今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

自衛隊統合幕僚監部の「南西シフト策定」文書の改竄と隠匿の目的について―「日米の『動的防衛協力』について」の原本と開示文書を対照する!

2018年08月26日 | 自衛隊南西シフト

「統合幕僚監部文書」の改竄問題は、イラク日報の隠蔽文書以上の重要問題!

2018年3月30日、日本共産党の穀田恵二衆院議員の国会質問において明らかになった、「日米の『動的防衛協力』について」という自衛隊統合幕僚監部の防衛政策(南西諸島防衛)に関する公文書の改竄は、決定的に重要である。メディアでは、この後、防衛省のイラク日報の隠蔽問題に全ての報道が占有されているが、イラク日報の隠蔽の「歴史的解明」が重要だとしても、この南西諸島の防衛政策文書の改竄・隠匿は、それ以上に重大な問題だ。なぜなら、この国策文書の改竄と隠匿は、今現在の南西諸島を初めとする国民全体の生死を決する問題である。多くの人々が、この問題の正確な認識のもとに、この歴史的公文書改竄問題(森友問題を含む)に対する、防衛省・自衛隊ー安倍内閣の責任の徹底追及に起ち上がることを希望する。

統合幕僚監部発行「日米の『動的防衛協力』について」文書は、全体が「改竄」された! 
       
報道では、改竄がわずか1頁だけのようになされているが、統合幕僚監部文書は、全体が改竄されている。日本共産党・穀田氏の提出の原本と、情報公開された改竄文書を以下、比較対照する(以下、穀田氏文書を「原本」、情報公開文書を「開示文書」という。統合幕僚監部文書を「統幕文書」という)。  
                  
①削除された文書は、まず、統幕文書別紙1の「日米の動的防衛協力の検討状況・報告」と冒頭に記された、統合幕僚監部内の日米の防衛政策の検討状況のプラン一覧(1頁)だ。また、統幕文書別紙2の、「日米の『動的防衛協力』の取組」という沖縄本島における水陸機動団などの配備に係わる文書(1頁)も、頁丸ごと削除されている。

②この削除に加えて、統幕文書の別紙2には、原本には全くない頁の、「日米の『動的防衛協力』の取組」―「日米の『動的防衛協力』の方向性」が追加されている。中身は黒塗りであるが、これは間違いなく改竄しているうちに、担当者が混乱し慌てて頁自体を捏造してしまったことがうかがえる。この「幽霊頁」ともいえる文書の追加は、開示文書全体が「完全な作り直し」として行われたこと、完全な改竄・捏造であることを明らかにしている。

③統幕文書は、頁番号まで改竄された。原本の2頁を削除、原本に別紙2の1頁を加えた結果、統幕文書では、全て頁番号がずれてしまった。つまり、この頁番号のずれは、統幕文書全体が、「新たに改竄して作成された」という、重大な結論に至るということだ。

④このように、全体を改竄した結果、例えば、冒頭の表紙の「日米の『動的防衛協力』について」という頁のレイアウトや原本1頁、統幕文書1頁の「日米の『動的防衛協力』の全体像」のレイアウトまで変更されてしまっている。慌てて改竄し情報公開請求に対したと思われる。

統合幕僚監部の「日米の『動的防衛協力』について」の公文書改竄は、重大な犯罪である!


森友問題の公文書の改竄を見るように、防衛省・統合幕僚監部の公文書改竄問題は、重大な犯罪だ。事は、国の防衛政策に係わる問題であり、とりわけ、自衛隊の南西シフトー南西諸島への新配備、そして日米のその南西シフトを媒介とする対中抑止戦略全体に関わる問題である。この現在的に重大な問題に、統合幕僚監部という制服組のトップの組織が公文書の改竄に手を貸していたという、恐るべき事態である。もし、これをイラクPKO隠蔽文書の追及だけに「限定」してなしたとするなら、これは南西諸島の住民への裏切りであり、切り捨てである。国会も、メディアも、徹底して追及すべきである。

*統幕文書・原本全文 

https://lookaside.fbsbx.com/file/201207-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%8B%95%E7%9A%84%E9%98%B2%E8%A1%9B%E5%8D%94%E5%8A%9B%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%20%281%29.pdf?token=AWzyYDfGvpatd_NH2X4jZst1U5vsf2u0rTWQW_5HjSWp_KMGy4zVzmU4in2PRqpgXyk3XcJYkvQNEcW-_olThs3g_wPGzGewVVkCxxdHxXNAon1V6CZr9Uqa-kibRN9Sca3pZyR2W5txlD760t5u6U_cFJmMKHsWFlvYnKuztrRqew

*統幕文書・開示文書全文  https://lookaside.fbsbx.com/file/%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%B9%95%E5%83%9A%E7%9B%A3%E9%83%A8%E3%80%8C%E6%97%A5%E7%B1%B3%E3%81%AE%E3%80%8E%E5%8B%95%E7%9A%84%E9%98%B2%E8%A1%9B%E5%8D%94%E5%8A%9B%E3%80%8F%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%80%8D.pdf?token=AWyEGziHpS33G3jOX_YPGKBXtJj2MGdMbcxvylH9ZeHcd4RdnDQNMr7D5cH5NbnNqZZrKpiyTPG-4L6B25X2takekNGmj8wYeYLxzYMFApj-UKOnx_V0NIA7HZx14ipBA-Murd07qs7TD_hkpHCtMkLvtjLOqQhSeAn2DlynJGIK8Q 

情報公開請求による開示文書の意義と経過は、下記の書籍で読めます。同書の「解説」の「試し読み」も出来ます。この開示文書のほか、南西諸島配備問題の、自衛隊の教範類が収録されています。  
                              
*参考文献 『自衛隊の島嶼戦争ー資料集・陸自「教範」で読むその作戦』(小西誠編著・社会批評社) http://www.maroon.dti.ne.jp/shakai/jsdf-tachiyomi.pdf


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