最近、サプリメントを用いる人々が増えているようである。サプリメントは、人工的で極端な部分食である。
部分食がダメなことは、さきに紹介したスエーデンでの実験で証明済みである。くわしくは、2007・6・25「まるごとの食事で高血圧を治す]をご覧いただきたい。
なお、食事は全体食でなければならないことは、2007・7・4「アメリカ政府は一物全体食を取り入れ始めた」でも触れておいた。
サプリメントは、単独の栄養素あるいは個々の栄養素の組み合わせで栄養不足(部分食の結果)を補おうとするものだが、とうてい「食物の全体性」に勝るものではない。
ところで、なぜ、部分食はダメなのか。
桜沢如一『生命現象と環境ー身土不二の原則ー』(日本CI刊)に、つぎのような解説がある。穀物を精白することで失われた無機塩類(ミネラル)および有機物を、他の副食物で補おうとしても、その「配合が完全にいかなくなる」からであると。
たとえば、白米・白パンという部分食を、サプリメントで補おうとしても、諸栄養素の「完全な配合」にならない。つまり、白米・白パン+サプリメントは、玄米・玄麦パンに及ばないということである。
そもそも、部分食という欠陥食事を、サプリメントという人工的な部分食で補おうことが、間違いである。
たしかに、サプリメントは、用い方ではそれなりに効果があろう。だが、必ずしもプラスの効果ばかりでない。マイナスの効果もないではない。例えば、過剰だと害になる。しかも、適量を決めるのが難しい。個人差、年齢、性別、季節、体調、労働強度、疲労の程度などで、適量が異なるはずである。
現代医学も現代栄養学も「健康の秘訣は全体食にあり」ということを無視してきた。また、政府の政策も、全体食を捨て去ってきた。こうした誤りが、サプリメントを必要にさせているともいえる。
そもそも、サプリメントを必要とするのは、食事に何らかの欠陥があるからである。きちんとした食事をして、サプリメント不要の生活をすべきである。