突然思い出したのだが、真船一雄という漫画家がいたことを……。ドクターK、か何かを描いていた。ブラックジャックがケンシロウになったような感じの風貌であったが……。この頃のマンガの倫理観があたえた影響は、最近顧みられないが、案外重要かもしれない。
この30年ぐらい、作品のある意味でのリライトというものがかなり進行していて、われわれがいろいろなことを忘れたのはそのせいもある。
そういえば、真船氏はウルトラマンの漫画化もしていたはずで、たしか以前少し読んだことがあるが、これも最初に円谷がつくっていた特撮とはまったく質の違うものであった。
戦前が戦後によって解釈されたことはいろいろ言われているが、戦後を平成が解釈したこともちゃんとこれから言わなくては……。それをやったうえでないと、戦前のなかから可能性を脱構築的に引き出すなど、ただの恣意的なものになりかねない。