(前回の続き)
ー今日は、タヌ子の話の最終回といこう。
どんな話なんだい。
ータヌ子のことを話す前に、玄米を食べると、毒殺するのは容易でないという話をしよう。
何だね。物騒な話だな。
-むかし、藩主の毒殺を防ぐために、毒見係がいた。殿さまに供する食事を、家来が毒味して、殿の毒殺を防いだのだ。
なるほど。ところで、毒殺の話が、タヌ子とどうかかわるのかね?まさか、タヌ子が毒殺されたとでもいうのかね。
-さきに結論を言えば、タヌ子は、玄米菜食をしだしてからは、毒殺しようともできないくらい、毒物を排除する能力が高まったということだ。
よくわからないね。
-つまり、前に話したことだが、タヌ子には、玄米に少量の鶏肉を混ぜて食べさせていた。あるとき、それまで買っていた肉が品切れしたので、別の肉を与えたことがあった。すると、アトピ-模様の症状をあらわして、かゆいのだろう、前足の毛を口で引きちぎってしまうのだ。むきでた皮膚を掻いたり、なめたりして治そうとする。
なるほど。何か薬剤が使われていて、それが、悪さをするのだろう。
-元の肉へ戻すと、かゆがる症状は消えてしまう。
なるほど。
ー前の飼い主のところでは、肉を変えても、アトピ-模様の症状が現われることはなかったんだ。
玄米食に変えると、毒物に敏感になるということか。毒物検知のリトマス試験紙みたいなものだな。
-まあ、そういうことだ。むかし、三重県で毒ブドウ酒事件というのがあった。誰かが、農薬をブドウ酒にまぜたんだ。それを7名の人々が飲んだところ、1人だけ助かって、あとの人々は毒に当たって亡くなったんだ。
なぜ、1人だけ助かったのかね。
ー助かった方は、飲んだブドウ酒をはきだしてしまったんだ。他の人々は、はかなかったんだ。
なるほど。はきだしたので、毒が身体にまわらなかったというわけか。
ーその通りだ。はきだした方は、玄米食であったのだ。他の人々は、白米食であったんだ。
やはり、玄米を食べていると、毒物を感知し、毒を排除する能力が高まるというわけか。たしかに、玄米食者を毒殺するのは、難しいな。
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