-まず、昨日のおさらいから始めようか。ポルトガルはリスボンの刑務所では、服役囚28名が、玄米菜食で、その言行がすっかり変わってしまった話であった。
看守にアクタイをついていた服役囚たちが、玄米・野菜食を食べるようになってからは、看守と挨拶をかわすようになり、外出許可を与えても、逃亡しないで戻ってくるようになったという話であったよな。つまり、彼らは、模範囚になった。それから・・・・なんだったけ?
-そして、刑期が短縮され、2年で全員が釈放されてしまったということさ。
玄米菜食は、スゴイの一語につきるね。食物には恐ろしい力が秘められているわけだ。これほどの食物パワーは、世間ではあまり知られてないんじゃないか。日本の栄養学、医学・医療は、食物のこうした面を無視している。
◆食物パワーは運命を変える
-食物は、人をダメにし、あるいは人を生かす。病気にするのも食物、病気を治すのも食物だ。考えや行動を変えるのも、食物なんだ。食物は、たんにカロリーとか栄養素を補給するだけのものではない。人生をよくも悪くもするのが、食物というものだ。食物には、恐ろしいほどのパワーが秘められている。 まさしく、水野南北がいうとおり、食は運命を変えることもできる。
何だね、その水野南北っていう人は。どんな人かね。
-水野南北は、江戸時代の人で、観相家なんだよ。つまり、運命鑑定家だ。水野南北は、食物が運命を定めることを喝破したんだ。彼は『相法脩身録』という本を著したんだが、それには、こんなことが述べられている。「富貴貴賤、長生きと若死に、苦しみや楽しみ、それに立身出世や個人の事象などは、すべて飲食の慎みにあるといっても過言ではない」と。
さきのリスボンの刑務所の服役囚の変身は、まさに、この水野南北の言を証明したということか。
-まさに、その通りだよ。さて、犯罪と食物の関連を考えてみようか。
おもしろそうだな。どんな話かね。
◆食物は犯罪者をつくる
-こんな本がある。A・Gシャウスというアメリカの犯罪研究学者が著したものだが、そのタイトルは『栄養と犯罪行動』。大沢博氏の翻訳で、ブレ-ン出版からでている。
どこかで聞いたことがあるような気がするけれど・・・。
-この本には、犯罪者そして非行少年・少女と、食物との関連が紹介されている。
たしかに、犯罪と食物はつながりがあるよな。リスボンの刑務所の服役囚の変身が、そのよい見本だろう。
-シャウスは、つぎのようにいっているのだ。「現在まで、多人数の犯罪者の加工食品食事を減らし、栄養素が豊かで化学処理されていない食事を提供するという研究で、そのような食事変化が、反社会的行動の率に、測定可能な低下をひき起こさなかったことを示さなかったものは、世界中に一もない」と。
その説明では、よくわからないね。解説してみてくれよ。
-かいつまんでいえば、こういうことだ。加工食品を減らして、栄養の多い食事を犯罪者に与えると、必ず、犯罪が減るということだよ。
なるほど。犯罪の背景には、栄養不足の食事があるということか。
-そのとおりだよ。この続きは、明日にしよう。
明日の楽しみとするか。