父の暴力はふたりの兄が高校生になる頃まで続いていた気がする。
さやが中学生の時はまだ暴力を振るわれていたから。
兄らが成長して、力で押さえつけることが出来なくなって
自分の暴力も制止されるようになって、影を潜めた。
でも影を潜めただけでなくなってはいなかったように思う。
飲んでは時折爆発して手を上げる、モノを壊す。
さすがにその頃はまだ昼間から飲んでいなかったとは思うが。
真相は分からない。
中学生になっても、さやは家に帰りたくないコだった。
帰る家には父がいる。そのことがさやを家から遠ざけた。
そしてさやは今も家には帰らない。
現実的な話、さやの貯金はもうほとんどない。
今月の家賃が落ちるかどうかだ。
郵便局の定期は崩さない。
それをしたら際限がなくなる。
崩さない、と言う母との約束。
家賃は母に立て替えて貰った。
それでもさやは家に帰らない。
帰れないのだ、あの家には。
ちちのこと-①
ちちのこと-②
さやが中学生の時はまだ暴力を振るわれていたから。
兄らが成長して、力で押さえつけることが出来なくなって
自分の暴力も制止されるようになって、影を潜めた。
でも影を潜めただけでなくなってはいなかったように思う。
飲んでは時折爆発して手を上げる、モノを壊す。
さすがにその頃はまだ昼間から飲んでいなかったとは思うが。
真相は分からない。
中学生になっても、さやは家に帰りたくないコだった。
帰る家には父がいる。そのことがさやを家から遠ざけた。
そしてさやは今も家には帰らない。
現実的な話、さやの貯金はもうほとんどない。
今月の家賃が落ちるかどうかだ。
郵便局の定期は崩さない。
それをしたら際限がなくなる。
崩さない、と言う母との約束。
家賃は母に立て替えて貰った。
それでもさやは家に帰らない。
帰れないのだ、あの家には。
ちちのこと-①
ちちのこと-②