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身土不二啓蒙運動vs.農産物貿易
日本が、拝金社会になって久しい。
拝金社会とは、すべてが、金に呪縛される社会のことである。
「食べ処・身土不二」(札幌)は、「身土不二の原則」を世に訴えてきた。
これまで継続できたのも、ボランティアの献身、カンパ、声援、「無声の声援」のお陰である。これらの支援は、拝金とは逆、「無償の行為」である。まことに有難いことである。
そもそも、生存法則・生活原理である「身土不二」は、拝金とは無縁である。環境の異なる地で生産される農畜産物は、食べてはいけない。反すると、健康が損なわれるというのが、「身土不二の原則」である。
この「原則」に最も反するのが、農畜産物を遠隔地へ転がす農産物貿易である。金儲けのために、各国の農業と伝統食をつぶしてきたのが、この農産物貿易である。
「身土不二」の提唱者は、農産物貿易に反対せざるを得ない。
「身土不二」には、金儲けに無縁、しかも競争というものはありえない。
だが、農産物貿易には、金儲けと弱肉強食の競争がある。
金儲けを否定するのが、「無償の行為」で支えられる「身土不二啓蒙運動」である。
ところが、「運動」を進めるには、運動諸費をまかなうために金儲けをせざるを得ないとは!? これは、皮肉というか、逆説というか、何という矛盾だろう。