来年1月12日に青山スパイラルホールで行われる「百人一首に遊ぶ」で披露される、和歌披講と笙のコラボレーション。現在では無伴奏で行われる和歌の披講ですが、室町時代には、箏や笙などの楽器を「付物(つけもの)」として伴奏する例が見られます。今般、このありようを現代に甦らせるべく、笙奏者の石川高さんをお迎えして、初めての申し合わせを行いました。笙には、「合竹」奏法の他に、単音で吹奏する「一竹」奏法があり、ほとんどの音をカバーできますが、和歌披講の節は、純粋な雅楽旋律ではなく、俗楽旋律が混用されているため、断金(E♭)などのように、笙にはない音も使われています。その空白部分をどのようにすればよいか、石川さんとご相談しながら稽古を繰り返し、満足のゆく仕上がりとなりました。ふだん、自由な高さで歌っている披講を、笙のピッチに合わせるのは大変かなぁ、と思っておりましたが、句ごとに笙が先行してリードしてくれると、実は大変に歌いやすい、ということがわかりました。当日をどうぞお楽しみに。
(「百人一首に遊ぶ」)