この間久しぶりに「ダンス・ダンス・ダンス」村上春樹を読み返しました。
やっぱり一番好きな作品だなぁ。この文章のリズムや、どこに出るのかわからない展開、妙に俗っぽい描写とそれを客観的に皮肉ってるノリ、そして失われた70年代精神(これはノルウェイの森に通じるんだな、と今気づいた。同じ時期の作品ですものね)。
さまざまな名言があます。例えば時々自分のしていることが無駄なことのように感じる時、いつも僕は「これは雪かきなんだ。これは雪かきなんだ」と自分に言い聞かせます。これはこの作品に出てくる「文化的雪かき」という言葉から。作中の登場人物も言ってましたが、便利な言葉です。
しかし、今新作と旧作編集版とのネームを切っていて(恐らく11月新潟で後者、2月で前者発表)、思ってしまったのは「これは文化的雪かきですらない」という言葉。だって、誰もこの雪をどけなくたって困らないのだ、自分以外。それどころか、却って紙とインクの無駄遣いかもしれない。雪を寄せられた場所の人が怒り出すかもしれない。
まぁそれでも、何も考えずこつこつと雪を寄せてゆこう。この本には「踊るんだよ、何も考えず。皆が感心するくらい」という言葉があったし、どこかにはこれだけ皆が大気汚染しているんだから、僕がやったっていいだろうみたいなことも書いてあった気がする。
とにかくネーム、プロットを久しぶりに延々と捩じってやってます。色んな創作の方法があるけれども、自分はジャズやロックみたいにアドリブでできる人間じゃないんだなぁ、村上春樹みたいに、というのを今までの創作過程から思いました。とにかく、馬鹿みたいに積み重ねていこう。色んなやり方で色んなものが出来上がるのだから。
11月2日、新潟コミティアに参加予定。
明日の東京は買い物に行けません(涙)。参加される方頑張ってきてください。