塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 妖怪退治伝 謡本

2014-06-06 05:42:34 | ミュージアム巡り_2014
 次は江戸前期の写本で、謡曲の詞章や節付けを記した「謡本」。
 ここでは、大物浦での遭難を素材として作られており、登場する
怨霊は最後まで源氏と戦い抜いた武将、平知盛だ。また、壇ノ浦の
合戦では碇を担いで海へと身を投じる壮絶な最期を遂げている。

 次の絵は、嵐の中で読経する弁慶の様子が描かれている。これは
享保20年(1735)に出版された謡曲に関する絵入り本「謡曲画誌」。
 もう1点、「舞の本」のうちの「笈捜」。

 奥州を目指して北陸道を行く義経一行は、様々な危機が迫る。安
宅関を越え海路を取った一行は、直江浦の沖合で再び大嵐に遭う。
波間に目にしたのは赤旗を掲げる平家の軍船。
 その船には義経に死に追いやられた平宗盛や能登守教経ら平家の
怨霊だった。二位尼は安徳天皇を抱いたまま入水しそうな様子。
 ここで弁慶は、彼らが成仏出来ずに彷徨っていると考え、来世に
導く仏の教えを説く。それを聞いた二位尼は海の底へと消えていっ
た。
(国立公文書館 千代田区北の丸公園3-2)


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