1991年(平成3年)にニューギンから登場した
初期新要件デジパチ「エキサイトリーグ」
★野球がモチーフ
★賞球…7&9&15
(ヘソ、左右オトシ、天穴…7個、アタッカー…15個、その他…9個)
★大当たり確率…1/210
★赤色ドットマトリクス採用
★図柄
・左デジタル
0~9、キャッチャーマスク、ホームベース、グローブ、nの計14図柄
・中デジタル
左デジと同じ14図柄だが、図柄間にブランク図柄の「ヘルメット」あり
・右デジタル
左デジの14図柄+ボール(オールマイティ図柄)の計15図柄
★上記各図柄の3つ揃いで大当り。但し、右にボールが止まったら、
左・中ゾロ目でOK。よって、大当りのパターンは計28通りとなる。
★最高16ラウンド継続
★出玉…約2300個
★意図的な連チャン…なし(ノーマル機)
私のパチ歴は、1990年(平成2年)の旧要件・後期(末期)まで遡る。その時代の
ニューギンのデジパチといえば、「エキサイト麻雀3(5)」「エキサイトマジック(2)」
「ウィング7G」といったドットデジパチと、「エキサイトキングV」「ニューヤンキー3」
「エキサイト123」といった7セグ搭載機に大きく二分される状況だった(E・キングと
ニューヤンキーは、設置も相当減っていたが…)。
その傾向がガラリと変わったのが、90年10月の規則改正→翌91年の新要件機
デビューの時期である。即ち、美麗な蛍光管を使った「エキサイトワープ」や
本家三共の牙城に切り込んだドラム機「グランドエキサイトG」などの登場だ。
上記2機種は、何れもおまけチャッカーデジパチだが(旧要件最末期デビュー)、
新要件時代に入っても、前者(蛍光管)は「スターマイン3(2)」「ビーナス」
「ジュピター2」、後者(ドラム機)は「エキサイトポーカー」「エキサイトカムカムAW
(2AW)」「回転寿司(港店)」という具合に、それぞれ引き継がれていった。
新たな時代の到来を契機に、ニューギンデジパチのイメージも大きく変わったと
思っていた矢先、今回紹介する「エキサイトリーグ」が突如ホールに姿を見せた。
蛍光管でもドラムでもない、オーソドックスなドットデジパチ。「原点回帰」を
思わせる流れだった。斬新なアイディアも採用するが、王道、本道も忘れない…
そんなメーカー側の意思も感じられるようだった。事実、ほぼ同時期に登場した
「ミラクルエキサイト2」の7セグ調でシンプルなデジタルも、原点回帰を色濃く
匂わせた。
オーソドックスなドットとはいっても、そこは新要件初期。独特なアイディアを
随所に取り入れる事も忘れなかった。その一つが、右デジタルの「ボール」図柄
である。
デジタル停止順は左⇒右⇒中。左右同図柄でリーチとなるが、その他、左にどの
図柄が止まっても、右デジにボールが止まったら、自動的にリーチ発生。即ち、
右デジのボールは、リーチ確定の「オールマイティ図柄」となっていた。
通常の左右同図柄テンパイのリーチ以外に…
右にボールさえ止まれば、左不問でリーチとなった。
必然的に、大当りパターンも「同図柄の3つ揃い」と
「左中ゾロ目+右ボール」の2つに分かれる。大当り
図柄は14個なので、大当りパターンは14×2=28通り。
グローブやベースといった野球絡みの図柄は、どこか
チープだが味わいのあるフォルム。アルファベットの
「n」も大当り図柄に含まれたが、これはメーカー名
「newgin」の頭文字である事が容易に想像できた。
(旧要件「ウィング7G」にも存在した図柄である)
リーチが掛かると、中デジが高速気味にスクロールした後、
大当り図柄の手前6コマから減速。通り過ぎると再び高速に。
分かり易く言えば、後の「アメドリリーチ」のような動きを
見せた訳だ。ド派手なスーパーリーチは存在せず、中デジは
高速→減速を1~2周繰り返して停止する(最大33コマ進行)。
中デジの大当り図柄は14通りだが、図柄間にブランク図柄の
ヘルメットを挟んでいた為、2周もスクロールが続くと時間も
それなりにかかって、かなりジラされる事となった。
ただ、右デジにオールマイティ図柄があった事から、本機は
他機種に比べるとリーチが頻繁にかかる特徴も有した。通常、
デジパチのリーチ発生率は1/12~1/16程度だったが、本機は
1/7.5と、かなりの高確率でリーチが掛かった。まぁ、単なる
バラケ目よりも、リーチが掛かってハズれた方が楽しめるのは
事実だ。但し、いくらリーチが多くても、肝心の大当り確率は
1/210のままで不変だから、必然的にリーチの信頼度は著しく
低下。この「リーチ多発」の特性を良とするか不可とするかは、
打ち手によって判断の分かれる部分だった。
余談だが、本機のアタッカーのフタには「HOMERUN」の英字表記が
あったが、フタの左右に仕切り(突起)がついていた関係で、表記が
「HOME RUN」ではなくて、「HO MER UN」と妙な区切り方に
なっていた。当時、大学2年生で第二外国語がフランス語だった私は、
「HO=おーい!(呼びかけ)」、「MER=海」、「UN=一つの」と
見えてしまって、妙に文学的なイメージを本機に抱いたものである。
(ニューギン「エキサイトリーグ」の項、了)