千秋小梅日記

コミティア参加サークル「千秋小梅うめしゃち支店」を運営する小津端うめからの連絡、雑感、感想などです。

2015年ありがとうございました。

2015年12月31日 16時54分42秒 | 生活

今年もあと少しです。ここを読んでくださっている方、本当にありがとうございます。

今年はサークル「千秋小梅うめしゃち支店」がコミティアに参加を始めて10年目でした。

そのため、新潟コミティア、東京に冬と秋、みちのくコミティア参加といつもより頑張って参加を増やしました。年二回の新潟にあわせて新刊を作っていて、前半にはここ数年続いていた西紀市のシリーズがやーっと完結しました。これはすごーく肩の荷の下りる出来事で、充実感も一杯でした。そして秋にも新刊を創ることが出来ました。さらに新刊のなかったみちのく、東京にはペーパー漫画を持っていくことが出来ました。頑張った分だけ漫画を描くのがスムーズになったかもしれないので、どんどん描いていけたら嬉しいなと祈っています。

そうやって積極的に参加することで、今まで以上に沢山の漫画を読めたし、漫画描きの方と話をすることが出来ました。

世界が広がると、自分の拙さを思い知るけれど、一方で自分の至らなさを気付けるのだなと体感した一年だった気がします。

もっと上手くなって、折角読んで下さる方にもっと満足してもらえるよう良い意味で驚いてもらえるように、来年も頑張りたいと思います。

まずは来年1月31日のコミティアのペーパー漫画を頑張ります。

それでは来年もよろしくお願いいたします。


鈴木慶一45周年コンサートinメルパルクホール

2015年12月24日 17時23分54秒 | 音楽

鈴木慶一と言うアーティストがいます。私が良く話題にするムーンライダーズというバンドのボーカルです。

最初に知ったのは…大体私の情報源は漫画です。ムーンライダーズも漫画で、ララで描かれていたわかつきめぐみさん「SoWhat?」「グレイテストな私たち」の1/4スペースとか、巻末のイラストから知りました。

その頃、わかつきめぐみさんの漫画を熟読していて、その漫画の味わいの素はどうもこのような音楽にあるようだ、と思い出して、気にし出したのが1995年頃。

丁度その頃、ちょっと昔の音源をCDで廉価販売する「Q盤」という企画を複数のレコード会社が共同してやっていて、そこにムーンライダーズのアルバムが入ってました。

初めて聞いたのが「Don't trust over 30」というアルバム。その中の「9月の海はクラゲの海」の乾いたポップさも、「だるい人」「マニアの受難」の真剣にやる冗談も、「ボクハナク」「A Frozen Girl,A Boy In Love」の抒情性も、「なんだ?この、ユーウツは!!」の鬱屈も、どれも心に響いて…魅せられていったのです。

それ以降ずっと聴き続けて、20年間聞いてきました。

リアルタイムで初めて発売された「ムーンライダーズの夜」、仙台で見た「ダイア・モロンズ・トリビューン」の時のライブ、「Tokyo7」の元気さに圧倒された2009年、そして突然の活動休止の2011年、ドラムのかしぶち哲郎の他界にショックを受けた2013年…と思い出は尽きません。

「ダイア・モロンズ・トリビューン」ライブの時はキーボードの岡田徹さんが病欠。2011年は震災があったり(その頃秋田に住んでたのです。秋田は被害は少なかったけど、気分は晴れませんでした)、子供が生まれたり、引っ越しが決まったりでとても見に行くどころではありませんでした。2013年年末も、気付いたらコンサートが決まっていて、またもや引っ越しと重なって…と、ライブには縁がありませんでした。

ところがそんな中、バイオリンの武川雅寛さんが大動脈解離という大病を患ったというニュースを聞きます。嬉しいことに九死に一生を得られましたが、その時、次のライダーズのライブは何があっても行こう、と心に決めました。

そんな中、鈴木慶一さんの45周年のコンサートの話を聞きました。もう万難を排して12月20日に挑んだのです。その時点では武川さんが参加されるか不明でしたが、きっと大丈夫と祈っておりました。

鈴木慶一さん、と言う人はムーンライダーズの他にも様々な音楽を創ってこられた方です。日本ロック黎明期のバンド「はちみつぱい」、YMOの高橋幸宏とのユニット「ザ・ビートニクス」、ゲーム音楽「MOTHER」、他アイドルへの提供曲等々。コンサートがどのような形でやられるのか楽しみやら不安やら抱きつつ行きました。

最初は現在進行形のバンド「controversial spark」から。私はこれをまだ聞いたことがなかったのだけど、もう、かっこよかった。岩崎なおみさん、konoreさんの刺激的な声と、矢部浩志さんの疾走感と重層感を併せ持ったようなドラムに頭がどっかに飛ばされるような気分にさせられます。そしてそれに負けない堂々とした慶一さんの演奏ぶりがカッコ良かったです。背筋がピンとして、黒で固めた格好がとてもよく似合っておりました。

続いて最新ソロ作「records and memories」から。このアルバムが素っ頓狂な肌触りの聴けば聴くほど味が出るするめのようなアルバムですが、「愛される事減ってきたんじゃない?ない」と「無垢と莫漣、チンケとお洒落」をやってくれたのが嬉しかったです。とは言えまだ演奏に固さを感じて、もっとほぐれた演奏を聴けたら嬉しいなとも思いました。

その曲をやるときは、バックコーラスが何人か入るのですが、澤部渡さんかな?もう嬉しくてたまらないといった顔でされていました。きっと憧れの人と共演しているからだろうなぁ、と思って、そんな姿に自分を投影していました。

また、上野洋子さんも参加されていました。小さくて、白い服を着られて、アコーディオンを持って。昔ザバダックをよく聴いていた身としてはその声を生で聴けたことが感無量でした。深く響く声で、それを聴いたら一瞬高校の頃に戻っていきました。

続いてビートニクス。幸宏さんとの仲の良さをMCで垣間見ました。1曲目でやった「No Way Out」。もともとはテクノ=ニューウェーブの曲で、冷たさと硬さを持った打ち込み主体の曲ですが、今回はそれを生でやっていました。それが更に硬質で、なのに熱い演奏になっておりものすごくかっこよかったです。あとはポップでフォーキーなセカンドアルバムから2曲ほどやっていました。個人的には「common man」という曲を聴きたかったですが、そればっかりはないものねだりだなぁと思って我慢我慢。

ここでいったん休憩が10分入って(その休憩中controversial sparkのミニアルバム買って)、斉藤哲夫さんとやりつつムーンライダーズへ。

最初は武川さんがいなくて心配していましたが、途中から武川さんが参加して「スカーレットの誓い」と「BEATITUDE」聴けました。

14年ぶりに聞いた生ムーンライダーズは、何とも言えない不思議な音やグルーヴを出すバンドで、今回もやっぱり謎のバンドでした。いつまでもそうなのかも知れません…。今回はベースの博文さんが歌う場面が少なかったので、次があるならまた見に来たいと思いました。

武川さんはまだまだ声を出すのは辛そうでしたが、バイオリンとトランペットは十分できる様子で、ロックバンドにバイオリンがいるという不思議な体験を十分に味わうことが出来て良かったです。

最後ははちみつぱい。登場してくる方々がどの人も一癖あるような雰囲気で、45年の重みをずしりと感じました。演奏はサイケデリックで、トリップしそうな音の洪水でした。圧倒されましたー。最後の曲に自作の曲でなくギターの渡辺勝さんの曲「ぼくの幸せ」を選ぶ辺りが自己陶酔にならない慶一さんらしいというかなんというか…演奏中、渡辺さんが歌っているのを見る慶一さんの幸せそうな顔が、今回のコンサートで一番イイ顔だったかなぁという気がします。

アンコールはゲーム「MOTHER」のエイトメロディーズを参加者みんなで合唱。客席もみんなでハミング。

最後は武川さんと二人で「scum party」(「when this grateful war is ended」の後半部分)をして、武川さんと握手。無事でいてくれてありがとうという客の想いが慶一さんの姿に凝集されていたようでした。

行く前から、「今回の行動は自分にとってとても大きな意味を持つかもしれない」と思っていたイベントでした。そして参加して今、自分の中でとても大事な出来事になっています。生き続けることって悪くない。ああいう風になりたい。

そんなコンサートでした。

 

 


1月31日のコミティア115急遽参加します

2015年12月17日 18時46分04秒 | 創作

来年の秋まで出ない予定だった東京コミティア、急きょ次回1月31日、コミティア115に参加することになりました。

とは言っても仕事が控えていて、11時半くらいまでと言うわずか30分の参加…

でも!今回隣になることとなった「RIMLAND」さんがその後も引き続きうちの本を売って下さいます。

なので、前回買い逃した本がある方は是非寄って下さい。

新刊はないですが、ペーパー漫画を描けたらなぁと考えています。

なのでペーパーだけでも是非貰いに来てください。

ってまだネタを考えてないので、間に合わなかったらごめんなさい<(_ _)>

とまぁ書きましたが、それよりも伝えたいことは、

隣の「RILAND」さんの御本はどれもお勧め×お勧め×お勧め×お勧め!!です。まだ読んだことない方は是非お手に取ってみてみてください。

どれもお勧めお勧めですが、すごくお勧めの一冊「楽園の瑕」がHP「Radio RIMLAND」で12月20日から無料公開されるそうです。読んだことない人は是非!

ちなみに自分が昔から好きなのは「彼女はシュレディンガーの猫」。読み終わると気持ちが片付いて軽くなります。

近づいたらまた告知します~。

 

今は来年春の新潟コミティアに向けてプロット作成中。中々ぱちっとはまりません(-_-;)


インプットインプット…の読書の日々

2015年12月10日 22時59分03秒 | 読書・活字

良いアウトプットを持たないと良いインプットは出来ない、と以前聞きました。そういう意味では良いアウトプットが中々できないため、読んでいるものがどう役に立つのか心配なところもありますが、相変わらず読書の日々です。

資本主義の終焉と歴史の危機 水野和夫 集英社新書

以前読んだ本の再読。経済はからっきし駄目な私ですが、この本は面白かったです。というのは、歴史と絡めつつ、基本的な言葉(利子とか資本主義とか)を説明してくれるのでわかりやすいのです。そして、最初の章で出てくる過去の歴史と現在の状況を重ね合わせる語り口に、歴史好きの人間としては一発で引き込まれてしまいました。色々初めて知ることが多くて、勉強になりました。特に、下々には計り知れない金融空間ってのが雲の上にあるんだなぁ、と言うのをやっと理解しました。

人間の叡智 佐藤優 文春文庫

これも再読。上の本を読んでから、「そういえば似たような感動を以前覚えた本があったよね」と取り出して読みました。作者は「わかりやすく書いた」と言ってますが、この位が多分自分の理解がぎりぎり及ぶライン。上の本が経済から見た現在の社会とすれば、こちらの本は国家から見た現在の社会の目線。面白いのは国家間の大きい思想と社会にいる一人の人間のための思想が噛み合わないところがあること。それを噛み合わせようとするものの話も載っていますが、人間と言うのは不合理で整理できない存在だということをしみじみと感じました。…ってそんな感想で良いのか??

リア王 松岡和子 ちくま文庫

これも再読。1年くらい前に読みました。なぜか上の本を読んでいたら、思い出して読みました。多分、旧世代の人間と新世代の近代の人間の衝突という面もある、なんて解説あったなーと思い出したからじゃないかしら。1年前読んだときは筋を追うのでやっとでしたが、今回は余裕持って読みました。そしたら更に面白かったです。分析すると、キャラクターの特徴もそれぞれ際立っているし、物語の作りも凝ってる上ドラマティックだし、すごいんだなー、やっぱり、としみじみ思った次第です。エドマンド、ダークヒーローだったんですね。何度も読み返して最近やっと理解しました。