NPO九州森林ネットワーク

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コレステロールについて

2005年03月14日 13時15分28秒 | <日々徒然・イベント>
 コレステロールの例えと大根の間引きの話を引用しての枝廣さんのこの講演は、今回のこのNPOサミットには所用にて出席できませんでしたので聞けませんでしたが、以前他のイベントの中で同じ内容の講演を聞いたことがあります。
 山村(林業地)にあって将来に明光を見出せない現状にあって、言葉をもたず山側の置かれた現在の状況と森林に対する思いを町側の人達にうまく伝えることのできない山側の私たちからすると、森林・木材のことをもっと理解してもらうために分かりやすい様にとこの言葉を引用し話していただいたのではと思っており、ある面では感謝すべきところもあるかなと思っています。
 私自身ドクターから毎年定期健康診断にてコレステロールが高い(数値にして260)といわれており気にするところですが、しかし、善玉が半分占めているので薬療法でなくて食事に気を付け運動すれば心配ないと忠告を受けています。
 言われるように深く考えて見ますと、植栽してから50~100年の時を費やし、二代、三代の人の歴史の変遷を経てやっと建築材として使える様になる、森林・木材は、コレステロールや1年で収穫できる大根とでは、価値観の違いはものすごくあると思います。
 今回のこの枝廣さんのこの例えの引用については、舌足らずの面があるのか、もしくは、森林・木材に対する理解力が本当はどのくらいあるのかと言うことを疑問に感じる向きもあります。
 一般の人達に、それも町側の人達に端的に理解してもらう言葉とすれば、まあまあの引用ではないかなと感じます。要するに表面的な上辺だけの理解を求めるのでなくして、もっと深く入り込んだ本質的な部分の話もすべきだったと思います。
 京都議定書による森林の果たすCO2吸収の役割は、経済林としてのみならずもっともっと重要視されることと思います。この様な中にあって今いろんな所でいろんな人が多面的に価値ある森林を守るために講演を頂いており、思いは持ちながら、相手に理解を求めるための手法の下手な私達山側からすると感謝すべきことだとは思っていますが、誤った見解・認識をもたれる様な話の内容では困ります。
 要するに私達山側がおかれた現状をもっと理解し、町側の人達に目を向けて森林・木材を守るための手法、思い、言葉を明確に持つことが大事だと感じます。
 先ほど話しました様に私自身コレステロールが高いということですが、日頃生活する上においてはきつい、お腹が痛いとか症状があるわけでもないし、なんら変わりはない訳で、ドクターから診断を受けると気になるし、それもこのまま用心せずに放置していると将来高齢になって成人病がでるとかそんな心配があります。だから、ドクターから忠告を受けた今から用心、節制し、ずっと健康体であり続けたいと思いを持つ様になってきました。
 森林のおかれた状況も同じようなことが考えられる様な気もします。木材価格も安い安いといいながらもそれなりの価格で推移してきて、昭和49~52年代には1㎥当り40,000円平均くらいの木材価格であって、今の市況に比べると信じられない高い価格なんですが、まだこの先、もっともっと木材価格は上昇するだろうという安易な考えに、林業地の誰もが埋没していたのではないか、将来予測される出来事を的確に判断することができなかった、知ろうとしなかったのではないか(私もドクターから忠告を受けて初めて健康に気をつけるようにうなった)。
 山の健康がおかしくなってきた時において、森林の大切さ、国産材の良さ、山で働く人達の重要性、森林を守り育てることの大切さが見えてきた。手遅れなのか、いや、まだ薬を飲んで養生すれば直るのか、それが今の状況ではないかと思います。話がながくなりましたので、続きは次回にて。

(上山/上津江)