これは、懐かしいものを懐かしがりたい、今の世の中の空気に関係あって、道徳教育とは直接の関係は無いんです。
でも、ずーと前から思っていたことです。
まさか、こんな教育テーマのブログを自分が始めると思わなかったし、ここで書く気になったのも何かの縁。
すみません。お付き合いください。
私も、昭和の人間で、昭和時代が懐かしくて仕方ありません。
全自動洗濯機や、食器洗い機、冷凍冷蔵庫、エアコン、あれもこれも素晴らしい家電に囲まれて、今、ものすごく便利で幸せです。
頭はそう思う。
でも、気持ちはちっとも幸せじゃない。
昔は幸せだったのか?
昔は、もっと幸せじゃなかった。
ただ、未来は幸せなんだろう。と思っていた。
私は、中学生の時に、親と浅草へ行ったとき、たまたまやっていた見世物小屋へ入ったことがあります。
もう、30年以上前のこと。
狭い間口で、汚い映画館みたいにペンキで描いた、蛇女の絵や何か分からない妖しい看板の間に、小人(こびと)のおばさんが座って呼び込みをしていました。
「親の因果が子に報い、なんたら、かんたら・・」と言う、あれだったと思います。
頭が2つで体がひとつの双生児の姉妹だとか、蛇女だとか、それから何だったのか・・・?
小人のおばさんは、上手に人を誘うのです。
おばさんの横には小さい入口があって、黒い布が下げてあった様に思うのです。
そのころで、一人500円払ってドキドキして中に入りました。
小さい入り口をくぐり、暗闇に踏み込む気持ちは特別です。
どのような異界に続くのか?
薄暗い観着席は、土間でぬかるんでいて、立ち見です。
丸太のようなもので、即席にこしらえた手すりにつかまって、前方の舞台を見るのです。
地面より少し高くなっているだけの、人の腰ほどの高さの小さな舞台です。
その、舞台にだけ電気がついていて明るく照らされているのです。
お客は10人もいたでしょうか?
足元のべとべとする、暗い客席から舞台を見ていると、
舞台の幕は開いたままで、きちんとした挨拶のひとつも無く、横のほうから出てきたおばさんが舞台によじ登って、「じゃあ始めるから。」みたいに始まったのです。
おばさんは、赤いつるつるした光沢の生地のレオタードを着ていました。
腰のところに小さいスカートがひらひらと付いたデザインの。
でも、そのときは冬で寒かったせいでしょう。おばさんは下にジャージをはいていました。
ジャージと赤いレオタードが舞台衣装なのです。
最初はなんだったのか? 順番も良く覚えていません。
舞台の上には、大きなニシキヘビがいました。蛇女の出し物なのでしょう。
着物を着て背中にうろこがあって、口をくわっと開けた女ではないのでした。
おばさんと、とぐろを巻いたニシキヘビでした。
でも、ニシキヘビは本当に大きくて驚きました。
お客に「ほら、触ってみな。」なんて声をかけて、お客が恐る恐る触ったりして、蛇は終わりました。
おばさんは手早く、蛇を舞台の袖に片付けました。
次は、頭がふたつで、体がひとつの双子の姉妹です。
恐ろしい因縁の結果生まれた、と言うような説明の後、それは出てきました。
おばさんが舞台の袖の幕の影から、なにやら布に包まれた一抱えほどの物体を持って来ました。
舞台の中央で、勿体をつけて開けた包みの中からは、
なんと・・・
まあ・・・
あの・・
それ・・
(勿体をつけております。今しばらくお待ちください。)
ハイ!
牛の子どものミイラでした。
奇形児の牛のミイラ。ひとつの胴体に、頭が本当に2つありました。
女の子だそうです。
はぁー。
そんなこんなものが、それからもいくつか出たのですが、
はっきり覚えているのは、この2つだけです。
つづく
でも、ずーと前から思っていたことです。
まさか、こんな教育テーマのブログを自分が始めると思わなかったし、ここで書く気になったのも何かの縁。
すみません。お付き合いください。
私も、昭和の人間で、昭和時代が懐かしくて仕方ありません。
全自動洗濯機や、食器洗い機、冷凍冷蔵庫、エアコン、あれもこれも素晴らしい家電に囲まれて、今、ものすごく便利で幸せです。
頭はそう思う。
でも、気持ちはちっとも幸せじゃない。
昔は幸せだったのか?
昔は、もっと幸せじゃなかった。
ただ、未来は幸せなんだろう。と思っていた。
私は、中学生の時に、親と浅草へ行ったとき、たまたまやっていた見世物小屋へ入ったことがあります。
もう、30年以上前のこと。
狭い間口で、汚い映画館みたいにペンキで描いた、蛇女の絵や何か分からない妖しい看板の間に、小人(こびと)のおばさんが座って呼び込みをしていました。
「親の因果が子に報い、なんたら、かんたら・・」と言う、あれだったと思います。
頭が2つで体がひとつの双生児の姉妹だとか、蛇女だとか、それから何だったのか・・・?
小人のおばさんは、上手に人を誘うのです。
おばさんの横には小さい入口があって、黒い布が下げてあった様に思うのです。
そのころで、一人500円払ってドキドキして中に入りました。
小さい入り口をくぐり、暗闇に踏み込む気持ちは特別です。
どのような異界に続くのか?
薄暗い観着席は、土間でぬかるんでいて、立ち見です。
丸太のようなもので、即席にこしらえた手すりにつかまって、前方の舞台を見るのです。
地面より少し高くなっているだけの、人の腰ほどの高さの小さな舞台です。
その、舞台にだけ電気がついていて明るく照らされているのです。
お客は10人もいたでしょうか?
足元のべとべとする、暗い客席から舞台を見ていると、
舞台の幕は開いたままで、きちんとした挨拶のひとつも無く、横のほうから出てきたおばさんが舞台によじ登って、「じゃあ始めるから。」みたいに始まったのです。
おばさんは、赤いつるつるした光沢の生地のレオタードを着ていました。
腰のところに小さいスカートがひらひらと付いたデザインの。
でも、そのときは冬で寒かったせいでしょう。おばさんは下にジャージをはいていました。
ジャージと赤いレオタードが舞台衣装なのです。
最初はなんだったのか? 順番も良く覚えていません。
舞台の上には、大きなニシキヘビがいました。蛇女の出し物なのでしょう。
着物を着て背中にうろこがあって、口をくわっと開けた女ではないのでした。
おばさんと、とぐろを巻いたニシキヘビでした。
でも、ニシキヘビは本当に大きくて驚きました。
お客に「ほら、触ってみな。」なんて声をかけて、お客が恐る恐る触ったりして、蛇は終わりました。
おばさんは手早く、蛇を舞台の袖に片付けました。
次は、頭がふたつで、体がひとつの双子の姉妹です。
恐ろしい因縁の結果生まれた、と言うような説明の後、それは出てきました。
おばさんが舞台の袖の幕の影から、なにやら布に包まれた一抱えほどの物体を持って来ました。
舞台の中央で、勿体をつけて開けた包みの中からは、
なんと・・・
まあ・・・
あの・・
それ・・
(勿体をつけております。今しばらくお待ちください。)
ハイ!
牛の子どものミイラでした。
奇形児の牛のミイラ。ひとつの胴体に、頭が本当に2つありました。
女の子だそうです。
はぁー。
そんなこんなものが、それからもいくつか出たのですが、
はっきり覚えているのは、この2つだけです。
つづく