認められない？

「病識」というコトバがある。

自分の病気のコトを、
自分が病気だと言うコトを、

「認める」と言うコト。

自分は病気なんだという認識を持ち
そのことを自覚しながら生活する。

これが闘病への第一歩。


けれど精神的な病は
「認める」コトが難しい。

それは周囲に「認められない」と言う
不安がつきまとうからだと、
さやは思っている。


さや自身、
自分は「ウツ病なんだ」

そう理解出来たのは
病気になって何年か経った後だった。

病気であることさえも分からない
そう言う病気だったからかも知れない。

ただ自分がオカシイと言う
それしか分からなかった日々。

ココロもカラダもオカシイ。
自分の思い通りにならない。

オカシイ！
何かがオカシイ！

それなのに
それがなんだか分からなかった。


だからフツーの人が
自分は精神的に病んでいる。

そのことを認めるのは
難し過ぎるのかも知れない。


でも私達には分かる。

黄色信号が点滅している人。
ココロが救いを求めてる人。

しかし出来ることは
病院に行くことを勧めるコト。

その程度の手助けしかできない。


でも認めることが出来ない人は…

自ら病院へ行くことはないだろう。

病院へ行くこと自体
何故だかやましい気分になる。

今の社会の中では
そんな気持ちにならされてしまう。


精神疾患＝異常

と言うレッテル。


ステレオタイプの社会の中で
人と違うことはオカシナコト。

オカシナコトは異常なコトと
振り分けられてしまっている。


最近やっとテレビ等でもウツ病を始め
精神疾患のことが取り上げられている。

けれどまだどこかに残る違和感。


精神病は異常。
精神病者は怖い。


アタマにこびりついて
ぬぐい去れない意識。

それが大半の人だと知っている。

知っているからこそ私達は勧める。

精神科の門を叩くことを。


そうじゃないんだと。

ココロも疲れたら
休息が必要なんだと。
ココロも病んだら
治療が必要なんだと。

精神疾患はオカシナコトではない。
精神病者は怖くも異常でもないと。


認められなくても良い。
病気だと思わなくても良い。

でも疲れたのなら休んで欲しい。
オカシイなと感じたら考えて欲しい。

精神科へ行くことを。
心療内科でも良い。

専門家の知恵と薬に頼ることを
間違っていると考えないで欲しい。


気力じゃ治らない。


病気だから。

治療が必要。
助けが必要。


だから拒まないで。

一度だけでも良いから
医師の話を聞いて。
診察を受けて
薬を飲んで。

自分の本音を晒して。

逃げ出さないで。


そうじゃないかも知れない。

でもそうかも知れない。
そう思ったなら
そう思ったから

だから
診察を受けて！