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スコッチダイアリー

盛岡の小さなショットバー「スコッチハウス」のサトコママの日記帳です。

遠い国からお客様

2018年02月28日 | Weblog
  2017年12月、シンガポールより、バー・オールドアライアンスのオーナー、エマニュエル・ドロン&妃貴美(ひとみ)夫妻がお見えになりました。スコットランド人のアンガス・マクレイド氏も加えて3名でのご来店でした。

 そのアンガス氏は、スコッチウイスキーのライターということで、ウイスキー・ファンというイギリスのサイトにご自身のコーナーを持っているとか。そして我がスコッチハウスのボトルをずらりとならべ、テイスティングしてコメントを書く・・・こと6時間。オープンと同時に入店して、12時過ぎまで実に52種類のスコッチを、エマニュエル氏とふたりで仲良く楽しんだのでした。特に天満商会のころのソサエテティを15~6種類は選んだので、なぜ?と思いましたが、アンガス氏はソサエティの仕事もしているという事で納得しました。コメントを見せてもらいましたが、ほぼ同じ字数ですべてまとめていたので、プロの仕事だと感心しました。彼らふたりは、ソサエティ、ハイランドパーク、アードベッグ、ボウモア、グレンファークラスを中心に飲んでいきました。マッカランを一切選ばなかったのは、すでに飲みつくしたから?などど想像してしまいました。

 さて、お気づきの方もいるでしょうか。アンガス氏は、うちの愛犬アンガスと同名です。スコッチテリアのアンガスは12歳で永眠し、私もマスターもしばらく呆然としていたものですが、今回、同じ名前の方を迎えて、懐かしさの方が先にたちました。アンガス氏が熱心に「これを、是非飲みたい!これも開けてほしい」と言ってくるので、マスターはレアなアードベッグを3本封切りました。「わざわざ遠くから来てくれたからね、おもてなしだよ」とマスターは言いましたが、アンガスという名前が良かったから、特に親切だったのかもしれません。

 その時来ていたお客様も交えて、記念写真をぱちり。ちなみに、私(スコッチハウスママ)が撮影したので、私は写真に入っていませ~ん。楽しい時間だったと、皆さんの笑顔が語っております。ソサエティの旧ボトルもたくさん写っていますね。


目白・田中屋にて

2017年11月30日 | Weblog
 11月26日ウイスキーフェスティバルに出席しました。開場の午前11時から、会場は人、人、人!その日の入場者は4,000名だったそうです。ブースの中の業者さんは、殺人的忙しさで、挨拶もままならず。ウイスキーを「買う」人が増えたんですね。ブームを目の当たりにしました。

 翌日は、目白の田中屋さんへ。そこで、「長濱蒸留所」「秩父蒸留所」の若手モルトマン、そして名古屋「ウェイター・ウェイター」のマスターに会いました。みんなで記念写真をぱちり。見本に持ってきた「スコッチオデッセイ・コンプリート版]も写っています。スコッチハウスのマスターが手に持っているのはジャコーネのボウモア!超レア物です。

 テレビ番組「クレイジー・ジャーニー」に出演後、栗林さんはすっかり有名人に。会場でも写真撮影をお願いされていました。こんなところにもウイスキーブームの波が。


スコッチオデッセイ4・ただいま制作中②

2017年11月16日 | Weblog
 スコッチオデッセイは、直しをかさねて、第四校で、ようやく校了しました。印刷後は、訂正がきかないので、とことん見直しをしました。特にマスターは、ルーペ片手に真剣にチエックしてましたね。ただあんまり見すぎると、全部やり直したくなるらしく「きりがないだろう」と自分にストップをかけていました。

 今回の版が、今後再販するときの底本のなります。

 原稿を印刷にまわしたのが11月10日。予定どおり12月1日発行です。11月26日の土屋守氏主催のウイスキーフェスティバルに持っていけるといいなあ。


「スコッチオデッセイ4」ただいま制作中①

2017年10月23日 | Weblog
 拙著「スコッチオデッセイ」第4版を出すことにしました。皆さんは第3版のあとがきで「これで終わり」と宣言したのを覚えておられるでしょう。しかーし!また加筆・訂正して、コンプリート版と銘打って出版する運びになりました。昨晩、あとがきを書き終えたのですが、本音は「舌の根もかわかぬうちに、直しを入れた第4版を出しちゃってすいません」です。本をお買い上げになったら、あとがきは意訳して読んでください。

 新版(第3版)の増刷でもよいのでは・・・と、ちらっと思いましたが、やっぱり直しを入れたかったんですね、マスターも私も。なにより、マスターが「自分でコメントを執筆した」のが驚きでした。やればできるじゃん、夫よ。

 その勢いで、エッセイにもマスターからの指示が入りまくり。なんだか小論文みたいになってしまいました。読んで面白いかなあ、と疑問に思うも、私は今、軽いゲシュタルト崩壊を起こしているので、読者の皆様に判断を仰ぎます。8話あるうち、掉尾はサマローリ氏の話です。題して「サマローリ小伝」。本来は、ブログで書こうと思っていた内容です。一面識もない、それこそ雲の上の人ですが、自分で書いた文中の一行で、若きサマローリ氏の事を、ものすごく身近に感じました。どの部分かは本が出てからお知らせします。

 思いつくまま書きしるしました。本の発売は12月1日の予定。(ちょっと伸びました)値段は1,600円+税です。皆様、どうぞよろしく!

スコッチハウスのホームページが移転しました

2017年10月17日 | Weblog
 私がコツコツ作ってきた、スコッチハウスのホームページですが、プロバイダのサービス停止により、新たにドメインを取得して移転しました。移転先はこちらです。http://www.scotchhouse.jp/

 プロバイダのサービスが、2017年10月31日で終わるので、古いURLからスコッチハウスのホームページは見られなくなります。ご不便をかけますが、新しいURLのブックマークをお願いします。

 ここ何年か、トップページの更新のみで、他を放置していたのは、ページが膨大になったから(たぶん100ページくらいある)。サービス停止は一年前から言われてましたが、その頃、なんと胆石が見つかり全身麻酔で胆嚢摘出!それで移転作業を先延ばしにしていました。麻酔の影響で頭が働かなかったとはいえ、残り2か月となってから移転したのは遅すぎでした。せっぱつまらないとやらないのは私のダメなとこです、はい。

 独自ドメインは、あまりひねらない方がいいな、と思ったのですが、結果、某洋服屋さんのドメインと似てしまいました。とはいえ「許可がおりて取得した」ので、結果オーライです。あまりつっこまないでくださいね。

 移転作業は「わからない!」の一言でした。ビルダーでつくっているホームページなので、いろいろおさらいしました。理屈がわかってしまえば、移転も簡単でしたが、下手してデータが全消しになったら、という恐怖があり慎重に作業しました。調べ方がうまくなったのは感じました。経験ってすごい。

 スコッチオデッセイという本をつくりましたが、ホームページのウイスキーコレクションは、また違ったテイストなので、この機会に皆さん見てください。2006年作成ですが、なんというか、情熱があります。

 次回は、現在制作中の「スコッチオデッセイ4」の経過報告をします。乞御期待!

シルヴァノ・サマローリ氏の思い出

2017年05月23日 | Weblog
 恒例になったインターナショナル・バー・ショーが、今年も東京・後楽園のプリズムホールでおこなわれたので、夫婦で行ってまいりました。一泊して翌日は、目白の田中屋でウイスキーを仕入れる、といういつも通りのスケジュールでしたが、今年に限っては「店長の栗林さんから、2月に死去したシルヴァノ・サマローリ氏の思い出話を聞く」という大きな目的がありました。

 前日の夜、有楽町のキャンベルタウン・ロッホでもその話題になり、そのときマスターの中村さんがぽろっと言った「今の若い人たちは、サマローリさんのウイスキーを知らないんですよ」という言葉が胸を刺しました。

 サマローリ氏は、ゴードン&マクファイルとケイデンヘッドの2社しかなかった、1980年代のボトラーズ業界に風穴をあけた、個人ボトラーのはしりというべき人です。「樽こそすべて、樽によってスコッチの味が決まる」という信念のもと、自ら選んだ樽にウイスキーを詰め、それをボトリングしました。それを1992年に日本に紹介したのが、栗林さんです。いわく「その頃サマローリのウイスキーを買ってくれたのは全国で10人足らず」その中に我が夫、関和雄も入っていたのです。

 さて、田中屋では、サマローリ氏の話で盛り上がりました。すると、スタッフの平田嬢がシンガポールのエマニエル・ドロン氏にTV電話をかけてくれました。エマニエル氏と会った、その帰途の飛行機で、サマローリ氏は死去されたのですが、フェイスブックの記事を見ていると、お二人は、年は違えど親友といっていい間柄だったようです。

 私は、エマニエル夫妻と会話ができて本当にうれしかったのですが、TV電話の背景に映る、サマローリ・ウイスキーの数々には度胆を抜かれました。数量が半端ではないのです。エマニエル・ドロン氏は、間違いなく世界一のサマローリコレクターでした。

 そのエマニエル氏が「最後に見せたいものがあるんだ!」と言ってプレジデント・デキャンターボトルを掲げたので、オーバン・・・かと思ったら違いました。夫が「おー珍しい!ポートエレン!!」一見しただけですぐに分かったのはさすがでした。「コレクターの心は、コレクターのみ知る」を目の当たりにしたのが、その日の一番心に残ったことでした。(文中のオーバンの形態は、スコッチオデッセイ新版P31参照のこと)

 エマニエル氏の奥様から、エマニエル&サマローリ両氏の写真を送っていただいたのでアップしました。かっこいいお二人ですね!

シンガポールからようこそ!

2016年12月07日 | Weblog
 スコッチハウスのお客様は、今や全国に広がっていますが、海を越えてやってくる方も増えました。先日は、シンガポールから、バー・オールドアライアンスのオーナー、エマニエル・ドロン氏と奥様(日本の方)がご来店になりました。事前に連絡頂いたので、マスターと私は、楽しみに待っていました。お会いしてみるとなんとも温和な物腰のご夫妻。初めて会った気がしなくて、すぐにうちとけることができました。そして、飲んでいただきました!お話しもたくさんしました!(通訳して下さった奥様に感謝です)

 エマニエル氏が飲んだことのないボトルをいろいろ提供しました。タリスカー1955、グレンファークラスデキャンター1955、グレンフィディック・シルバースタック・デキャンター、ソサエティのスプリングバンク64と65、ジャコーネボトル・・・奥様はバイセンテナリー、ドラゴン、ダンピ―と続けてボウモアを3種と、生まれ年のポートエレン。お二人で15種類ほど楽しまれました。これほど飲んでけろりとしているのには感心しました。お強い!現在オールドボトルの本を執筆中とのことで、出来上がりが楽しみです。日本語訳は、山岡さんでしょうか?

 スコッチハウスコレクションの中で、100年前のオールドオークニィには特に感銘したようで「是非開けて飲みたい」と言っていただきました。メンバーを集めていつか飲みましょう!と楽しい宿題になりました。

 オールドアライアンスの店名は、イギリスとフランスにまたがるアライアンス海峡が由来だそうです。お店にはこの二か国のお酒だけをおいているそうです。ネットで店内を拝見できますが、ほんとうに素敵です。シンガポールに行きたくなりました!

 最後に記念撮影。カウンターの中に入って写真を撮ったりしましたが、その時バックバーの奥の奥まで覗いたエマニエル氏。牽制してちらりとしか見せないスコッチハウスのマスター。はたで見ていると、なかなか面白い絵でした。写真は、エマニエル夫妻とスコッチハウス夫妻、そして仙台からのお客様。このようにしていろいろな方とのご縁がつながっていくのですね。

「スコッチウイスキー 迷宮への招待」発売!

2015年12月13日 | Weblog
 今年の春、スコッチハウスのボトルの写真を撮りにきた出版社二人組がいました。もちろん一日では足りず、日を改めて今度は二日がかりでの撮影。定休日はない我が店のこと、日中に撮影して、6時には現状復帰・平常営業とかなりハードなスケジュールでした。初回に撮ったカット数は1300!二度目に来たときは、撮影の他にインタビューもして、「本ができたら送ります」と言って、元気よく帰っていったのです。(正直、おやじパワー凄いと思った)

 さて、11月。予告通り「スコッチウイスキー 迷宮への招待」が送られてきました。スコッチハウス店内全景(天井の梁までバッチリ)とインタビュー記事、そして全体にちりばめられたスコッチハウス所蔵のオールドボトル。なかなかの出来で、楽しくて毎日眺めています。11月末にウイスキーフェスティバルで東京へ行った時、目白の田中屋に寄ったら「迷宮」が積んであって、仲良しの店員、平田さんが「お店の天井高いですね~。ところでここのミニチュアは何ですか?」と早速聞いてきました。さすが、プロは目ざとい!・・って、あなた、うちのバックバーは全部わかったのね。

 同じくインタビューを受けた、田中屋の栗林さんと本を手に記念撮影をパチリ。本は(株)スタジオタッククリエイティブから出ています。かなり厚め(383ページ)で定価2,900円(税別)あっぱれなふたりのおやじの名前は、高橋矩彦氏(文)と和智英樹氏(文・撮影)です。そのエネルギーに私は負けたよ。

 というわけで、是非、ご一読を!

さらば、昭和の名バーテンダー

2015年10月30日 | Weblog
 去る10月16日「銀座ダルトンⅡ」において、9月に逝去した「銀座ダルトン」のマスター石澤(こくざわ)実氏を偲ぶ会が行われました。夫も招待状をいただいたので、日帰りで参加しました。

 銀座ダルトンで、夫はスコッチウイスキーを学びました。初めてダルトンに行ったのは1985年。これからバブルに向かおうという華やかな時代でした。店内に並ぶマッカランに感銘を受けた夫は、それから年に1~2回、ダルトンへ通い、スコッチの情報収集に努めました。マスターの石澤さんは、親切にいろいろ教えてくれたそうです。「シングルモルトはダルトンで味を覚え、スコッチ関連の洋書はイエナで購入。東京に行かなければ何もわからないままだった。出張で東京へ行けて本当に良かった。」と、結婚したばかりのころ夫が話したのを覚えています。地方と東京の格差は本当に大きかったです。

 ダルトンのマスターも、盛岡に関和雄というスコッチのコレクターがいることを面白く思ったようで、盛岡の人がいくと夫の話をしたそうです。それがたまたま同級生で「関のことを銀座で聞いたんだよ!」と驚かれたりしました。夫が顔を出すと「盛岡にグレン・グラント残ってない?」と聞かれたり、こちらから石澤さんの好きなミルトン・ダフやストラス・コノンを持って行ったりと、スコッチの事で常に交流がありました。2000年にスコッチハウスが開店した時も、店の内装、特にバックバーは、ダルトンによく似た雰囲気になりました。夫はダルトンのマスターから薫陶をうけたのだと、私はうらやましく思います。

 偲ぶ会では、カウンターに真紅のばらが置かれ、参加者はそれを献花しました。粋ですね。石澤さんが50年間守った銀座ダルトンも、建物の取り壊しで12月には地上から消えてしまいます。けれども、お弟子さんが大勢独立なさっているので、昭和の名バーテンダーMr.マッカランの名は、これからも語り継がれていくでしょう。

同じだけど違う!? ~ボウモアテンペスト・バッチ5~

2015年05月02日 | Weblog
 仙台のコレクターM氏のブログに「ボウモアテンペスト・バッチ5が良いです」という記事が載っていました。スコッチハウスのマスターも「テンペスト・バッチ5には、60年代のボウモアテイストがある」という持論でしたから、我が意を得たりとばかりまとめ買いをしたのであります。

 そして仲良しご近所さんの「スパニッシュライツ」に一本ゆずって、その場でテイスティングしたところ「・・ボウモアテイストが無い?」ずーっと考え込んでいたマスター。営業中なのに、もう1本のテンペストをがっとつかんで「もう一度確かめてくる!」・・・まあ、スパニッシュライツまで徒歩5分だからね。でも、カウンターのお客さんは、あっけにとられてました。(笑)

 はい、見事に味が違っておりました。その後、4本味見しましたが、4本とも。で、タイトルの「同じだけど違う!?」になるわけです。クエスチョンマークは外せません。ボウモア・エニグマがありますが、我々にとってはボウモア自体が「謎(エニグマ)」のスコッチウイスキーです。

 テンペストのバッチ5の味の評価が、賛否両論なのもこれでうなずけます。「ラベルとロットが同じでも中の味が違う」というのは、誰も思いつかなかったでしょう。スコッチハウスで味比べしたお客様たちは、1800本のボトリングで、なんでこんなに違うの、と夢中になって原因を考えます。「樽の混ざり方が、均等ではない」「個性的な(変わった?)樽が入っている」そして「やっぱり、1本飲んだだけでは、そのボトルの評価はできないですね」というとろに落ち着きます。

 極論ですが、1本ではなくケースで買って味をみないと、ほんとのところはわからないって事?なんだか、ワインみたいですね。それにしても、ボウモアって、本当にお騒がせ銘柄です。逆に言えば、それだからボウモアが好きなんですが。