始まりの日

私の職場は女子社員が私だけでした。
私以外は男性社員。
あとはパートのおばちゃま達。


定時は５時45分。
でも私は、
その時間に帰路についたことがなかった。

仕事を終えて事務所に戻ると
すでに６時をとうに過ぎている。
事務所に残っているのは
電話がけパート二人とパートリーダー。
そして男性社員のみ。

自分の仕事を片付けていると
ぽつぽつと戻ってくる先輩社員。
全員が揃ったところで反省会。
その時点で時計は８時を指している。


そして週に１度のエリア会。
帰れるのは９時か10時か・・


仕事を始めて半年、
私は内科と婦人科のお世話になっていた。

身体的疲労による食欲不振と慢性的な胃痛。
そして偏頭痛。
重度の月経痛と
月経前緊張症の疑い。

ＭＩＲも撮ったし、脳波も調べた。
その時私の体重は、
すでに７キロも落ちていた。


そして仕事は秋の営業強化月間へ。

通常業務終了後、戸別訪問。

知らない土地で、20歳そこそこの自分が
夜の暗闇の中、知らない家を訪ねて歩く。
その恐さと辛さは
男性の方々には想像もつかないだろう。


それから３ヶ月。
私は身体的にも精神的にも限界だった。

「今日は午後から出勤します！」

そして駆け込んだ精神科。


きっかけは先日の先輩と上司の怒鳴り合い。

「こんな効率の悪い仕事してられるか！
　オレはっさっさと帰る！」
「自分の仕事が片付いたなら
　どうして他の人の仕事を手伝わない！」

理由はなんであれ
職場で怒鳴り合うこと自体間違ってる！

私は女子更衣室へと避難。


仕事中なのに
ちょっとしたことで泣けてくるんです。
精神的に不安定で
仕事に集中出来ないんです。
夜眠れなくて、
明日の仕事が気になって仕方ないんです。

それが私の精神科デビュー。


病名はもう忘れたけれど
薬を処方して貰って
２週に１度の通院をすること
上司に職場転換をして貰うよう話すこと。

そんなアドバイスを貰って
私の精神科通院が始まった。