りの大型バスで知床へ向かったのでした。

翌日は朝の8時から最初の観光プログラムが始りました。

少し走ると、バスは雪の坂道の途中で止まり、私達5人は道に降ろされて、「それじゃ行ってらっしゃい」とバスは行ってしまいました。



これは、フレペの滝という、海辺の断崖からいきなり流れ落ちる滝を見に行く約1,5キロの雪上散歩でした。

ちゃんとネイチャーガイドさんも付いてくれて、万が一熊が出ても大丈夫というものでしたが、熊は出ませんでした。

気温は-5度とか。

でも、すごい厚着をした上に、靴の中にもホカロンを装着していたのでちっとも寒くありませんでした。





鹿を間近で見たり、雪の上にはたくさんの動物の足跡があり、ガイドさんの話も面白くて、とても楽しい散歩でした。

メインのフレペの滝は、「乙女の涙」とも呼ばれているそうで、そんな名前では大した滝ではないだろうと思っていたのですが、どうして、崖からいきなり海に注ぐ様子はなかなかのものでした。(半分以上凍っていた)

朝の冷たい空気は気持ちよく、耳の横で鳴る風の音も久しく忘れていた音でした。

それで、あーもうちょっと歩きたいな、というところでバスの待つ自然センターに着いてしまったのでした。


あと、面白かったのは、北海道は中国からの観光客がたくさん来るらしくて、どこの施設にも中国語の表示がたくさんあることでした。

トイレの使い方などには、特にたくさんの注意事項があるらしくて、何行も書かれた大きな掲示が目に付きました。

トイレットペーパーのことは”衛生用紙”というらしいです。

全部漢字なので、おおよそのことは分かる気がするのです。

つい、何て書いてあるのか解読し始めたりしてトイレに長居をしたのは私だけでしょうか。

そんなこんなでいろいろおもしろいことだらけなのでした。






ツアーだの団体だのというのは、世間には冷たい視線で眺める向きもあるかもしれません。

団体旅行のかっこ悪さとか、あるのかもしれませんが、3日目に一緒だったおじさんばかりの団体さんも、朝はちゃんと挨拶をしあうし、エレベーターは静かに待っていたし、ちゃんとした人たちでした。

網走監獄の見学の時はガイドさん付きでまわった40人の団体さんでしたが、腰の曲がったおじいさんは速いペースで回るコースに歩くのが大変そうでした。

農閑期に休養に来た農家の人達なのかな、と思いましたが、長い間重労働をしてきた体なのでしょう、それでも遅れないで黙ってみんなと一緒に歩いていました。

昔の人は根性が違うのでしょうね。

根性といえば、網走監獄には桁違いの根性の人がいたようで、伝説のように語り伝えられています。

網走監獄はとっても面白いところでした。



そういうわけで、旅行者が楽しく安全な旅を満喫するために、当たり前だけどたくさんの人が働いているのでした。

飛行場で迎えてくれる添乗員さんも、バスの運転手さんやガイドさんも、旅館の人も、みんな本当に一生懸命誠意を持って世話をしてくれるのでした。

バスで巡る旅というのは、知らなかったのですが、朝、旅館を出発する時に宿の人たちは玄関で並んで見送りをしてくれるのですね。

-5度とかの外に短時間とはいえスーツ姿で出て見送りをするのです。(あっでも、私ももし旅館で働く人だったら寒ければ寒いほど力が入るかもと思うけど。)

雪上散歩のネイチャーガイドさんもバスが見えなくなるまで手を振ってくれましたし、お昼を食べたおすし屋さんも5人だけなのに出てきてお見送りをしてくれました。

そうすると、バスのガイドさんがさりげなく、「お店の方がお見送りに出ていますので手を振ってあげてくださいね。」と、教えてくれるのですね。

個人で勝手に行く旅行ではそういうことは全くないので感動するほどではないにしても面白いしよいです。



それにバスの中では、有力お土産情報なども詳しく教えてもらえるので(営業をしているとも言うかも)、どこで何を買えばよいのか分かって本当に助かるのです。

今、北海道ではよしたけさんの生キャラメルというのが人気NO1で、限られた場所でしか売っていないし入荷してもすぐに売り切れるのだとか。

人気NO2は、カルビーが作っている”じゃがポックル”というフライドポテトのお菓子。

どちらもお1人様何個という購入制限つきの限定品なのでした。

じゃあお土産はそれだね、ということで買い求めましたが、おかげでどちらも女満別の飛行場で順調にに買えたのでした。



パックツアー、いいです。

個人旅行では考えられないことだったのですが、思いがけず多くの人と触れ合うことになりました。

やっぱり同じツアーの人たちとは仲良くしようって思いますしね。

旅館もご飯もお風呂も文句ないです。

日本人は本当によい仕事をする真面目な人達なのだと改めて思ったのでした。

不景気だし、いやな事件を毎日目にするこのごろですが、みんな頑張って働いて日本を支えています。

北海道の人たちにはそういうわけで大変お世話になったのでした。