「食べ処・身土不二」(札幌)は、身土不二を日本と世界へ発信する。食堂ならぬ食堂、啓蒙運動の発信地。日本よ、滅びるな!

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朝食は、食べなくても、大丈夫である

2007-07-05 04:44:26 | Weblog

 
 1日3食は、多すぎるともいえる。
 とりわけ、朝食は不要なのではなかろうか。

 2007年6月10日「プラスの栄養学」と「マイナスの栄養学」で紹介したことだが、「現代の仙人」は、1日1食で、しかも野菜ジュースを飲むだけである。
 
 
飽飲・飽食に慣れた人々にとって、「現代の仙人」の食事は、無理であろう。
 
 だが、1日1食は無理でも、1日2食は、このブログの筆者の経験からも、それほど我慢しなくてもできる。
 

 ところで、1日2食の人は、朝食を取らないことが多い。   
 とりわけ、西式健康法を実行されている人々は、朝食をとらない。 

  
栄養士と医師は朝食をすすめるが、朝食は身体に有害という論者が、甲田光雄医博(八尾市)である。

  甲田光雄監修・東茂由著『長生きしたければ朝食は抜きなさい』(KAWADE夢新書)には、朝食不要論が紹介されている。

 同書35ページには、朝食必要論の根拠が挙げられているが、それを要約すると次のようになる。
 
 脳はたいへんエネルギーを消費する器官である。
 そのエネルギーは、すべて(100%)ブドウ糖を使って生みだされる。そのブドウ糖が、睡眠中に消費されてしまう。それを補うのが、朝食である。したがって、朝食をとらないと、思考力や活動が鈍ることになる。

 たしかに、朝食をとっていると、脳はブドウ糖を消費するが、朝食をとらないと、脳はブドウ糖だけでなく別の物質を使うことが、カナダのオーエンス博士によって明らかにされた。前掲書には、次のように紹介されている。

  断食中(朝食抜きは一種の断食)に、エネルギーとして脳が使う諸物質の中で、ブドウ糖はたった30%にすぎない。だから、脳にはブドウ糖が100%必要という医学者・栄養学者の見解は、オーエンス博士の発見に反することになる。

「朝食を食べないとスタミナがでないという考えも、朝食抜きを実践したことがないゆえです。慣れないうちは体に力がでないように感じるでしょうが、1~2か月もつづけて慣れてくると、朝食を食べていたころよりもスタミナがついてくることを実感します」(前掲書38ページ)

 ちなみに、このブログの筆者は、このところ1日1食で過ごすことが多い。この30年間、朝食を食べずにきたが、これまでのところ支障なく生活している。 
  
 いまひとつ、朝食は不要というよりは、朝食は有害であるという甲田医博の見解を挙げておこう。

 午前中は、体内の老廃物を排泄する時間なはずなのに、朝食をとると、その排泄作用が止まってしまう。

「空腹になると、腸は蠕動運動を亢進させて,モチリンと呼ばれる消化管ホルモンがでてきます。この物質は、腸の運動を活発にして、腸管内に残っている内容物を排泄するために分泌されるものです。(中略)モチリンは通常、空腹が8時間つづくとでてきます・・・」(前掲書41ページ)

 朝食をとって空腹でなくなると、このモチリンの分泌が止まってしまい、排泄が止まってしまう。このことは、カナダのブラウン博士が発見し、群馬大学の伊藤漸教授が内視鏡で確認されていると、前掲書41ページは述べている。

 排泄が止まるということは、便秘の原因になりかねない。
 
 
ところで、1日3食は、必然ではなくて、政策的な要素がからんでいる。
 
 米を増産するため、新田開発が戦国時代から始まった。
 江戸幕府の奨励もあって、各藩はさかんに新田開発を行った。

 その結果、江戸中期ともなると、米が余るようになった。その米余りを解消するための米消費拡大が、1日3食の素地となった。ちなみに、江戸時代の中頃までは、朝食抜きの1日2食であった。


 さて、周知のように、わが国の食糧自給率はカロリー換算で40%である。
 
 1日3食から(朝食抜きの)2食になっただけでも、食糧自給率は、大きく向上する。

 さらには、レスター・ブラウンが言うように、世界的規模で予想される食糧不足に備えるにも、1日2食は、全人類へ貢献するに違いない。

食物の生産量を増やすこと」だけでなく「食物の消費量を減らすこと」も、食糧自給率の向上策となる。